1話 天敵は駆除しませう
何でこんなことになってるかは、こっちが聞きたい。
最初はいきなり電話がかかって来て、何か喚いて切られた。
仕方が無いからメール送ったら、
[アニキがヤバいから来て。早くしないとアンタのDS逆パカするから。]
律儀に句点入力してるとか言ってる場合じゃない。怪力の彼女が逆パカなんかしたらDSが可哀想なゴミ屑と化す。
もうすぐ天寿を全うしそうだけど、逆パカが最期だなんてカワイソスギル。
という訳で、体育は5年以上前から評価1の私が全力疾走した。
吐くかと思った。ていうか、えづいたしむせた。
彼女は相変わらず、体力無いわねーとバカにしてきたけど、体力バカと一緒にしないで欲しい。
私は頭脳派なの。そんなに成績優秀なわけじゃナイケド。
「で、ねぇ、リカコ。きょーにー、どんな風にヤバいの?とうとう頭?」
「アニキの頭がヤバいのは何十年も前からよ。まぁーた部屋の壁の四隅の角にうずくまって、ジメジメブツブツやってんのよ。」
「きょーにーって普段爽やかなのに、その時ってナメクジみたいだよね。」
「あーわかる。ていうかマジナメクジ…あ、着いた。」
【日向】と書かれた表札のかかった二階建ての一軒家。
なんだか陰湿な空気が漂っている気がする。
リカコが扉を開いてバカでかい声で叫ぶ。
「ただいまアニキーー!」
だけど返事はない。
普段遊びに来た時は、きょーにーことリカコの兄のキョウヘイさんの爽やかボイスが聞こえてくる。
だけど今は爽やかどころかジメジメインシツな雰囲気しかしない。
月に一回くらい、ものすごくジメジメとして帰ってくるらしい。
そんなきょーにーはジメジメ湿っている。
そのせいか、湿気に釣られて何故か黒いヤツが湧いてくるらしい。
うーん、マカフシギ
ていうか、家の管理がずさんなだけできょーにーはきっかけでしかないと思う。
ていうか言い訳?
リカコもきょーにーもヤツを見るだけで失禁しそうになるらしい。あくまでしそうになるだけらしい。
そこで奴らを叩き潰せる知り合いである、私に退治を頼みたいらしい。
私も奴らが嫌いじゃないわけじゃなく、すごく嫌いなんだけどなぁ。
「んぎゃああ!いやあああ!しねしねこうせん!くたばれぇい!」
早くもリカコがおかしくなった。
出たらしい。
-殺らねば…
「デェェェエイ!」
あらかじめ用意しておいた丸めた新聞紙を握り締め、振り上げた。
そして狙いを定めて……たたきつける!
見事命中!…ふ。
「またつまらぬモノを斬ってしまった…」
「な、何言ってんのよ、叩き潰したんでしょ…ごめんこいつショリして。今度3日分昼飯奢るから。」
「かまわぬ。」
「サンキュス」
ちなみにサンキュスとは、リカコ曰くサンクス+サンキューらしい。
…はぁ。もっと暇な時間が欲しい…
って言うのはゼイタクな悩みかもしれないけど……
1人の時間が欲しいよッ!
「ユウキ!ありがとう。また、お願いね!」
リカコはにっかぁーっと輝くような笑顔で笑った。
…まぁ、感謝されるなら忙しいのも悪くないかもね……
「ひゃぁあああ!まだいたぁぁぁあ!」
…モウヤダ。
下品と言うかなんと言うか…
苦手だったらごめんなさい。
脈絡ないね