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ネット世代2

 沖田が怒りに震えている頃。

 試衛館高校のとある場所では。


「おっ、お姫様がお目覚めのようだね」


(んん?えっ、何?あたしはどこにいるの?)


 掘北彩は目覚めるが。

 体が動かない。

 口も動かせない。

 椅子に縛られて、口には猿轡がつけられているのだ。


「んんー、んんー」

(何がどうなってるの?)


「そんなに騒がないで。今外す」


 仮面の者が彩の猿轡を外すと。

 彼女は「スーハー、スーハー」息を吸ってから。

 仮面を睨みつける。


「あんた、なんのつもり。あたしに何するの?」

「おう、怖い怖い。学校では良い子なのに、そんなに怒るなんて」


「学校・・・あんた、学校の生徒なの?そうなんでしょ?」

「まぁ、それはおいおい。今は知る必要がない」


「あんたなんか、宗司がすぐにやっつけるんだから。

 あたしに変なことすると、大変な事になるわよ」


 仮面の者は、彩の答えに満足したような雰囲気。 


「そうかい。それは頼もしい。彼には頑張って貰いたいからね。

 それに誤解しないでほしい。

 君の体に興味はない。君が何かしてほしいのなら別だが」

「ふんっ、バカいってるんじゃないわよ。誰があんたなんかにっ!」


「随分威勢が良いね、堀北さん。それでいい。

 君はエサでもあるからね。奴を呼び出すための。

 それに、もっと面白い使い方をさせてもらおう」

「な、何を・・・・なにをするつもり?それにその変な声。何かで声を変えてるの?」


「そうだ。便利な世の中だからね」


 仮面の者はパソコンを操作し。

 WEBカメラを彩の方向に向ける。


「何するの?生放送でもするの?」

「そんな所だ。君はゲストみたいなもんだ。さぞ、視聴者を喜ばすといい」


 カチャカチャ カチャカチャ

 パソコンを操作する仮面。


「あんた、こんなことしたら捕まるわよ。今すぐあたしを解放しなさい」

「ふんっ。捕まるか・・・それがどうした。関心などない。

 それにもう準備できた。ではっ、大人しくするんだな」


「ちょっ、何。ううっ、んんー!んんー!んんっつー!」

 

 仮面の者は再び彩に猿轡をつける。

 彩は抵抗するが、意味を成さない。

 椅子に縛り付けられているのだ。

 ほとんど体を動かせない。

 さっと猿轡をつけられてしまった。


「んんー!んんー!」

(すぐに外しなさいよっー!)


 椅子の上で身をよじる彩。

 バタバタと必死に身をよじるが。

 相手は全く気にしない。




「さぁ、放送開始だ!」


 仮面の者はパソコンを操作すると。

 ネット生中継を始めたのだった。


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