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大切な人達  作者: 曹叡
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第七十八話

今回は夕奈視点でいきます。

 里奈からメールがきて今日、お兄さんとデートしたそうだ、一昨日まで過ごした別荘で約束したからだけどそれなら私も同じ約束をした筈、思い立った私はお兄さんに電話してみた


『 ・・・もしもし・・・、お兄さんですか・・・、夕奈です・・・。』


『 おー、夕奈ちゃん、どしたんだー、何か用? 』


不思議だな・・・、お兄さんと話していると心が安らいでいく、毎日聴いてる里奈が羨ましかった


『 ・・・、お兄さん・・・、明日・・・、時間空いてますか?・・・。』


私もお兄さんとデートがしたかった、里奈とか彩花先輩はしたんだから私だってデートをしていい筈よ、私もお兄さんの事が好きなのだから、その想いは決して里奈や奈津美先輩、彩花先輩に負けてない


『 空いてるけど・・・、夕奈ちゃんもデートの約束かい、いいよ、時間はどうしよっか、夕奈ちゃんの都合に合わせるから。』


私の用事を分かっていたお兄さんはあっさりと承諾した、お兄さんとデートの約束をした事でなんだか恥ずかしくなってきた


『 ・・・それじゃあ・・・、また明日・・・、電話しますから・・・。』


電話を切った私は今まで感じた事がないくらいに心を踊らせてた、私は今までデートとかの経験がなくクラスメートからは余計な心配をされたけどお兄さんじゃない男性とのデートなんて私にはどうしても無理な事だった、だいたい私はお兄さんと友成先輩と蒼太くんとお父さん以外の男性は基本的に信用していないのだから、でも明日は世界で一番好きな人との人生初デート、絶対にお兄さんが喜ぶ様なデートにしたかった


『 ・・・明日は・・・、どんな服を・・・、着ていこうかな・・・。』


まだ前日なのにもうデートに着ていく服の選定を始めてしまった。

初デートへの期待でなかなか寝つけなかった夜を明かしてやや寝不足な朝の10時前、ドキドキしながらお兄さんに電話を掛けた


『 ・・・もしもし・・・、お兄さん・・・、おはようございます・・・。』


『 おはよ夕奈ちゃん、そろそろ電話が来る頃だと思ってたよ、俺の方はもう準備できてるからさ、夕奈ちゃんはどうだい? もしOKなら夕奈ちゃんの家まで迎えに行こうか。』


お兄さんが私を迎えに来てくれる・・・、そのシチュエーションは相当に魅力的だった、私は迷わずに


『 ・・・じゃあ・・・、今から来てくれますか・・・、私も準備できてますから・・・。』


言った後に電話を切ったら急に凄い緊張感が私を襲ってきた、いざデートが近づいてくると今までの期待感が不安に変わってくる、お兄さんが楽しんでくれるデートを今までデートをした事がない私に出来るのだろうか・・・、もしお兄さんを不快にさせたらどうしよう・・・、そうこう考えてたらもうお兄さんがウチに来たみたいだ、3分で来れる距離のご近所さんだから早いのは当然なのね


『 おーっ! いいねー、そのスカート可愛いじゃねーの夕奈ちゃん、昨日の里奈にも負けてないよ。』


そう言うお兄さんの服装は別荘の時とほとんど変わらない少々地味な感じのものだった、それより里奈にも負けてないというお兄さんの台詞が私に妙な対抗心を芽生えさせた


『 ・・・ホントですか・・・、私・・・、里奈にも負けてないんですね・・・、フフフっ・・・、それじゃあ行きましょう・・・、お兄さん・・・。』


まだ若干の不安もあるけどお兄さんの笑顔を見てたらなんとかなりそうな気がしてくる、家を出た私達はまず最初にショッピングモールに向かう事にした。

ショッピングモールではいろいろな品物をお兄さんと見て回る、お兄さんの隣を並んで歩くだけでこの上なく幸せな気分だった


『 なあ夕奈ちゃん、そろそろお腹すかない? なんか食ってこーぜ。』


確かに時間がもう昼に差し掛かっていた、楽しい時間は過ぎるのが早いのね


『 ・・・はい・・・、お兄さんは何が・・・、食べたいのですか・・・。』


『 う〜ん、何でもいーけどな、ちょうどあそこにマックがあるからアレでいいかい? 夕奈ちゃんが他のが食べたいのならそれにするけど・・・。』


『 ・・・私は・・・、 マックでいいです・・・、行きましょう・・・。』


近くにあったマックに入りそれぞれ注文を頼む、そこで財布を出そうとした私をお兄さんが遮り私の分の代金も一緒に払ってくれた


『 ・・・いいんですか・・・、お兄さん・・・。』


『 いーんだよ、今日はデートなんだから年上の俺に甘えときなさい。』


結局お兄さんに甘えさせてもらった私は頼んだバリューセットを店員から受け取る、2人でテーブルに就いてハンバーガーを食べてると聞き覚えのある声が私の耳に入ってきた                 『 あれ〜、もしかして夕奈じゃない、やだー、随分久しぶりだよねー。』


そこに居たのは私の小学生時代の友人、雨宮飛鳥 ( あまみやあすか ) だった。

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