第七十七話
久しぶりの理子登場です。
なんでこの女がいるの!! せっかくのデートが台無しだよ、私はこんな女、もう顔も見たくないんだから
『 久しぶりだね、青ちゃん、里奈ちゃん・・・、相変わらず仲いいんだ。』
ちょっと!! 何ウジ虫の分際でお兄ちゃんに話しかけてるのよ! さっさと私達の視界から消え失せろ
『 ・・・だから何だよ、お前には関係ないだろ、行こうぜ里奈。』
ビッチ女を相手にせず早々に立ち去ろうとするお兄ちゃん、それが正解だよ、そんな女と関わっても百害あって一理なしなんだから
『 相変わらず私の事嫌ってるんだね、私は今でも青ちゃんや友くん、奈津美の事は友達だと思ってるのに、信じてくれないかもしれないけどさ。』
『 うるさいっ!! アンタなんかが気安くお兄ちゃん達を友達だなんて言うな! お兄ちゃんも友さんも奈津美さんもアンタなんかを友達だなんて思ってるワケないんだからっ!! 』
勘違いもはだはだしいビッチ女の言葉に腹が立った私は周りを気にせず大声を出した、お兄ちゃんもビッチ女も周りのギャラリー達もみんな驚いてたけど私は言わずにはいられなかった、すると呆然としてたビッチ女がゆっくり口を開く
『 ・・・里奈ちゃん、まだ私が青ちゃんを捨てて恭介を選んだのを怒ってるのね、確かに青ちゃんには酷い事をしたよね、それは認めるわ、でも私は青ちゃんの事が嫌いになった訳じゃないの、青ちゃんより恭介の方が好きになっただけなのよ、もちろん自分勝手な事を言ってるのは分かってる、それでも私は青ちゃんや友くん、そして里奈ちゃん達とも友達に戻りたい! ねえっ、また前みたいにみんなで一緒に遊ぼうよぉ・・・。』
・・・呆れてモノも言えないわね、そんな自分の事しか考えてない言い分をお兄ちゃんが許すワケないじゃない、自分がお兄ちゃんにした行為を考えなさいよね
『 理子、もう遅いんだよ・・・、お前は俺達の事は忘れた方がいい、それがお前の為だと思う、工藤と幸せになるんだな。』
甘いよお兄ちゃん、そのビッチ女に二股かけられた挙げ句に捨てられたんだよ!! 普通なら思いきり怒鳴り散らしてもいいのにっ! でもそんなトコもお兄ちゃんらしいんだけどね♪
『 恭介とはもちろん幸せになりたいわ、その上で私は青ちゃん達と友達でいたいの、青ちゃん達も恭介と付き合ってみたらきっと友達になれると思う、恭介だっていい所はあるんだから・・・。』
何言ってんだろこの馬鹿、このビッチ女も大嫌いだけど蒼太くんを理不尽に傷つけたあの工藤とかいうゴミ男の事は私の中ではゴキブリ以下の存在よ、出来れば死んでほしいくらいなんだから、あーもう、あのゴミ男の顔を思い出すだけでイライラしてくる〜
『 なんで付き合ってた彼女を寝取った男と仲良くしなきゃいけないんだよ、残念だが俺はそこまでお人好しじゃないんでな。』
『 もう行こうよお兄ちゃん、こんな下らない話聞くだけ時間の無駄だよ、それよりデートの続きしよっ♪ 里奈お腹すいたなー。』
早くこのビッチ女と別れたい私はお兄ちゃんの腕を取って歩き出そうとする、しかしビッチ女が見苦しく食い下がってきた
『 兄妹でデートなんてありえない・・・、そんな事してたら周りに誰も居なくなるわよ。』
フン、負け組の遠吠えにしか聞こえないわよ、たとえそうなったとしても、お兄ちゃんさえ居れば私は誰よりも幸せなんだから
『 さっきも言ったけど俺達がどうだろうとお前にどーこー言われる筋合いはない、それに以前にしたお前とのデートよりも今してる里奈とのデートの方がよっぽど楽しいし、じゃあな、行こうぜ里奈。』
お兄ちゃん!! 私は今、モーレツに感動してるよっ、周りにギャラリーがいなかったらお兄ちゃんに飛びつきたいのにー、残念だなぁ
『 青ちゃん・・・、どうして・・・、何でそうなっちゃったのよぉ・・・。』
ビッチ女はひどく悲しそうだった、別にどうでもいいけどね、むしろいい気味よ、お兄ちゃんと私はビッチ女をその場に置き去りにして2人で歩き出した
『 ねえお兄ちゃん、お昼ご飯食べたらカラオケ行かない? 里奈、またお兄ちゃんのロケットダイブを聴きたいなー。』
『 いーぜ、たまにはお前と2人っきりで行くのも悪くないよな、よぉーし、今日は思いっきし歌うか!』
あのビッチ女に会ったせいで下がったテンションを上げるべく、私はお兄ちゃんをカラオケを提案した、お兄ちゃんも意外に乗り気だ、そうしてファミレスでお昼ご飯を食べた後、カラオケ屋に行って夕方まで2人で熱唱した、お兄ちゃんは今は亡きhieさんのメドレーや主に90年代の歌、私はアニソンメドレーや90年代アイドルソングを歌い大いに盛り上がった、そして家へと帰る途中、今日のデートの感想をお兄ちゃんに聞いてみる
『 お兄ちゃん、今日のデート楽しかったかな、もしそうだったらまた里奈とデートしてくれる♪ 』
『 ・・・意外に楽しかった、そんな頻繁にはできないけどたまにだったらまたデートしようか。』
やったー、楽しかったって言ってくれたー、またお兄ちゃんとデートできるんだ、今日のデートでお兄ちゃんをゲットするには至れなかったけどまだチャンスはあるわ、隣で歩いてるお兄ちゃんのカッコいい横顔を見て私は決意を新たにしたのだった。
次回は夕奈とのお話です。