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大切な人達  作者: 曹叡
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第九十三話

まだ体調が万全ではありませんが奈津美デート編完結です。

『 なんだよ、殴る気か、やっぱり暴力しか脳のない野蛮人だな君は、君みたいな低脳にはお似合いの行為だよ、ははっ。』


工藤さんに迫る貴志くんの顔がますます怖くなっていってます、こんな人の相手をするよりも私としては昼食の続きをしたいのですけど・・・


『 お前を殴っても意味ねーよ、俺に謝れとも言わねー、お前にそんな事なんかハナから期待してないしな! でも奈津美さんには謝れ!! 奈津美さんは俺の大切な人だ!! 誰だろうが彼女を侮辱する奴は俺が許さねえっ! 』


今、私はこの人を好きになってよかったと心から思ってます、貴志くんは私を大切な人だと言ってくれてる・・・、自分よりも私が侮辱されたのを怒ってるのですね・・・


『 こんな所で大声で言う事か・・・、前にも言ったけど青山君の仲間などには絶対に謝罪とかしないよ、たとえどんなに俺が悪くても君達に頭を下げるのは死ぬより嫌だね。』


もうこの人には何を言っても無駄の様です、ちょっとルックスがいいからとお思いでしょうが肝心の中身は最低のクズですね


『 恭介! もうやめてってば! これ以上青ちゃんや奈津美を苦しめないでよ・・・。』


『 理子、お前はどっちの味方なんだ、お前は誰の彼女なんだよ、なんならここで別れてもいいんだぞ。』


『 恭介・・・、本気で言ってるの?・・・。』


私達を気遣ってるらしい前田さんには悪いですけど痴話喧嘩は余所でしてほしいですわ、私は一刻も早く貴志くんとのデートを再開したいだけなのです


『 もういいよ理子、奈津美さん、どっか違うトコで食べようか? 移動させちゃって悪いけどさ。』


『 全然構わないですよ、2人だけで静かな場所に行きましょう。』


私達のやり取りを聞いてた工藤さんは軽く舌打ちをして去って行きました、前田さんも後を追って行こうとしてます、なんだか彼女も可哀相ですわね


『 本当にゴメンね、青ちゃん、奈津美・・・、恭介が嫌な思いさせちゃって・・・、どうか恨まないであげて・・・。』


去り際に前田さんが私達に謝ってくれました、とても辛そうな表情で、貴志くんはそんな彼女に穏やかに返答しました


『 お前が悪い訳じゃないだろ、だからあんまり気にすんなよ、謝ってくれてありがとな。』


『 うん・・・、ありがと、青ちゃん・・・。』


前田さんは涙を浮かべてました、あんな裏切り方をされた女なのに貴志くんは恨み言なんて一つも言いませんでした、彼は他人の痛みが分かる人ですから。


場所を移動して昼食を済ませた後、嫌がる貴志くんを半ば強引にお化け屋敷に連れ込みました、貴志くんはお化けも苦手の様です、お茶目な金髪くんでした


『 キャーッ、貴志くーん、怖いですわーーっ! 』


『 うびょー!! 出たーーっ! 首なし女じゃー!!! たっけてくれーー。』


2人して叫び放題であんまり貴志くんに抱きつけませんでした、こんな予定ではなかったのですが・・・。


遊園地デートのラストに観覧車は定番です、観覧車から見る夕暮れの街並みは何だか儚く見えてしまいます


『 奈津美さん、今日は誘ってくれてありがとね、遊園地とか初めて来たけど凄く楽しんだよ、今度は友や里奈達と来てみたいな。』


『 お礼を言うのは私です、貴志くんと来れてよかったですわ、次はぜひ皆さんと来たいですね。』


貴志くんは楽しんでくれたみたいで安心致しました、そして私は貴志くんの隣に座りました


『 ・・・奈津美さん、近いよ・・・。』


『 ・・・嫌ですか? 私が隣に来るのは・・・。』


貴志くんは何も言いませんでした、更に私は自分の頭を貴志くんの肩に乗せてこれ以上はないくらいに体を密着させます


『 さっき言ってくれましたよね・・・、私は大切な人だって、私にとっても貴志くんはこの世で一番大切な人です・・・。』


『 なっ、奈津美さんっ! 俺は・・・。』


観覧車の中で見つめ合う私達、他には誰も居ません、このシチュエーションで男女がする事は一つです


『 愛してますわ、貴志くん・・・、誰よりも貴方だけを・・・。』


そして貴志くんと私の唇は一つに重なりました、私のファーストキスは世界で一番愛しい、全てを捧げられる男の人とする事ができたのです・・・。

そろそろ二学期に入るかも・・・。

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