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大切な人達  作者: 曹叡
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第九十二話

風邪をひいてしまいました、更新が遅れてすみません。

 現在時刻は9時45分、私は貴志くんとの待ち合わせ場所である公園のベンチに来ましたがそこにはもう貴志くんが来ていたのです、私とした事が、貴志くんを待たせるなんて!


『 貴志くん! まさか本当に30分前に来ていたのですか! 私ったらどれだけ待たせて・・・、本当にごめんなさい! 』


『 今来たばかりだからそんなに謝らなくてもいーよ、それより奈津美さん、その袋は一体・・・。』


やはり貴志くんは私の持ってる紙袋に目がいったみたいですね、楽しみはお昼まで取っておきたかったのですけど私は袋の中身を教えてあげました


『 これはお昼に食べるお弁当です、貴志くんと食べようと思って私が作ってきたんですよ。』


紙袋の中身は私の作ったお弁当、学校では貴志くんのお弁当はいつも里奈さんが作ってます、でも本当は私だって貴志くんにお弁当を作ってあげたい・・・、それでこの機会に私も貴志くんにお弁当を作ったのです


『 奈津美さんの手作りなんだ、そりゃあ遊園地のレストランで食うより美味しいだろうな、うーっ、早く食いてぇー。』


『 貴志くんったら・・・、お昼までお待ちくださいな、お弁当は逃げたりしませんから。』


それから遊園地のある隣町まで電車で向かう事になりました、電車内では多数の男性がチラチラと私を見ています、なんだか気分がよくないですわ


『 貴志くん、遊園地に着いたら最初にどれに乗りたいのですか? 』


『 なんかゆっくりしたのがいいな、実は絶叫系は苦手なんだよ・・・。』


『 そうなのですか、うふふっ、なんだか可愛らしいのですね、私も絶叫物は好きじゃありませんけど。』


『 みんなには内緒にしといてよ、特に友にはね。』


貴志くんの思わぬ弱点を知りなんだか微笑ましいです、その後も続く電車内での幸せな時間・・・、今の私達は誰がどう見ても恋人同士にしか見えないでしょう、本当に恋人同士だったらいいのですけどね。


遊園地に着いた私達はお弁当の入った紙袋を係員さんにお預けして貴志くんのご要望のゆっくりしたメリーゴーランドに乗りました、私が乗ってる時は男性が俗な視線を送ってましたが貴志くんが乗ってると子供達が不可解な視線を送ってます、貴志くんの金髪な外見でメリーゴーランドは少々場違いの様でした。


他のゆっくりなアトラクションをいくつか楽しんだ後、時間もお昼前になってたので預けてたお弁当を取りに行き遊園地内の休憩所で昼食を食べる事にしました


『 うっへー、こりゃ凄いわ、奈津美さんって料理教室開けるんじゃね? 』


『 そんな事ありませんわ・・・、今日は短時間でしたからたいした出来映えじゃないですけど・・・、それじゃあ食べましょう。』


『 いただきまーす、うんっ、やっぱりうめーよ、里奈も夕奈ちゃんも彩花も美味い料理は作るけど奈津美さんの料理はズバ抜けてるよ、味付けが違うっつーかさ・・・。』


貴志くんは凄い勢いで私のお弁当を食べてくれてます、これだけ食べてくれてると作る側としては嬉しいものです、ましてやその人が世界で一番愛しい人なら尚更ですわ


『 貴志くんにそう言われると何だか照れますわ、喉が渇いたら冷たい麦茶も用意してますからね、ゆっくり食べて下さい。』


2人で仲むつまじくお弁当を食べてる私達を周囲の人達、主に男性ですけど羨望と好奇の混じった目で見てました、見せ物じゃないのに実に不愉快です、しかもその中にあまり会いたくなかった人達も居たのです


『 青ちゃん、奈津美・・・、今日は2人なんだ。』


『 全く・・・、なんで君達とこんな場所で会うんだよ、君達に会うとロクな事がないんだよ・・・。』


いつの間にか私達の近くに来ていたのは貴志くんの元カノで私の元親友だった前田理子さんと前田さんを貴志くんから奪った工藤恭介さん、この2人も遊園地に来ていたのです


『 お前らか・・・、別に俺達が何処にいようがお前らには関係ないだろ、頼むから俺達に絡まないでくれよ、俺達もお前らには絡まないからさ。』


『 それは僕の台詞だ、しかし学園のアイドルと呼ばれた高野奈津美も堕ちたもんだな、青山君みたいな男とデートとは、かつての君のファンが見たら失望するだろうな・・・。』


この人は何を言ってるのでしょう? 貴志くんが絡むなと言ってるのが聞こえてないのでしょうか


『 やめなよ、恭介ったら、もう行こうよ・・・。』


『 私が堕ちようがあなたには関係ありません、学園のアイドルと呼ばれ凡百の男性に好かれるよりも貴志くん1人に好かれる方が私にとっては何万倍も嬉しいのですから。』


『 奈津美さん・・・。』


私の想いを聞いた貴志くんは感動してるみたいでした、これが偽りのない私の本心です、学園のアイドルとして多数の男子にもてはやされるよりも貴志くんや真司くん達と遊んでる方が私は楽しいのです


『 はいはい、それはよかったね、馬鹿男に感化された阿呆女でお似合いのカップルだよ。』


一体この男は何なんですか! 私が文句を言おうとしたら貴志くんが怖い顔で工藤さんに詰め寄ってました


『 お前さぁ、いちいち俺を馬鹿にするのはまだ我慢するけど奈津美さんを侮辱するのは許せねえぞ!! 』


こんな貴志くんは初めて見ました、一体どうなるのでしょう・・・。

奈津美の口調が初期とはかなり違いますがあまり気にしないで下さい。

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