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「ふみぃ。ねむぅ。」
近隣の喫茶店で少し多めのランチを平らげた私はしっかりとデザートのアイスまでお腹に入れてしまった。
おかげで今は満腹である。
満腹の代わりにこみあげてくる眠気。
眠気と戦いながらも、午後の業務に取り掛かろうとパソコンの画面を開いた。
プルルルルルル。プルルルルルル。
「はぁい。麻生ですぅ。」
寝ぼけ眼のまま、私は電話をとる。
「ははは。眠そうだね、麻生さん。」
「あ、高柳さん。」
電話の相手は同じオフィスにいる営業の高柳さんだった。
同年代ということと営業という職種がらかとても話しやすい人だ。
「今から麻生さんの眠気を吹っ飛ばしてあげるね。」
「えっ……。」
高柳さんはにこやかな声で私に告げた。
「さっきからね、パソコンの画面が青くなっちゃってるんだよ。青地に白い文字でエラーなんちゃらって書かれてるんだけど。どうしたらいいかな?」
「えっ……。今からそちらに伺いますっ!」
「うん。よろしくー。」
高柳さんの楽しそうな声とはかけ離れた内容の言葉に私の眠気が一瞬で吹き飛んだ。
青地に白い文字のエラー画面だなんて、それ、ブルースクリーンじゃん。
パソコンに致命的なエラーが発生した時に表示される画面ではないか。
もしかすると、パソコンが起動しない可能性もある。
その場合は、高柳さんようにパソコンを早急に用意しなければならない。
私は急いで席を立つと安藤さんに営業部に行ってくると声をかけた。
「毎日なにかしらトラブルが起こるよね。行ってらっしゃい。」
「はい。行ってきます。」




