alone
短編小説第20弾
自然と足が向かう先は..
気が付くと
いつもやってくる場所がある
キラキラと波が輝く海
今は冬だから
人は居ない
そんな静かな海が好き
「...」
静かすぎて
この世界に
たった1人みたい
本当の独りぼっち
そう考えると
涙が溢れてきた
「本当は嫌いなんだ..」
そっと呟く
独りぼっちも
静かな海も..
「..何が嫌いなの?」
声がした方を見ると
そこには1人の男の人
「ナンパなら間に合ってます」
そっけなく言うと
彼は笑った
「ナンパじゃないよ
君が泣いてるから
ほっとけなくてね」
そう言って
私にタオルを渡してきた
「..ありがとう」
それを素直に受け取る
「それで、何で泣いてるの?」
私の隣に座って
優しく問いかけた
「..なんだか寂しかった」
「失恋?」
「そんなのじゃなくて..
独りぼっちになった気分」
彼は相づちを打ちながら
私のくだらない話に
真剣に耳を傾けてくれた
「..変な話聞いてくれて
ありがとうございました」
涙も完全に乾いたころ
私はやっと話し終えた
「全然だよ
また辛くなったら
ここにおいで?」
「え?」
「僕、ここの近くに
住んでるんだ
いつでも話聞くから」
「そんな..
悪いですよ」
今日会ったばかりなのに
なぜそこまで
してくれるのだろう
「何でそこまで..?」
「そんなの簡単だよ」
彼はまた笑った
「僕も君と同じ..
1人の海は嫌だから」
私に向けられた笑顔は
本当に純粋で
少し切なかった
(私と同じ..)
些細な言葉だけど
なぜだか満たされるココロ
嫌いだった静かな海
少しは好きになれるかな..?
─貴方に出逢った海は
穏やかな海でした..─
久々にまともっぽいの
書けましたかね?←
私もたまに1人になりたく
なるときがあります
だけどそれは"1人"であって
"独り"になるのは嫌いです
周りに支えてくれる人が居る
からこそ安心して"1人"に
なれるのではないでしょうか
そんな心情を女の子に重ねて
書いてみました
..なんてダラダラ語ってみた←
ここまで読んでくださり
ありがとうございました!