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大切な人達  作者: 曹叡
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第八十四話

あんまり紗恵っぽくはないですが紗恵視点です、二十一話に少しだけ出たあの人が出てきます。

 私は今からある男の子と映画を見に行こうとしている、その男の子の名は四森蒼太くん、過去に一人の少年を自殺未遂を起こさせる程までに虐めてたが直後に改心して自身の過ちをどうやって償うか模索している生真面目な少年だった


『 よーし、準備オッケー、それじゃ母さん、行ってくるねっ。』


『 あんまり遅くなるようなら電話してきなさいよ、四森くんが一緒なら安心だけど一応念のためにね。』


私の母は舞といって実は私達の通ってる東明高校の教師なのだ、しかも里奈ちゃん達のクラスの担任、しかし学校のみんなには私達が母娘というのは隠してある、知っているのは四森くんだけだ、新学期直後に里奈ちゃん達が心無いクラスメートから虐められる騒動があったのだけどそれを解決させたのが四森くんだった、私から母さんに事の顛末を伝えたのだけどその時に母さんが四森くんに会って感謝の言葉を告げた


『 自分のクラスでそんな事があったのに担任の私が気付かないなんて教師失格ね、四森くんが居なかったらどうなってた事か・・・、本当にありがとう! 』


年上であり教師である母さんから感謝された四森くんは照れくさそうに話す


『 自分はそんな感謝される様な事はしてませんよ・・・、彼女達を助けたかったから助けただけです、誰だって友達がそんな目に遭ってると知れば助けようとしますよ。』


こんな四森くんを母さんはいたく気に入り何度か家に招待した事もある、ちなみにウチは十年くらい前から母子家庭、父は私が幼稚園に通ってた頃、浮気の末に愛人と駆け落ちした、それからは母一人子一人、若くして私を生んだ母さんは本当に苦しかったと思う、恋人も作らず再婚もせず二十代の時間を私だけの為に費やしたのだ、私がその事を話すと四森くんは


『 鈴木さんもそんな過去が・・・、それでもそんな逆境に負けずにここまで鈴木さんを育てた鈴木先生は母親としても教師としても尊敬に値する人だよ。』


母さんに惜しみない賞賛を送る、その場に居合わせた母さんは照れ笑いしてたけど私は四森くんが母さんを尊敬できる人だと言ってくれたのがとても嬉しかった、だって私も母さんの事を尊敬してるから。

ところで四森くんにはハッキリとは言ってないけど私は四森くんが大好きだ、実際、高校に入学して初めて四森くんを見た瞬間から私の中でビビビッと来た、ルックスは申し分ないし体力も知力も性格も良さそう、彼氏にしたら間違いなく他の女子に自慢出来る男子だが彼にはその優しそうな風貌からは想像もできない凄惨な過去を持っていた


『 俺のした愚かで幼稚な行為が一人の人間をひどく傷つけた、何をどうしたら彼に償えるのか今でも分からないんです。』


『 四森くんはこの先ずっと償いを探す人生を生きるつもりなの? 里奈ちゃんや夕奈ちゃんの為にあれだけ頑張った四森くんなら償いとは別の答えを見つけ出せる筈だよっ!! 1人で見つけ出せないんなら私も手伝うわ、これからは2人で捜しましょ、もう決めたんだからね。』


自身の過去を告白した時の四森くんは凄く辛そうに見えた、誰も知らない四森くんを知った私は彼の為に何かをしてあげたいと思った、彼の過去に対して償う事以外の答えを共に捜し出す・・・、そんな中でいろいろと四森くんに接する内にどんどん彼を好きになっていく自分がいた、いつかはこの気持ちを彼に伝えたい、そして彼が長年捜してる過去に対する答えを見つけてあげたかった。

なんかうやむやですが次回は映画に行きます。

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