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580年  作者: ジェノ
3/8

2話・雌狐飯店

3匹は飯店に向かった。

すると、突然飯店の扉が勢い良く開けられ、中から雌鼠が1匹逃げるように飛び出してきた。


「邪魔よ!退いて!」

更に店内から怒鳴り声が聞こえる。雌のものだ。


「待ちな、この食い逃げ!」




しかし、雌鼠は瞬く間に逃げていってしまった。


店内から1匹の雌狐が現れ、こう言った。

「はぁー…また逃げられた…。

ったく、只でさえ明王(みょうおう)ゴキブリや魍魎蛸(もうりょうだこ)がうじゃうじゃ居るってのに、月に何回も食い逃げされたんじゃやってらんないわ…」

どうやら彼女はこの店の店主らしい。


と、其処に血徒が、

「あのーすいません。

俺が食い逃げ鼠を捕まえましょうか?」

すると雌狐は、

「あら、助かるわぁ…」

更に雨霧も、

「私も、皿洗いでもしましょうか?」

「え?貴方まで?いやー有難う…」

最後には死恋も、

「…俺はこの店の見張りをやりましょうか?

この区画は治安が悪いしバケモノだらけだ。

こう見えて接近戦と空中戦は得意ですから」

「いやー!有難う。それが一番助かるわね…」


3匹の積極的な態度に、雌狐―ミカヅキは感動した。

その後、血徒は食い逃げ現行犯を捕まえに走り出し、

雨霧は皿洗いに専念し、

死恋は見張りとして屋根の上に立った。


この時、ミカヅキは思った。


“この3匹を雇ってみよう”と


数分後、無事に仕事を終えた血徒と雨霧、死恋の3匹は、ミカヅキに呼ばれて彼女の前に集まった。



「これから貴方達を、この店で雇うことにしたわ。無論住み込みでねw」


それを聞いて3匹はとても喜んだ。


「私はミカヅキ、この『雌狐飯店』の店主よ。

それじゃあ、貴方達に仕事をあげるわね。


まずは…そこの可愛い猫ちゃん」

と、血徒の方を向き、

「血徒です。」

「じゃあ、血徒。

貴方、料理は得意かしら?」

「え…そりゃあ、プログラムされてますから…一般的な家事はこなせますけど…?」

「じゃ、料理係ね」

次に雨霧の法を見て、

「次に、そこの犬のお兄ちゃん」

「雨霧と言います」

「雨霧君か…良い名前だね。

それじゃあ、貴方には皿洗いと掃除係ね」

最後に死恋に近寄り、

「貴方…大きいのねー。

身長いくつ?」

「256cmですけど。


名前は死恋と言います」

「シレン?どういう字書くの?」

「死んだ恋で死恋です。


ところで仕事は…?」

数秒考えた後、

「…変わった名前ね…」

「よく言われます」

「決めた。仕事は店の見張りと用心棒、あと、空飛べるんだから買出しと強盗退治と店の修理もお願いね」


「はい」



「あと…貴方達の寝床だけど。

あのマンションを自由に使って良いわ。

あそこ、電気代も電話代も無料だから」

と、ミカヅキが指差したのはとてつもなく巨大な高級マンション。


3匹は驚いた。

が、上手い話だと思い納得した。


更に血徒と雨霧の手元に衣服のようなものが配られる。


「店の制服よ。着るも着ないも自由だけど、なるべく着てね。


死恋のは…合うサイズが無かったから注文しておくわ。


ささ、今日はもう遅いんだし、明日からバリバリ働いてもらうわよ。

開店は10時頃ね。

それじゃ、お休み」


と、ミカヅキは店内に帰っていった。

その後、3匹もマンションに入って行った。

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