第六話 魔法少女、決意する!
僕の名前は藤代卓也、魔法なんて使えない普通の小学3年生です! 奈々ちゃんとお友達ってだけで普通では無いかも知れないです!
ロボットが爆発してから少しして、僕達は親の居るテントに帰り着きました。暫くは爆発した事で放心してた僕達ですが、年長者であり一番図太い性格の美由姉さんが一番最初に動きました。それに続く形で動いた僕達はとりあえず、帰る事にしました。
爆発で一気に炎が上がり泥沼から結構もれてたのを見たのですが、それは一瞬で消えました。これがご都合主義というものでしょうか? ともかくロボットの部品は勿論、爆発した痕跡もありませんでした。
「お父さん、直ぐそこに変なロボットが!」
「お前達! 嘘みたいだが、世界中にロボットが出たらしく危ないので一回帰るぞ!」
「「……え!?」」
僕はキャンプ場に着いて、親の姿を確認して直ぐにあった事をとりあえず簡潔に伝えました。それとほぼ同じタイミングで、僕のお父さんも何かを伝えようと言葉を発しました。お互いに自分が喋るのが夢中で相手の言葉が聞こえませんでした。
「そうか、近くにも……。さっきの爆発音はそのロボットの爆破音か。それにしても美由は人間離れしてるな、ガッ八ハッハー!」
少しでも早く安全を確保する為に、車に乗り込みお話しをする事にしました。先程の僕達の体験を先に、親達に話します。奈々ちゃんが魔法少女だって事は何となく親には内緒にしています。魔法少女は大人には禁則事項な気がしまして。
すると自然に、ロボットに対抗出来るのが美由姉さんだけになります。爆発音をお父さんは聞いてたみたいで、お父さんは美由姉さんがロボットを破壊まで至らしめたと結論付けました。流石に人がロボットを倒す発想はどうかと思いますが、今度戦ったら破壊しかねないから怖いです。
「奈々ちゃん、大丈夫?」
「……うん、大丈夫だよ」
奈々ちゃんは、車に入ってから下を向き黙ってました。話も一段落した所で、ずっと気になってた奈々ちゃんを心配して声を掛けます。
すると奈々ちゃんは考え事をしてたからか、1テンポ遅れて作った笑顔で答えてくれました。
「なら、良いけど……。何かあったら相談に乗るからね!」
「うん、ありがとう」
気になりましたけど、深追いはしないでおきました。すると作られたものじゃない優しい笑顔で答えてくれました。奈々ちゃんは直ぐに下を向いて何かを考え始めましたが、その顔は先程までの思いつめた顔じゃなく、何か吹っ切れた顔になってたので、大丈夫だと思います。
ロボットが出た次の日になりました。世界各地で目撃されたロボットは、車の中で聞いたラジオによると奈々ちゃんがロボットを倒した位の時に何処かへ消えたらしいです。幸い、ロボットが出た場所は何処も人気の無い所ばかりで被害が余り出なかったそうです。
日本の警察や自衛隊は、ロボットの姿を確認しましたがマニュアルが無かったから? 動けなかったらしいです。世界の事は良く聞こえませんでしたが、確認はしたが対処はしてなかったらしいです。ロボットみたいな夢のようなモノには軍隊は動きが鈍ったらしいです。
夏休み中という事もあり、学校生活に支障はありません。昨日からテレビを点けると、ロボットの話題ばかりです。そんな中、奈々ちゃんが我が家に遊びに来ました。美由姉さんと涼香も一緒に僕の部屋で集まってます。奈々ちゃんの家は近所、というより隣なので大体一緒に遊んでます。2階建ての一室に集まってる僕達は、大事な話があるという奈々ちゃんに注目しています。
「私、昨日ロボットと戦いました」
奈々ちゃんはそう切り出しました。うん、昨日僕達は夢見たいな事ですが、ロボットと戦いました。僕達は奈々ちゃんの相変らずの話し下手だなーっと思いながらも真剣に聞くことにしました。奈々ちゃんの目が真剣でしたから……。
「えっとそれで、えーっと、そう! けつい? 決めたんです! これからロボットが出たら、私が戦うって!」
い、いきなりでびっくりしました。余り意見を言わない奈々ちゃんですが、いざ意見を出すとなるととんでもない事を言う節があります。今回もその一例になりそうです。でも、今回は流石に無茶が過ぎます。ロボットに勝てたのは偶然ですよ?
「奈々ちゃん、それがどれだけ大変か分かってる? 下手したら死んじゃうかも知れないんだよ?」
美由姉さんが代表して、奈々ちゃんに言い聞かせてくれます。何時もは、僕達と年が変わらないんじゃないかと思う行動を取りますが、こういう時はしっかりと年長者の働きをしてくれます。
「はい。でも、私が魔法を使えるようになったのもこの為だと思うんです! 魔法という便利なモノを皆の為に使いたいんです!」
奈々ちゃんは直ぐに答えました。じっくりと考えてたんでしょう。迷いがありませんでした。僕達は奈々ちゃんの真剣な思いに、これは止まらないなっと感じました。でも……。
「大丈夫! 私、一人でやるから! 心配しないで欲しいから、皆に言ったの。あと、授業が始まったらノート見せて貰えないかなーって」
僕の懸念も考えてたみたいです。涼香はまだ1年生。怖がりで3年の僕の教室に来てしまう子です。そんな子にロボット退治は酷でしょう。ただ、僕は!
「奈々ちゃん! 涼香の心配をありがとう! でも僕は、奈々ちゃんが戦うっていうのにのんきに授業なんて受けてられないよ!」
「そうよ、奈々ちゃん。私ものんびり受けられないわ! それに、リベンジはしないといけないしね!」
僕は奈々ちゃんに、女の子にそんな事をまかせっきりに出来る程、酷い男じゃないんです。美由姉さんも同じ気持ちだったみたいです。後に言った方が本心だった気持ちは押し込めます。
「卓也君、美由お姉さん、危ないですよ! 私なら魔法があるから大丈夫です!」
奈々ちゃんは頑固に一人で頑張ろうとします。一人でなんて、無理に決まってる! 奈々ちゃんは只でさえ、寂しがり屋なのに……。
「確かに僕は、魔法は持ってない! でもね、奈々ちゃん。僕は奈々ちゃんを一人にしたくない! それに、奈々ちゃん一人より、僕が居ればロボットを倒す知恵が出せるかもしれないよ」
「そうよ、奈々ちゃん。私は考えるのは苦手だから、武術を鍛えて奈々ちゃんをフォローする形になるんだけどね!」
「卓也君、美由お姉さん……。ありがとうございます! 私、正直不安だったのです」
僕と美由姉さんの熱い気持ちが伝わったらしく、奈々ちゃんが折れてくれました。奈々ちゃんはやっぱり一人では不安だったらしいです。両手を胸に持っていき、フーっと息を吐きました。良かったです。安心してくれたみたいです。よし! 今日からロボットについて色々考察してみよう。情報が無ければ分かるものも分からないって、テレビの中の探偵が言ってました!
「私も。私も戦います。兄様達だけには、任せては居られません」
「「「それは駄目だよ!」」」
涼香がびっくり発言をしました。駄目に決まってます。思わず、僕ら3人は声を揃えて反対します。3人で涼香を見つめますが、涼香はそんな視線にも怯えません。
「お姉ちゃんは確かに武術でロボットと戦えるかも知れないけど、幾分学校の距離が遠すぎて平日に一緒に戦えるとは思えません」
涼香ちゃんは「まず」と、姉に向けて話します。確かに、姉の高校は僕達の小学校から3駅程遠くにあります。ロボットが出てから、姉が来るのを待ってれば町の被害が酷くなります。勿論、僕らの居るところにロボットが現れるとは限らないのですが、僕らには確信がありました。奈々ちゃんの、魔法使いの奈々ちゃんの近くに出現するだろうという。
「奈々ちゃんは天然ですし、頭も余りよくないですので不安です」
「それは、僕がフォローするってば!」
涼香はちょっと毒舌な所があり、奈々ちゃんはよくその毒舌の被害にあいます。ただ、悪意が無いのは分かってるので直しなさいよっと軽く言うだけですましてます。それは置いといて、奈々ちゃんが天然なのは僕がフォローするっていう話は聞いてた筈なのですが……。
「兄様も何処か抜けてますので、不安です。それに、頭は沢山あった方が良いと思いますよ?」
「それはそうだよねー」
「なに、美由姉さんは、納得してるの? 僕は天然じゃないよ! 階段を一段忘れるだけだもん。ていうか、奈々ちゃんも頷かないで!」
涼香はその一言で奈々ちゃんと美由姉さんを、納得させました。僕は納得し難いのですが、こうと決めたら突き進むのが涼香の涼香たる特徴です。なので、きっと涼香も一緒に戦う事になるのでしょう。
でもこれで良かったのかも知れません。僕は4人が揃ったら、ロボットが何対来ようとも勝てる気がします。これから傷ついたり、喧嘩したりと色々あるでしょうけど、4人なら乗り越えられるでしょう!
魔法少女マジカルナナ! ちょっと普通の魔法少女モノと違うけど、始まります!
遅れて、すいませんんんんんん!!!
正直、書く事を諦めてました。今週に入っていきなり書く意欲が消えたのです。ただ! ただ、魔法少女が僕を呼んでくれました。すいません、酔ってます←
いやー、やっとこ一章が終わりました。次の章はロボットを裏で操る組織をうっすらと。そして、主人公と他3人との関係性を1話1話書いていきたいです!
フラグをガンガン書いていきたいけど、特にそのフラグを考えてません。
つまり、行き当たりばったりです!←
と言う訳で、頑張って執筆していきます!
(誤字等々、ご指摘があればどうぞお知らせ下さい。そして、感想1件着てました! しかも、最初の頃に! 反応出来ず、すいません! それを見たから、また書き始めました! 後付じゃなく!
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