*番外編 2*
番外編その2です。
こんな時間にお客さん?でも、もうラストオーダーは終わっちゃったし……。どうしよう。
「あの……」
「申し訳ありません。今日のオーダーはもう……」
「いえ、その。オーダーはいいんです」
「へ?」
そういって、今までドアに隠れて見えなかった姿が現れた。きれいな薄茶色の髪、そしてサファイアのようなこれまたきれいな大きな青い瞳。あれ……あれれれ?
「ご無沙汰してます、静香先輩。それに青葉先輩も」
「まさか……ってうおぁ!?」
気付いたら、軽くカウンターを飛び越えていた。そしてドアまで駆けより思い切りその人を抱きしめる。
「夕貴君だぁ――――!!ひさしぶりだねー、会いたかったよぉ!!全然変わってないっていうか、でも大人びたよね!!でもでも可愛さは損なわれてないっていうか、むしろいいー!!このまま持ち帰ってベッドインしたーい!!」
「ふえ?」
「ブ――――!!ゴホッ……ガハッ!!静香!!」
「あはは、相変わらずだね静香は……。でも、ベッドインはダメだからね」
「!?」
夕貴君の後ろから現れたのは、まぁある意味予想できる範囲内の人物だったけど。ていうか、こんな時間に夕貴君が一人で来るわけないよね。まだ19時前だけど。ふふふ……この時がついに来ちゃったねぇ……会いたかったよ、すっごく。
「えーっと、とりあえず久しぶり……って、こぶし振り上げんのやめてくんない!?」
「清桜……とりあえず一発殴らせろやぁ!!」
「清ちゃん!!静香先輩落ち着いてください―!!」
「やっぱそうなるわな」
*** *** ***
僕から見て右から淳、夕貴君、清桜が並んで座ってる。夕貴君ならラストオーダー無視して今からパフェでも何でも作っちゃうぞ。とりあえずソーダフロート出してあげた。頭さすってる清桜にはアイスコーヒーね。
「夕貴君が優しくてよかったねぇ。僕じゃ今頃……」
「本当、夕貴が空手とかやれなくてよかった。俺死んでたね、うん」
「僕も一応怒りましたよ?」
「あのな夕貴。夕貴と静香じゃ明らかに怒りのレベルが違うんだ。まず静香は口より手足が先に……」
「何余計な事、夕貴君に吹き込んでんのかなぁ?夕貴君、今日はいっぱい注文していいよ?」
「え、でもぼくそんなにお金持ってないんでその……」
「大丈夫。両脇にいる頼れる男どもが払ってくれるから」
「あはは……」
「俺まで!?」
当たり前だろうが。夕貴君には一銭も払わせないよ。払わせてたまるか。まぁ最初から清桜がいる時点で、夕貴君はおごってもらえただろう。
「そういえば、此処のことよく知ってたね。やっと落ち着いたから、そろそろ夕貴君に教えなきゃって思ってたのに」
「それは、澪先輩に聞いたんです。だから今度行って見ようかなって思ったんです」
「澪は先週来たよ。最近良介に会えてないっていいながら、自棄ミルク飲んでた」
「良介、実家継がなかったんだっけ?」
「澪の両親に拉致られたっぽいっすよ。いい意味で」
「いい意味でって。まぁ、澪にとっては最悪だろうけど」
「どっかの誰かさんと違って、ちゃんと連絡してるぶん、マシなんじゃない?ねえ、夕貴君」
「え……えっと」
「マジで夕貴より、静香のほうが怒ってるし……。今日いじられてばっかしだよ」
当たり前じゃん。今まで言いたかったの我慢してたんだから。散々いじってあげるよ。夕貴君の分までね。
「あ……。夕貴君も指輪してる」
真っ白で綺麗な手。そこに光るリングがしっかりとはめられてた。
ただ、殴られた清桜が書きたかっただけです。はい。
清桜が帰国して、夕貴と再会してから1〜2年後くらいかな……
あまり時間気にしなさすぎで書いてます。