*10*
やっと十話です。
微妙に遅い更新ですみません。
どうも本編?(夕日のほうですね)が遅々として進まないので
そっち優先にしたくてそれがこちらにも影響を出してます。
神社への道を、朝貴君と並んで歩く。なれない浴衣のせいなのか、下駄のせいなのか。不慣れな感じでおどおどして歩く姿も可愛い。あー、なんで今まで見つけられなかったんだろう。もはや神のいたずらとしか思えない。だって生徒会にいるわけだから、朝礼とかの時前に居るはずなんだよね。だけど、僕並び順だと真中らへんだから、前なんか見えないし……。終わったら、校舎に戻る生徒でごった返しててあえなく見失っちゃうからね。でも、持つべきものは友達だね、清桜!
神社に近づくにつれ、それ独特の雰囲気があたりに漂っているようだった。つるされた提灯。祭りで買ったものを両手に持って帰って行く人々。そんな光景を見て、隣にいる朝貴君の気分も高まってきてるようだった。ま、僕もだけどね。お祭り嫌いな人はいないでしょ。
「朝貴君はよくお祭り来てた?」
「えと……実は2・3回くらいしか来たことないんです。毎年楽しみにしてても、風邪ひいたりして家から出してもらえなくて。その代わり、家の人が僕のほしいもの買ってきてくれて。それが楽しみだったり……」
そう言えば、清桜が朝貴君は昔から体が弱いって言ってたな。うん、何となくわかる。納得できる。いや、だってさぁ淳が病弱って言われるのと朝貴君が病弱って言われるのとじゃ、明らかに朝貴君が……の方がうなづけるってもんでしょ。淳は元気の塊みたいなもんだしね。
「そっか。僕はね、一応毎年行ってるんだ。実はお祭り行こうって淳に提案したのは僕。今年はみんなで行きたいなって」
「どうしてですか?」
無邪気に、きっと何の悪意もなく聞き返してくるね。うん、でもそれが普通だよね。きっと、僕と同じ気持ちで今日お祭り行こうなんて思ってる人はいないだろう。朝貴君、僕らはねずっと時間に逆らえずに生きてるんだよ。君にもいつか、こんなことを考えて悩んで苦しむ日が来ちゃうかもしれないね。
「だって……もう今までとは違っちゃうから……」
「え……?」
いつこの『今』が崩れるかわからないから。だから僕は、今を楽しむって決めたんだ。みんなと……淳とともにって……。
「あ、この鳥居で待ち合わせだよ。まだちょっと早く来すぎちゃったね」
「え……あ、そうですね……」
ちょっとしんみりしちゃったな。朝貴君も気を使ってなのか、それ以上聞いてこなかったし。ホントいい子だな。清桜には勿体ないくらいだけど……。でも、きっと君にあってるんだろうね。清桜、ほんとうらやましいな。
少し早く来てしまったようで、待ち合わせの鳥居の下にはまだ淳たちの姿はなかった。ま、これはこれでいいとして。僕は朝貴君と学園でのたわいない話をする。そこに、あいつらが来るまでは僕の楽しいひと時が続いてたんだけどな。
「君たちかわいいね」
「え?」
「高校生くらい?あれこっちの子は中学生っぽいし、もしかして姉妹?」
こっちの子とは朝貴君の事である。ってまぁ、誰もが想像つくよね。でしょ!でしょ!かわいいでしょ!中学生に見えるってまぁ、半年前は中学生だったもんね!!見えないわけないもんね!!けどお前ら誰だよ!かわいい朝貴君に話しかけんな!!
て、そうじゃないか。僕ら女の子に見えるわけだし、ナンパされる今の状況も、傍から見たらおかしくはないってね。でもなぁ……あんたらだめだ。僕かわいい子か、淳よりかっこいいって思える人じゃないとついていかないから。あ、朝貴君に誘われたら二つ返事でついてっちゃうけどね。
だからそうじゃないだろうに。
「あの、迷惑なんですけど?それに待ってる人いるんで」
「つれないなぁ。それに女の子待たせる男なんて最低じゃない?それより俺らと遊ぼうよ、ねぇ」
だから、迷惑って言ってんだろ。誰に断って朝貴君との貴重な時間を邪魔してくれてんのかな?つか、今淳の事最低とか言ったろ!!誰が最低だ!僕が選んだ男が最低なわけないだろう!まぁ、短所上げると切りないけどね。男は遅れてくるもんだ!待たされても、好きなら許せる。まぁ、限度はあるけどね。でも、好きなら待てるだろうし、それなりに相手にだって理由はある。それを一方的に、自分が待たされたっていう理由だけで責めたりは僕はしない。いつだってどれだけだって待てる。まぁ、それで来なかったら――――かかと落としの一つでもしてやろうと思うけど。一応空手部主将なめんなって話だよね。だから、今まで淳は遅れてくることないけどさ。
微妙なとこで一度切ります。
切らないとこの話3000文字突破するほど長くなってますので。
それでもいいって方もいるかもしれませんが……
私の書くこんな文がそんな長々しく続くのは耐えられない気がするので……
いまいち話の展開にドキドキ感がない。
面白みもない気がする。
次回で夏休みは終わりです(多分ですが)