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刀剣演舞3

 沖田が目覚めると。

 目の前には・・・彩の姿。 

 猿轡をされ、椅子に縛りつけられている。

 画像にあった姿。

 生放送で写されていた映像と同じだ。


「んんーんんー」


 俺が目覚めた事に気づいたのか。

 彩が叫んでいる。


 周りを見渡すと・・・

 一部には武道場の姿。

 俺はここがどこだか分かった。


 彩は武道場に併設された部屋の中に捉えられていたのだ。


 近くには仮面の者もいる。

 俺は動こうとするが。

 両手両足を縛られている。

 それに・・・先ほど打たれた痛みで動けない。


「ではっ、ネット生放送の視聴者も十分集まりました。

 1万人もいれば十分でしょう。

 沖田君も目覚めましたから、粛清を始めましょうか」


「!?」


 目の前の者。

 仮面は何を言っているのか?

 粛清だと? 


「今の時代の処刑は、生放送で行うのでしょう?

 首を切って、全世界に放送しましょう」


 な、なんだと・・・

 どこの中東組織だ。

 ここは日本だぞ。


「やめろ、仮面っ!」

「沖田君、よく見ると良いですよ。これが弱者の成れの果てです。

 いつの時代も、力なき者には「死」あるのみ。あなたもそれを実感すると良い」


 仮面の者はナイフを取り出す。

 医者がメスを持つように、流暢に扱う。




 彩に近づき。

 彩の制服、冬服をめくる。

 露になる彩の白い肌。

 美しい白い肌が露出する。


「んんー!、んんー!」

「やめろっ!」


 仮面は彩の腕にナイフを突き立て。

 さっと、線を引くようにナイフを動かす。

 彩に切り傷をいれる。


「んんんんー!んんんんー!」


 彩が叫ぶ。

 体をよじって叫ぶ。

 だが椅子にロープで縛り付けられているので、逃れられない。


「お、おい、よせっ!すぐにやめろっ!」


 仮面はナイフを離す。

 彩の腕には一本の赤い線。

 血の線が描かれた。


 彩の目からは涙が出ている。


「おいっ、貴様っ、やめろ!」

「まだまだこれからですよ。粛清は始まったばかりです。

 裏切り者は処理はこれからです」


 再びナイフを持ち。

 仮面はナイフを彩に押し当てる。


「んんーっ!んん!んんーっ!」


 精一杯身をふるわせる彩だが。

 ナイフからは逃れられない。


 赤い血の線が追加される。 




 あ、あのやろーっ!

 なんてことをっ!


 俺は怒りに震えていた。

 今、目の前で。

 俺の大切な彩が汚されているのだ。

 ナイフで切られて苦しんでいるのだ。 


 涙を流し。

 苦悶の表情を浮かべ。

 腕からは真っ赤な血を流している。

 赤い血が白い肌を覆っている。

 ポタポタと血が地面に垂れている。


 俺がずっと守ろうとしていた彩が。

 泣きながら。

 傷つけられている。

 

「沖田君。力がないとはこういうことですよ。何も守れません」


 仮面の者の声が胸に響いた。

 心に深く響いた。

 心に染み込んだ。

 心をえぐった。




 力・・・・

 力・・・・

 俺に・・・力がないから・・・・

 大切な人を守る力がないから・・・

 こんなことに・・・


 俺は自分の無力さに打ちひしがれた。


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