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衝撃の学校4

 12月14日。

 火曜日。


 朝の高校。

 沖田宗司と掘北彩が教室に入ると。


 昨日にもまして騒がしかった。

 最近はいつも騒がしいな。

 冬なのに、皆朝から元気満々だ。


 なんだなんだ?

 今度はなんだ?

 と思い、誰かに訳を聞こうと思ったが。


「よかった、沖田君。無事だったんだね」

「本当だ、心配したんだよー」

「私もー」

「俺もー」

「俺もだぜー」


 クラスメイトが駆け寄ってくる。 

 何故か俺の姿を見て、安堵の表情を浮かべている皆。

 俺の事を心配しているようだ。


「えっと、どうしたの?」


「内の学校の剣道部が次々襲われたんだよ。

 ほら、団体戦メンバーの二ノ宮君と、木城君。昨夜襲われて今入院してるみたい」

「そうそう、かなり重症みたい。昨日の司馬君よりもひどいって」

「やばいって話だぜ」

「マジやばだぜー」


「なっ、本当なのか?」


 俺は驚いた。

 二日前は司馬がやられていたが。

 学校にこられるぐらいの怪我だった。

 しかし、昨日の二人は入院したらしい。

 相手、犯人は凶暴性を増しているのだろうか。


「うん。話を聞いた人によると、司馬君を襲った人と同じみたい。

 いきなり刀を投げられて、拾ったら教われたんだって。

 相手の人、すっごく強かったみたいだよ」

「だよねー、わざわざ団体戦のメンバーだけ狙ってるみたいだから。

 よっぽど腕に自信があるんだよ。沖田君も注意した方が良いよ」

「そうだぜー。司馬みたい包帯グルグルになっちまう」

「ミイラになっちゃうねー」

「俺はミイラじゃねー!」

「うわぁっ!司馬、怪我してるのに暴れるなよ」

「そうだよー安静に」


「ありがとう、注意するよ」


 俺は皆に感謝し。

 自分の席に移動する。

 隣にいる彩は心配そうに俺を見ている。

 ぎゅっと俺の制服の袖を握っている。


「宗司~」

「大丈夫だ、彩。気にする事ない。犯人は直ぐに警察に捕まるさ。

 こんなことが長い間続くわけがない。

 日本の警察は優秀だよ。それまで用心すれば良いだけだ」


「そうだけど~」

「それより、俺は彩が心配だ。狂人は何をするか分からないからな。

 俺から離れるなといいたいが、俺といても危険だ」


「大丈夫、あたしは宗司といっしょにいるよ。危険でもいいのぉ」


 ぎゅっと俺の服をさらに握る彩。

 おやおや。

 困ったな。

 彩は寂しがりやだからな。 



 しかし。

 なんとかしないといけないな。

 さすがにここまで団体戦のメンバーが襲われているとなれば。

 偶然ではないだろう。

 きっと。

 俺が襲われるのも時間の問題だ。

 俺だけなら用心していればいいが・・・ 


 彩だけは危険な目にあわせたくはない。

 少しも危険な目に合わせたくはないのだ。

 彼女は守りたい。


 ならっ、何か・・・

 こちらから動く必要があるだろうか?

 何か策を弄する必要はあるだろうか?

 俺は深く懸念したのだった。




 【思考中】




 だが・・・

 とりあえずは人通りの多いところを歩く。

 それぐらいしか答えしかでなかった。

 さすがに大通り。

 衆人環視の元で犯人は襲ってこないと思ったから。


 十分に用心していれば。

 きっと他の人。

 警察が事件を解決してくれるだろう。

 俺はそう思ったのだった。


 普通の人ならそう考えるはずだし。

 これが正しい選択だと思うから。










 だが。

 この考えが完全なる間違えだった。

 判断ミスだったと。

 俺は数時間後に痛感するのだった。




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