表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/49

新学期

 9月1日。

 始業式。

 2学期始まりの日だ。




 俺が教室に入って机に座ると。

 俺を待っていたのか、つい2週間まで親友だった一条が話しかけてくる。

 (まぁ、奴は俺のことを今でも親友と思っているかもしれないが)


「沖田、久しぶり。夏休みの後半姿見なかったから心配したぜ。

 連絡しても繋がらないし」


 いつも通りの一条。

 笑顔で陽気だ。

 スポーツマンで陽気な彼らしい。

 

 俺も笑顔を作る。

 心の中では久しぶりに顔を見てムカついていたが。

 笑顔だ。

 決して、彩と一条がやっていたシーンは思い出さないようにする。


「おう。おひさ。スマホなくしちゃってたさー。焦った焦った。

 つい昨日見つけたとこなんだ」


「そうか。災難だな。スマホなくすとすげーきついし」

「そうなんだよ」




 俺と一条が仲良く会話していると。

 一人の女子生徒がこちらを伺っている。

 彩だ。

 俺の彼女の彩。 

 いや。

 俺だけではなく、一条の彼女であるかもしれない彩だ。


 彩は、俺と一条が仲良く話しているのを見て安心したのか。

 さささっと。

 小動物の様によってくる。

 

 彩は学校では、真面目な良い子で通っている。

 見た目もいいので、中々人気がある。

 因みに今日もポニーテールだ。

 人気抜群の髪型で、歩くとユサユサ揺れる。


「宗司。もぅ、あたし・・・なんども連絡したんだよ~心配しちゃったぁ。

 でも、顔見れて嬉しい」


 彩は笑顔。

 何気ない仕草で、手を俺の机の上にのせる。

 本当に害のない笑顔をする。


(けっ、けがわらしい。浮気女が。机が汚れる。今すぐその手をどけろ!)


 と、思ったが。 

 俺は笑顔のまま。


「ごめん、ごめん。スマホが見つからなくてさ、つい昨日見つけたんだ」

「・・・もぅ。家にいったんだから、顔ぐらい出して欲しかったのにぃ。窓に石も投げたんだよぉ」


「悪い悪い、ごめんよ、彩」

「そうだぜ。沖田。彼女を心配させるなよ」

「もう・・・宗司、あたし寂しかったんだからぁ」


(このクソったれ共が。笑顔でよくいうぜ。どんな神経してるんだか・・・)


 あの夏の日。

 お前らの交尾を見なかったら。

 今でも仲良くしていたと思うと虫唾が走る。

 

 だが、今は仲良くしておかないとな。

 まだ彩とは彼女で。 

 一条とは親友である必要があるんだから。


「本当ごめんなー彩。一条もさ。めんご」


「いいってことよ。ならっ、お昼何かおごれよ」

「そうだよー。あたしはジュースで良いよ」


「分かった。それぐらいならいいよ」


「それと宗司?」

「何?」


「ここ、髪跳ねてるよ」


 彩が俺の頭を撫でる。

 今朝は鏡の前でちゃんと髪型を整えたと思ったのだけど。

 学校に来る途中で乱れたのかもしれない。




 キーン コーン カーン コーン。

 予鈴が鳴り。

 俺たちは席に着いた。








 ありふれた学級風景。

 だが俺の目に映る光景は・・・夏休み前とは明らかに違う。

 偽善に満ちた彩と一条。

 彼らがいるせいか。

 ひどくこのクラスの風景が薄っぺらく感じたのだ。

 虚言に満ちている。



 だが反対に。

 俺の心は燃えていた。

 なんとしても復讐計画を完遂したかったのだ。

 すぐにでも動き出したかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拍手ボタン設置中。なろうユーザーでなくても、一言感想を送ることができます。

 

9/7 新連載開始です~↓
チートスキル「美容整形」持ちの俺は、目立ちたくないのにハーレムに

 

【8/4 完結しました】↓
ビューティフルざまぁ~公爵令嬢、悪役令嬢への道を歩む~

 

さくっと同時連載中。↓
もう、結構ですわっ!

 

こちらも連載中↓
転生したら吸血鬼さんだった件~チートで世界最強です~

 

★おすすめ傑作恋愛作品~(他作者様)↓
Be mine(作者;はな様)

 

★こちらも~です↓
乙女ゲームの模範生!(作者:穂兎ここあ様)
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ