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*6*

お久しぶりです。

なかなか話が思いつかず、なんか気付けば新しい人を出してます。

まぁ、学生じゃないですね、30代前半のさわやかなおじさんです。

どんな人かは読んでみてください。

 

 夏休み前の終業式も終え、生徒たちがそれぞれの家に帰っていく中、僕は学園の図書室にいた。冷房がよく聞いたそこはオアシスといわれていてもおかしくはない。別に本を借りようと思ってきたわけじゃなく、ただ淳を待っている間、涼みに行こうと思ったからだ。まぁ、この学園はどこも冷暖房完備だからどこも今は涼しいのだけど、できるだけ人がいないところで静かに待っていようと思ってここへ来た。案の定、もう夏休みだということで、此処に来ている人は少ない。入口近くの椅子に腰かけて淳が来るのを待つ。なんだか部活の夏休み中の練習の打ちあわせだとか何とかで……。バスケ部って結構試合でも勝ってるから、練習とかがハードらしい。あ、僕は空手部だけどさ。短くミーティングやっただけ。夏休みの練習は、ほぼ個人練習だけにしたし。生徒会もバスケ部も両立させてる淳がすごいと思う。

 涼しさと物静かさとが合わさって僕はいつのまにか寝てたみたい。肩を揺さぶられてようやく目が覚める。


「わり、待たせたな」

「終わったの?って、もうお昼じゃん!」


 あれから2時間も寝てたのか。部活を終えた淳も制服でここにいるわけだし、やっぱりエアコンは欠かせないと思う。


「どうする?ご飯食ってく?」

「いつものとこ行こう」

「またパスタか?」

「んー、どうしよっかなぁ」


 いつものとこというのは、淳と見つけた喫茶店。結構おいしいし、マスターもいい人だからもう結構長い間行ってる。それにそこは親にも知られてないと思うから、隠れ家的な感じかな。結構試作のデザートなんかも食べさせてもらってるほどの間柄かな。学園のある町にあるから、さほど遠くはない。暑いけど歩いて行くしかないか。

 じりじりと照りつけてくる太陽を恨めしく思いながら、淳と並んで喫茶店を目指す。部活のユニフォームとかでずっしりとしたスポーツバッグが重たそうだ。僕は鞄一つ、それもあまり中身が入ってないという身軽さ。

 喫茶店の店内はひんやりと涼しくなっていた。お昼時だということもあり、ボックス席はほぼ満席、カウンターになんとか席を確保できたのは運が良かったと思う。喫茶店のマスターは30代前半らしいけど、若々しく思う。はじめは20代だと思ってたほどだ。カウンターに二人並んで座る。するとすぐに冷たい水が出される。


「いらっしゃい。そうか、今日から夏休みだったね」

「はい。いつものおねがいします。淳もそうでいい?」

「ああ」

「かしこまりました。できるまで待ってね」


 とても親しみやすいマスターは、早速調理に取り掛かる。その手際の良さは本当に見とれてしまうほど。なんていうか、無駄な動きがまったくないし、先の事を考えた上で行動してる感じ。料理をしてる最中にたわいない会話を交わす。それでもその手が止まることはなくて、てきぱきと料理していく。そして出来上がった料理が僕らの前に出される。僕は本日のパスタらしいトマトとなすのパスタ。淳はオムハヤシだ。でも、僕のパスタにはなぜかデザートが付いていた。あれ、頼んだっけ……。


「マスター……これって……」

「うん、そろそろ新しい奴やろうと思ってね。また味見よろしくね。淳君も食べるかい?」

「いや、俺はいいです。味見とかあんま自信ないんで」

「うーん、そういう自信ない方がかえっていいこといってくれるんだけどね」

「これ、何のゼリーですか?すごくさっぱりしてますね」

「レモンだよ」

「甘くないけど、でもこの時期こういうのは嬉しいですね。ちょこっと添えられた生クリームともいいかも……。これ売ってくださいよ、僕食べに来ます!」

「え、そんなにうまいの?」

「美味しい!」

「よかった。じゃ、これはこれでいいかな。ちょっと炭酸に入れて出してもおいしいかもしれないかな」

「あ、それもおいしそうですね。炭酸水よりはソーダーのほうがおいしそう」

「まだ少し改良するから、できたら教えるね」

「はい!淳も来るんだからね!」

「わかってるよ」


 からんからんと、喫茶店のドアに着いた鈴が鳴り来客を知らせた。マスターは接客のためにっこり笑って入口の方へと向かう。その笑顔はきっと営業スマイルなんかじゃない。マスターは好きでこの仕事をしてるって言ってたしね。


「マスターいいなぁ」

「は?」

「淳が今思った意味じゃないよ。僕もマスターになりたいって思ったの。喫茶店のさ。和菓子も洋菓子もどっちも出す喫茶店。お菓子メインだけどさ、カフェみたいなそんな気軽にでもおいしい一流のお菓子出すそういうお店やりたいなって」

「静香……」

「そしたら淳も一緒に働くんだからね」

「そうだな、接客でもやってやるよ」

「淳もお菓子作れるじゃん。僕が接客するんだよ」

「なんかそれ嫌なんだよなぁ……」

「なんで?」

「……いや、なんでもないです」


 そういって、オムハヤシを食べ進む淳に少しむかついた僕は横からそれを奪い口に放り込んだのは言うまでもない。はっきり言ってよはっきりと!


こういう喫茶店に行きたいです。

マスターはほんとに若々しくて20代前半にしか見えない。

けど童顔って言うか幼顔ではないです。

なんて言うか……雰囲気がそうなんだと思います。

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