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どうやら、パソコンが動かなくなったといっても、急にパソコンの電源が落ちたわけではないようだ。
ブルースクリーンになっているわけでもないようだし。
これは……プレゼンテーション作成ソフトがフリーズでもしたのだろうか。
もし、そうだとするならばプレゼンテーション作成ソフトを強制終了してしまえばなんとかなるはずだ。
「プレゼンテーションソフトを右上の×ボタンで閉じていただくことはできますか?」
「ああ。わかった。……うん。閉じたよ。」
「そうですか。それではもう一度、プレゼンテーションソフトを開いてみてください。」
「ああ。開けた。」
すんなりプレゼンテーションソフトを終了することができたようだ。
開き直すこともできたようだし、これで一安心だろう。
でも、と、私は首を傾げた。
プレゼンテーションソフトがフリーズしていたのなら、簡単に×ボタンでプレゼンテーションソフトを終了できただろうか。
「どうでしょう。プレゼンテーションソフトは使用できるようになりましたか?」
「いいや。ダメだ。まったく動かないよ。」
「……そうですか。」
やっぱりプレゼンテーションソフトのフリーズではなかったようだ。
でも、プレゼンテーションソフトの起動と終了は出来ているようなので、パソコン自体がフリーズしているというわけでもないようだ。
なんだか、予期せぬことがパソコン内で起こっているようだ。
こういう時はパソコンの再起動が手っ取り早い。
「パソコンを再起動していただくことはできますか?」
「ああ。今、再起動をしているよ。」
「ありがとうございます。では、起動するまでしばらくお待ちください。」
パソコンの不調は良くあることだ。
「ああ。起動して、パスワード入力画面が表示されたよ。パスワードを入力してしまっても構わないかい?」
「はい。パスワードを入力してください。」
無事にパソコンも起動したようだし、これならもう一度プレゼンテーションソフトを起動していただいて、問題なく使用できれば問題ないだろう。
「……パスワードが入力できないんだが……。」
「えっ!?」




