第九十四話
久しぶりの主人公、貴志視点です。
一週間前、俺は奈津美さんとキスをした、だがまだ正式に恋人同士となった訳じゃない、デートの帰り際に奈津美さんからこんな事を言われたのだ
『 キス・・・、しちゃいましたね、でも今日の事は皆さんには黙っといた方がいいですわ、貴志くんもその方がいいでしょうし私も皆さんとの関係を壊したくないですから、その代わり・・・、もう一回・・・、キス・・・、してくれますか? 』
涼しげな目で上目遣いをされては断れる筈もなく奈津美さんと二回目のキスをした、しかしその後に彼女はとんでもない事を顔を赤くして言ってきた
『 貴志くんが望むのでしたら・・・、私・・・、キス以上の事もしたいです・・・。』
言われた瞬間、頭の中が真っ白になったがなんとか理性を取り戻し丁重にお断りした、まだ恋人関係でもないし里奈や夕奈ちゃん、彩花を悲しませてしまう、だが一番の理由は17にして未だに童貞の俺がビビってしまっただけの事なのだ、俺が断ると奈津美さんは微笑を浮かべ笑顔で話す
『 分かりましたわ、貴志くんがその気になるまでいつまでもお待ちします、私のこの体は貴志くんの物でもあるのですから。』
そう言った奈津美さんは別れ際に満面の笑顔で俺に三回目のキスをしてきた、それから一週間経っても未だに彼女の唇の感触が忘れられずいつも彼女とのキスを思い出す、眠ってると夢にまで出てきそうなくらいに、しかし布団の中が妙に生暖かいな、布団で寝てた俺は違和感を感じたので布団をめくってみるとなんと!!
『 う・・・ん、ムニャムニャ・・・、お兄ちゃん・・・、だぁいすきなんだからぁ・・・。』
やけにハッキリな寝言だな、否っ、問題はそこじゃない!! どうして里奈が俺の布団の中に居るんだ!
『 おいっ!! コラッ、里奈! 起きろっ! 』
『 う〜ん・・・、ふぁ〜・・・、おはよぉ、お兄ちゃーん。』
年頃なのに何の恥じらいもなく俺の前であくびを出して目をゴシゴシとさせるマイシスター、一分くらい待って完全に目が覚めた様子の里奈に早速俺の布団に居た理由を聞いてみる
『 聞きたい事は一つだけだ、なんでお前が俺の布団に居るんだよ、いつの間に潜り込んだんだ!? 』
『 だって愛し合う男女が同じベッドで寝るのは当たり前の事なんだよ、せっかく里奈がお兄ちゃんの部屋に来たのにお兄ちゃんったら顔をニヤニヤさせて寝てたんだもん、だからお兄ちゃんの布団の中に入っちゃった、エヘヘ・・・。』
羞恥心のカケラもない里奈に怒る気力もなくなってきた、しかし里奈の格好が・・・、何というか・・・、なんでスケスケのネグリジェなんだ、こんなのいつ買ったんだよ?
『 ところで里奈、そのカッコは一体何のつもりなのかな・・・。』
『 似合う? 似合ってるお兄ちゃん、お兄ちゃんに喜んでもらおうと思って通販で買ったんだよ。』
何をどうしたらそんな発想が出てくるんだ? 妹のエロい寝間着姿を見て喜ぶ兄が・・・いるにはいるんだろうけど俺はそんな兄ではない・・・つもりだ
『 似合ってるけど別に俺は喜ばないぞ、だいたいお前も年頃の女の子なんだからもう少し恥じらいというのを持ってだな・・・。』
『 似合ってるんだ! うーれしーーいっ♪ 好きっ! 大好きっ!! 愛してるよ!! お兄ちゃん♪ 』
俺の言葉をどう勘違いしたのか朝からハイテンションな里奈は言うなり俺に抱きついてきた、お願いだからそんなネグリジェ姿で兄に抱きつくな
『 ちょっ・・・里奈、離れろってば・・・。』
『 お兄ちゃんの感触・・・、お兄ちゃんの匂い・・・、お兄ちゃんの全てが好き♪ 里奈、お兄ちゃんがいなかったら生きていけないよぉ・・・。』
何やら非常にマズい事態になってきた、里奈がスケスケのネグリジェ姿で抱きつくから俺のムスコが元気になりつつある、これを里奈にバレた日には何をされるか分かったもんじゃない、早く離れないと・・・
『 里奈、トイレに行きたくなったから離れてくれよ、早く行かねーと漏れちまう。』
『 うーん、仕方ないなぁ、じゃあ里奈は着替えてから朝ご飯の支度するね。』
なんとか里奈にバレる前に離れる事に成功した、しかしますます里奈は俺への好意を強めている、これさえなければ最高の妹なんだけどな・・・。
なんとか連日更新が出来てよかったです。