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僕の魔法少女が機械と戦う訳が無い  作者: 黒江紅音
第一章 マジカルナナ、始まります!
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第5話 魔法少女、決着をつける!


 僕の名前は藤代卓也、魔法少女ナナちゃんとは赤ちゃんの頃から幼馴染です! 魔法少女なナナちゃん、ピンチです!



 とりあえず、ロボットの方をしっかりと見て! と一応、一応奈々ちゃんに言い聞かせます。聞いてくれるとは思えないけど……。奈々ちゃんはレーザーの反撃にと、魔法で地面を泥にして、それをまた魔法で固めて投げつけました。

 しかしそれは人に当たっても痛くない程度なモノ。ロボットには聞く筈がありませんでした。


「どうしよ、卓也君! 全然効いてないよ!?」



「だから前を見てって! 危ない!!」



 

 僕は吉本の芸人顔負けのずっこけを披露しました。奈々ちゃんはやっぱり期待を裏切りません。泥団子を投げつけ、効かないと分かるや否や体ごとこっちに向けて言ったのでした。

 勿論、ロボットがそんなチャンスを見逃す筈がありません。ロボットのチャンス多いですね。でもそのチャンスを生かせてないのが救いですね。



 奈々ちゃんがコッチを向いたのがスイッチの様に、ロボットの銃口が光り始めます。さっきと同じ様名シーンですね。先程もそうでしたがレーザーが出るまで、光り始めてから5秒くらい掛かる様です。

 しかし今回は先程と違い、奈々ちゃんがレーザーに気付き、その場から逃げようとします。ようとです。奈々ちゃんは動こうとした瞬間足を縺れさせ、こけました。ロボットは冷静に軌道を修正します。



「な、奈々ちゃーーーーん!」



 僕は思わず叫びました。先程はロボットが軌道を考えずに打ってくれたお陰で当たりませんでしたが、今回は標準をしっかり合わせてます。まずいです! いくらギャグ小説でも当たれば只じゃすまない筈です。なにより、笑い要素が少ないです!



 無常にも、ロボットの銃身からレーザーが放出されてしまいました。そのあまりの威力に土煙が立ちます。最初に出てくる云わば、雑魚キャラにしては威力が強すぎですよ!

 土煙が晴れていきます。奈々ちゃんは……、無事でした! そのレーザーは奈々ちゃんの手前まで地面を抉ってましたが、ギリギリ奈々ちゃんには当たりませんでした。


 何があったのか!? それはロボットの方を見ると明らかになりました。美由姉さんがレーザーを放っていた、銃身のある右手を蹴りによって地面に落としていました。また格闘少女の方が目立ってますが、もう気にしない事にしましょう。



 ともかく奈々ちゃんをこっちに呼び、待機させておきます。そして、僕と涼香で奈々ちゃんが勝つ方法を考える事にします。奈々ちゃんだけではどう考えても無理です。

 美由姉さんは考える事が苦手なので、ロボットの注意を引いて貰う事になりました。


 ロボットはその見た目の通り、機動力と瞬発力は余り無いようです。姉の戦闘スタイルはヒット&アウェイ、蝶のように舞い蜂のように刺す。そんなスタイルですので、ロボットとの相性は良いようです。もっとも、蜂の針は刺さらないようですが……。




 さて、奈々ちゃんが勝つ方法ですか。てっとり早く、奈々ちゃんレーザー出せないでしょうかね?



「……奈々お姉様。あのロボットと同じ様に、レーザー出せないのですか?」


「うーん。出来ない訳じゃにゃ、ないけど、イメージが上手く出来ないから、1ヶ月位掛かるかも」



 涼香も僕と同じ様に考えてたみたいです。しかし幾ら想像力豊かな奈々ちゃんでも、直ぐには魔法に出来ないみたいです。魔法は、その効果を明白に想像出来ないと作れないらしいのです。しかも実は奈々ちゃん、ロボットがレーザーを発射している所を一回も見てないのです。

 例え見てたとしても人を傷つけるレーザーを、優しい奈々ちゃんは想像出来ないと思いますけど。


 奈々ちゃんは自由に魔法を創れるけど、人を傷つける魔法は創れないみたい。僕と涼香ちゃんは、ロボットを壊す魔法しか思い付きません。あれ? どうしよう……。奈々ちゃんを責めれない位、何も思いつかないです……。




 僕と涼香ちゃんが考え、奈々ちゃんは待機。その状態が10分位経ちました。考えを纏めるには十分な時間ですが、当たれば痛いではすまない攻撃を避け続けるには長い時間だったみたいです。美由姉さんがロボットに吹っ飛ばされ、僕達の近くに落ちてきたのです。

 今日は朝から調子が悪かったのですが、美由姉さんはそんな言い訳はしないでしょう。責任感が強いですから。



 ともかく何も思いつかない。美由お姉ちゃんはダウンしています。そんな状態なのに、ロボットが足のキャタピラを動かしゆっくりとこっちに向かって来ます。

 どうやら全速力のようです。あれでかよー、とか言ってられません。僕らは逃げるのに目を回している美由姉さんを抱えていかなきゃならないのです。小学3年生の僕には高校1年生の美由姉さんを抱えれる訳が無く、3人で引きずる形で何とかロボットから離れようとしますが、ゆったりとしたロボットの動きに遅れを取っています。最初からピンチだったのに、今がピークじゃないでしょうか?



「卓也君。私、卓也君に会えて幸せだったよ?」


「兄様、私も兄様の妹に生まれて幸せでした」


「むにゃ、たっくん。私もー!」



 この緊迫した場面で奈々ちゃんは、これから死にそうなカップルが言いそうな事を言ってきました。涼香ちゃんは天然な奈々ちゃんに被せてボケを入れてきました。美由姉さんも、意識を失ってる癖にボケを被せてきます。もうこの友達と姉妹はどんな場面でも、面白い空間にしてくれます。



「もう! 皆して、今から死んじゃう様なセリフを言うなーーー!」



 皆がボケたお陰で緊迫感が無くなった森の中に、僕のツッコミが鳴り響きます。その急な大声にビックリしたのか、ロボットの進行が止まりました。

 いや、よく見るとロボットは先程奈々ちゃんが作った泥のぬかるみに埋まってました。10センチ位埋まってます。


「あれ? 埋まりすぎじゃない?」


「えっとね。ちょっと緊張してたから、ちょっと深くまで泥にしちゃったの」



 てへ! と奈々ちゃんは言って、呟いた僕に伝えてくれました。泥って、深くまで出来るんだ。そう感心してると、ロボットはドンドン埋もれて行きます。


「……。奈々ちゃんや、奈々ちゃんや?」


「なーに? 卓也君」


「あれって、どれだけ深いの?」



 ロボットがドンドン埋もれて行くのを逃げるのを忘れて見ていた僕らですが、ちょっと埋もれ過ぎな気がするので聞いてみます。


「えっとね……。多分、あのロボットさんの頭の高さぐらいかなー」



 目を逸らしながら答えてくれました。それにしても危ないよ! あの泥に僕らが入ってしまったらどうするんだよ!

 ていうか、ロボットの頭までって! あの重そうな巨体のロボットは出て来れないだろうから、これで僕らの勝ち……? 素直に喜べないよぉー。美由姉さんの頑張りだったり、僕らの悩んでいた時間が僕の素直さを隠してしまってるよ。



 そうこうしてる間にロボットは殆ど沈んでしまいました。意外と埋もれるまで時間が掛かりましたが、その間に美由姉さんが目を覚ましたので状況を説明しました。納得いかない表情を最初は浮かべてましたが、その内に「私の修行不足かー」と納得してました。これ以上強くなってどうするつもりでしょう?


「終わりましたね! それにしてもあのロボットは何だったのでしょうか?」


「うーん、なんだったんだろうn、っタッ君! 危ない!!」



 ロボットが完全に動かなくなったのでロボットに背を向け、皆の顔を見ながら聞きました。それに年長者の美由姉さんが答えようとしてましたが、何かに気が付いて、僕に手を伸ばします。

 何がかなー? そう思いながら後ろを向いてみると、ロボットが殆どを泥の中に身を潜めてる中で、唯一出ている腕が光り輝いてました。それは今日だけで幾度と無く見ました、レーザーの合図。その輝きはもうレーザーを出してもおかしくない位のモノ。その腕の角度も完全に僕に向かってます。




「卓也君に何するのーーーー!!」



 僕は絶望というより、その光が何故かとても切ないモノに見えて悲しみを感じていました。そんな中、奈々ちゃんが叫び、右手に持ってたステッキを振ります。そしてステッキが輝いたのと同時に泥沼から泥玉を作り、無駄と知りながらロボットにぶつけました。




 すると、ロボットはそれがぶつかった瞬間に『爆発』しました。




 泥玉自体にはそこまで威力はありません。それこそ人間に当たっても痛くない程度。

 それでも、それでもロボットにトドメを刺すには十分でした。威力では無く、タイミングと当たった箇所。

 レーザーが出るべき銃口に当たった泥玉は、その穴を覆うように塞ぎました。レーザーは出るべき場所を失いレーザーを生み出していた”コア”に逆流して、エネルギーを倍増していきました。


 溢れんばかりに膨らんだエネルギーは、その物量故、耐え切れなくなった部位で起こった小さな爆発に誘発され、大きな爆発に! その爆発はロボットを内側から破壊し、泥を全部吹き飛ばす程の威力でした。




 そんな物理的な現象も、ロボットの内部構造も分からない僕達は泥が掛かりながらも、呆然とその光景を見ているのでした。



 遅くなってすいません! 今回はどうしても決着まで書きたかったので、長々と書いていたら遅くなってました!

 じ、実はソードアート・オンラインを読んでて遅くなった訳じゃないんだから!

 今、巷で流行りのヴァーチャルリアル……、うん、ソレの最前線の、商品化されてる程の実力をみたいっと思ったら、軽くはまってましたねー。はぁ、もっともっと書いて、文章力をつけたい!

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