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家出

作者: 細目諒解

実話です。

 バイトの準備をしている時だ。テチョウをバイト先に向かう際に使うバックに入れた後、ガッコウへと向かうたびに使用するカバンの小さなポッケを開ける。しかし、そこは空で何もなかった。

 本来はそこにはサイフが入っており、中にはカードの類いとなけなしのオサツが入っている。多分三枚ほどだろう。

 カバンは三つのポッケで構成され、サイフ、テキスト、飴ちゃんの三つでいつもはぱんぱんに詰まっている。

しかし、サイフはポッケの中から家出を初めて、帰り予定は聞いていない。


 帰りを待っても素直に帰る物でもないので、焦りと苛立ちと何とも言えない興奮を抑えようと飴ちゃんを口に入れてコンマ一秒といわずにかみ砕いていく。

 苛立ちの中で記憶を逆算を始める。どこにいったかわからないが、記憶の中で最後に見たのは、ガッコウで眠気覚ましの冷えたコーヒーを飲んだあの時が、サイフを見かけた最期だった。


 今回の事態に頭を抱えたいが、何も今回が残念ながら初めてではない。

 記念すべからざる今年初のサイフ落としである。二年連続四回目+αの出来事である。


 昨年は二度落した。単位と変わらないペースで落としている。反省しない、成長しないというないない言葉が似あいすぎる結果である。

 ガッコウに帰りに一回。休日の外出に一回。

 原因はカバンに開け放したままで歩く中でサイフが地面に飛び出していく。泳ぐたい焼きみたいなアクティブな家出をしていった。

 

 家出したものを見つけるのは難しいのでここは静観するしかないのが、過去四回の家出から今回判断した方法だ。身分証がある限り、あれば連絡はある。なければ知らん。


 三日たった。事務から連絡があった。放浪息子の発見で在って帰還の知らせだった。

 放浪息子の出迎えに行ったが、薄いことが美点の息子なサイフは美点を欠点に変えるほどに薄くなっていた。

 マジックテープをはがし恐る恐る開けてみると、カード類の順番は入れ替わり、鍵を入れたポッケは開かれたままだ。一番目を引くことは、なけなしのオサツは姿がないことだ。カバンから家出からと思いきやサイフからも家出とオサツは家出の二乗と新たな家出の挑戦を始めてしまっていた。

 適当な家出の話が続いてしまったが、実際の話はアレである。言いたくないが、言ってしまうとアレである。書いてしまうとアレである。ネコババ野郎に奪われたその一言につきる。

 オサツが不在の事実に眉間に寄せる中、事務員のお金が入っていなくて良かったですね発言には、流石に自業自得の行動とはいえ、腹の中に一抹の苛立ちを覚えた。あの女の事務員は悪意に疎いといってもいい。

 事務員の腹の立つ一言で嫌な予感を覚え、小銭入れを恐る恐る開ける。

 結果からして小銭は無事であった。一部を除いて。

 百円玉はすべて消えさった。たしか四枚はあったはずだ。

 ネコババ野郎は十円、ご縁と笑うと泣かされせる一円玉の存在をサイフの中に残して三桁以上を奪っていった。

 盗られたコチラがいうのは冒しな話だが、品がないといっていい。特に中途半端なところが鼻につくといってよい。悪いことをするなら突き詰めてサイフごと持って帰る。またはサイフをゴミ箱へダイブさせるような気概を見せてほしいものだ。物色したことを堂々と占めるようにサイフの中を滅茶苦茶にかき回した後を残すようなことは悪党の中でも下っ端だ。

 母親からはいったい何を教育したのだろう。出したものは元あった場所に戻せと教えてないのだろうか。再度いう、品がない。

 僕ならネコババをするならどうするか堂々と言ってやりたい気分だが、そんなものを誰彼構わず見ることのできるようにしてしまうのは、迂闊でこれまた品がないので今回は割愛させてもらう。

 

 今回の事態を受けてサイフの中のオサツが二枚に減り、小銭は姿を消した。ダイエットを強行したが、使いやすさに変化がないことを望む。

 最後に一言。落とさないサイフが出来ることを自分は心から望みます。

楽しんで頂けたら幸いです。

サイフ買い替えようと思います。今のサイフにしてから四回は落としているので。

感想やサイフを落とさない方法を教えていただけると嬉しいです。


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