遠い思い出
どうしよう、興奮がおさまらない。 だって、ほっぺとはいえずっと好きだった子にキスされるなんて…
いくら紳士な僕でも耐えられない。まだ柔らかい感触が残っている…。
(落ち着け!冒険者レン!お前はこれから始まるんだ!気を引きしめろ!)自分で自分を叱咤しながら歩く
そんなこんなで40分ほどぶつぶつ言っていると、「おぉ…」ギルドに着いた。(ここからだ。)ここから始まるんだ冒険者レンの物語が! …… 受付を済ませ、冒険者の証をもらう。ゾクゾクする青い宝石が埋め込まれた木製の勲章は僕を祝福してくれるように光り輝いている。「おめでとうございます。」ギルドの受付嬢の祝福も今の僕には聞こえない。本当に、今日は人生で一番いい日だ。「冒険者レン様、登録完了いたしました。
これからどうなさるのですか?おすすめのクエストがいくつかありますよ。」受付嬢の案内も新鮮だ…。
だが、「ありがとうございます。でも、すみません。冒険者になったら真っ先に行きたい場所があるんです」
「そうですか。では次の依頼を受けたくなったら、またお越しください。」受付嬢にお礼を言い、ギルドを出る。勲章を握りしめながら僕は走った。どうしても行きたい場所へ、街を抜け、丘一つ越えたところにある
小さな花畑、咲き乱れるラベンダーに包まれた小さな岩に水をかける。「遂に冒険者になれたよ。……師匠」
黙祷して手を合わせながら祈る。 師匠は記憶をなくした後スラムにいた僕の手を握ってくれた。たった一人のの大人だ。師匠も一文無しで裕福な生活ではなかったけど一緒にいた時間、食べたもの、見た景色、
そのどれもが素晴らしい経験だった。師匠も冒険者であまり強い方ではなかったけれど、僕にたくさんのことを教えてくれた。戦い方、計算、マナー他にも色々。「いいか、レン。お前は沢山の壁にぶつかるだろう。
それは避けられないものだ。だからこそ毎日を面白可笑しく生きろ!笑って壁をぶっ壊せるほど人生をたのしめ!遊び心は人生を面白くするスパイスだ!儂はお前に出会えて最高に楽しかったぞ!」これが師匠の最後の言葉、(毎日、面白いよ。師匠。)長い記憶に浸り終え、僕はその場を後にする。その時、背中から追い風が吹いた。(…ありがとう。師匠)その小さな風はラベンダーを揺らしながら僕の体を追い抜いていった。
師匠との出会いもまた書こうかな…。
追記 受験勉強入ります。ごめんなさい。高校いったらまた書こうかなと思っています。
非常に中途半端なところできってしまい申し訳ございません。