表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/49

悪魔のささやき2

 文化部部室棟。

 俺は何気なく廊下でスマホを弄っていると。

 

 来た!

 一人の女子生徒が通りかかった。

 校則違反ギリギリまで茶髪に染めた少女。

 ふわっとゆるふわな髪型がゆれている。

 着崩ずした制服がちょっとおしゃれで、そこそこの美人。


 幸い彼女は一人のようだ。

 群れる女子は苦手なのでよかった。

 それに、普段群れている彼女にしては珍しい。




 彼女は俺と視線が合うと、ニコッと笑う。

 日頃の行いの成果だ。


 俺は優等生の良い人で通っているからか。

 女子受けはそこそこいい。

 彩と付き合っているせいかもしれない。

 何故か彼女がいる男子に対して、女子は柔らかい対応をとる場合が多い気がする。


「有村さん、ちょっといいかな」

「何?沖田君」


「実は有村さんに話しがあるんだけど、人には聞かれたくないから。この空き教室でいいかな」

「あやしい~。いいの?彼女の掘北さんいるのに」


「変な話じゃないし、彩は気にしないよ」

「何々、まさか、あたしに告白するの?沖田君、あたしのこと好きなの?」


「有村さんは魅力的だけど、それは違うかな」

「そこは嘘でも好きっていってよ~」


「友達としては好きだよ」

「それでいいよ~」


 俺は有村さんと空き教室に入る。


 


「それで沖田君、話しって何?」

「実は、俺の友達の一条のことなんだ。知ってるだろ、一条のことは?」


「えっ・・・うん。それは知ってるよ。同じクラスだもん」


 ちょっと動揺する有村さん。 

 田中君よりは分かりにくいが、俺は瞬時に察知した。

 やはり有村さんは一条に惚れているな。


「これ、秘密にしてほしいんだけど・・・」

「何々?もったいぶらずに教えてよ~」


「一条なんだけど、実は有村さんのことが好きみたいなんだ」

「・・・・・・・・」


 顔を赤くして固まる有村さん。

 口をポカンとあけている。


「一条なんだけど、実は有村さんのことが好きみたいなんだ」

「き、聞こえてるよ~」


「そうかい、よかった。それで、有村さんはどうかな?」

「えっ、私?なんでなんで?どうって何が?」


 彼女は自分が一条を好きなことを隠したいようだ。

 意外と乙女だな。

 

「いや、ほらっ、俺は一条と仲が良いし。俺には彩がいるだろ。

 一条にも早く彼女をつくってもらいたいんだ」


(まぁ、一条の彼女も彩かもしれないけど)

 

「ふ~ん・・・・」

「有村さんと一条は上手く行くと思うんだ。

 それにもし望みがないのなら、一条にも伝えてやりたいし。

 それで、どうかな?」


「・・・う~ん」


 黙る有村さん。

 何か迷っているのかもしれない。

 もう一押しだな。


「やっぱり、一条は無理か。奴は能天気だからな。

 有村さんにつりあわないか。はぁ~残念、ダメだって伝えとくよ」




 俺が空き教室から出ようとすると。


「待って。別に・・・その・・・嫌いじゃないから」


 有村さんがさっと告げる。

 慌てたように俺を止める。


 ふふっ。

 かかった。

 焦ったな、有村さん。

 

「分かったよ」

「えっ?」


「有村さんの気持ちはよく分かったから。俺もそこまで鈍くないよ。

 できる事があるなら、二人を応援させてもらうよ」

「・・・・え、うん」


「それじゃ、有村さん。今日はそれだけだから」

「・・・・うん」



 俺はさっそうと空き教室を出た。

 







 ふふふっ。

 これで二つ目のエサも撒いた。


 一条はアレでもてるからな。

 勉強は怪しいが、運動は出来る。

 それに背が高くて顔が良く、とっつきやすい。


 一条を好きそうな女子は多かったが。

 俺は有村さんを選んだ。

 幾つかの条件に見合ったからだ。


 一つ、彼女は俺とそれなりに面識があること。普通に会話するぐらいの間柄。

 二つ、彩とはそれ程親しくなく、同じグループにいないこと。

     有村さんはどちらかという、彩を嫌っている気配があるし。

     クラスでは多くの取り巻きをつれ、有村グループを形成している。

     強気なギャルグループなので、あまり敵にはしたくないグループだ。

 三つ、有村さんは直情的というか、何かを信じやすい。

     思ったことを口に出しやすいタイプで、血液型占いの話も良くしている。

     操るにはちょうどいい。 






 ふふふっ。

 順調に計画は進んでいく。

 

 これで。

 彩と一条の破滅も近いかな。

 二人の楽しい学園ライフも、もう少しで終わるだろう。

 まぁ。

 今の内に十分楽しんでもらえるといいんだけど。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拍手ボタン設置中。なろうユーザーでなくても、一言感想を送ることができます。

 

9/7 新連載開始です~↓
チートスキル「美容整形」持ちの俺は、目立ちたくないのにハーレムに

 

【8/4 完結しました】↓
ビューティフルざまぁ~公爵令嬢、悪役令嬢への道を歩む~

 

さくっと同時連載中。↓
もう、結構ですわっ!

 

こちらも連載中↓
転生したら吸血鬼さんだった件~チートで世界最強です~

 

★おすすめ傑作恋愛作品~(他作者様)↓
Be mine(作者;はな様)

 

★こちらも~です↓
乙女ゲームの模範生!(作者:穂兎ここあ様)
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ