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「……麻生さん。それは、冗談じゃないんだよね?」
「……はい。メールにはそう書かれています。」
安藤さんの声が硬くなる。
そして、安藤さんは大きなため息をついた。
「……これは、総務部と話し合わないといけないね。総務部と話し合うから、麻生さんも同席してくれるかい?」
「はい。もちろんです。」
☆☆☆☆☆
事前に総務部にアポを取り、すぐに総務部との緊急の会議が決まった。
私は安藤さんと一緒に会議室に向かう。
「納得してくれるといいんだけどね。」
「そうですね……。今回の担当は数井さん、でしたっけ?」
「ああ。そうだね。数井さんの上司の吉井さんも同席してくれるそうだけど、メインは数井さんになるだろうね。」
「……ため息でそうです。」
「ははっ。なにも数井さんは敵ではないからね。そう身構えずに。」
「そうですけど……。数井さんのこと、ちょっと苦手で……。」
会議室に付き、ドアを開ける。
そこには既に数井さんと吉井さんが来ていた。
「急に呼び出しにも関わらず来ていただきありがとうございます。」
安藤さんが開口一番にそう言って二人に向かってお辞儀をした。
「お疲れ様です。座ってください。早速始めましょう。」
数井さんに促されて私たちは数井さんに向かい合う形で着席する。
「よろしくお願いします。」
「サーバールームのエアコンの件ですが、なぜ夏場は28℃設定ではいけないのでしょうか?節電対策として夏場の冷房は28℃設定が推奨されております。それはサーバーも同じです。人が28℃で我慢を強いられるというのにサーバーだけ過保護にする必要はあるのでしょうか?」
数井さんはこちらを睨みつけるように見つめながら口早にまくし立てた。
「数井さん。機械は繊細なんです。暑すぎると熱暴走を起こしてサーバーは故障してしまうんです。」
「28℃で暑すぎるんですか?冗談ですよね?」
「サーバールームに適した温度は20℃~25℃とされています。」
「夏場にその温度設定は寒すぎると思いますけれど。」
安藤さんの説明に数井さんは食って掛かる。
「そうですね。人間にはちと寒すぎる環境ですね。ですが、サーバーは24時間稼働しています。それに機械は熱に弱いんです。サーバーが故障したら修理費だけでも数十万はかかりますよ。故障したらデータの復旧作業も必要ですし、復旧作業には1台あたり半日から一日が予想されます。」
「そう。わかったわよ。じゃあ、サーバールームだけ例外的に25℃に設定すればいいかしら?」
「はい。25℃でお願いします。」
意外にもすんなりと夏場の冷房については話がまとまった。




