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動き出す闇

 放課後。


「悪い彩。俺、今日から先に帰るわ」

「えっ!なんで?」


「夏休みの宿題が終わってないんだ。

 あれ、今週末までだろ。家にこもって終わらせるよ」

「そう・・・あたし、終わってるから見せようか?」


「ありがとう。でもいいよ。やっぱり宿題は自分でやらないとな」

「もう・・・変なとこで真面目なんだから。それで、何が残ってるの?」


「数学と物理だよ。かなりの量の宿題があっただろ」

「たくさんあったね。あたし、数学も物理も嫌い。先生が嫌いなの」


「知ってるよ。あの教師を好きな奴はいないだろ」

「だよねー。いなくなっちゃえばいいのに」


「じゃ、悪いな彩。それじゃ」

「待って」


「?」

「ほら、ゴミついてるよ」


 彩が俺の服から糸くずを取る。


「おう、ありがと」

「うん。どういたしまして」


「それじゃ」

「ばいばい」



 俺は彩と別れて学校を出た。

 だが・・・

 家には帰らない。

 夏休みの宿題など本当は随分前に終わっている。



 俺は学校を出てからマックに入る。

 手元のスマホを見る。

 俺の元には2台のスマホがある。

 一台は俺が普段使っている物。


 もう一つは。 

 新規で用意したもの。

 

 そして昨日の事を思い出す。






~~~~~~~~~~~






 彩の家族がいない時を見計らい、彩の部屋に進入した。

 (2階の部屋だからか、彩は窓に鍵をかけない事が多く、簡単に進入できる)

 そして。

 彩のパソコンを起動し。

 新規で買ったiphoneを繋げた。

 itunesを起動して確認すると・・・

 パソコン内には、iphoneデータのバックアップがあった。


 やっぱり。

 必ずあると思っていた。 

 優等生気質の彩が、バックアップをとらない訳はないと思っていた。




 俺はパソコンを操作して。

 itunesの「バックアップからの復元」を選択してクリック。

 新規のiphoneに、彩のiphoneデータをいれていく。




 完了には数十分かかる。

 家に彩の家族が帰ってこないかドキドキしたが・・・


 結局誰も帰ってこなかった。




 ピコーン!

 

 おっ。 

 俺はiphoneを見て中身を確認すると。

 やりぃー。

 よっしゃー!

 ネットに書いてあったとおりだ。

 彩が使っている物と全く同じ内容のiphoneが出来た。

 クローンiphoneの作成成功だ。




 ささっと自分の部屋に戻り。

 クローンiphoneでLINEを起動する。

 

 起動したアカウントは彩のもの。

 よし。

 できた。

 これで彩のLINEは常時監視できる体制は整った。

 

 復讐計画を次の段階に進められる。



 



~~~~~~~~~~~







 学校の通学路を監視しながら、二台のスマホを見る。

 自分用のスマホで彩に連絡。


俺:『ごめんな、先帰って』


 すると。 

 彩のクローンiphoneのLINE画面に。

 俺からのメッセージが表示される。 

 ちゃんとクローンiphoneは機能しているようだ。

 

彩:『いいよ。全然気にしてないから。宿題頑張って』

俺:『めんご~』


 適当に返してから。

 彩のLINEを監視した。

 

 




 すると。

 彩のLINEに動きが。


 相手は一条だ。



彩  :『ねぇ、今日、宗司変じゃなかったぁ?』

一条:『いつも通りだろ』

彩  :『そうかなぁ~?』

一条:『気にしすぎ』

彩  :『宗司先帰ちゃったんだぁ。夏休みの宿題やるんだってぇ~』

一条:『俺も宿題残ってる』

彩  :『あたし~、一人で帰りたくないなぁ~』

一条:『なら、一緒に帰るか?』

彩  :『いいのぉ~。じゃあ、そうしよっかなぁ』


 

 ふっ。

 随分簡単に動いたな。

 彩め。

 ここまで尻軽だったとは・・・・

 俺の想像を超えてくれる。



 しかし、長時間の張り込みになると思っていたが。

 予想が外れたな。

 随分短めになるようだ。


 これは誤算だ。

 買ってしまったマックセットを速攻で食べないといけない。

 それから二人を尾行しよう。


 俺は急いでポテトとバーガーを胃に流し込んだ。











 その後。

 彩と一条を尾行し、二人のイチャイチャ行動を撮影した。


 

 正直。

 撮影している最中は胸糞気分だったけど。

 途中からは業務的になった。

 同じ刺激に慣れたのか、心が慣れてきたのかは分からない。



(ふふっ。我ながら良い絵が撮れたぜ)


 そう思える程、心の余裕は持てた。



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