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4.理由

俺はハッ、と我に返る。そして光が来た理由を一応聞いてみる。

「で??また金借りきたのかよ。」


近頃よく喫茶店に金を借りに来る。本来貸す義務もないし貸す気もないが、喫茶店に居座られたらクビの可能性も否めないので少しだけ貸した。 どうせ返って来ないことは百も承知している。


「馬鹿wwなんか俺いつも借りに来てるみたいじゃん。」

「違うか??」


俺はむっとしながら答える。しかし今日は本当に金を借りに来たわけではないみたいだ。


「ちげーよ、まじで。今日は兄貴に話があってきたの。」

光はそう言いながら安っぽいライターと尻ポケットで少々ひしゃげたタバコを出しくわえる。


しかしこの喫茶店は禁煙だ。

ちなみに「肺が弱い方に利用してもらえるように」とか「売り上げを上げるために」という理由ではない。単にマスターが昔、付き合っていてひどい別れを味わった、元レディースの総長がタバコを吸っていたから、という何とも下らない理由である。


しかしまあ俺はここの店員なのだから、注意をする。


「ここ禁煙だから。」

と言い、火をつけずくわえていたタバコを取り上げた。

光は「あっ」と言葉を漏らしたが、あまり抵抗せずにタバコとライターをポケットに戻す。


「で、話って?? 話だけなら聞いてやるから早く話して帰れ。」

「ふん。」


光は満足そうに笑う。

それがまた俺の気に触るが、早く帰ってもらう為、無言で言葉を待つ。


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