第七十三話
別荘編最後の夜です。
大満足だったラーメン屋からの帰り道、突如里奈がこんな事を言い出した 『 ちょっと夜風に当たって帰りませんか、ちょうど海の近くだし、今から行ってみましょうよ。』 突然な里奈の提案に友成達は多少とまどってたが奈津美さんは賛成してた 『 それもいいですわね、今日が最後の夜なんだし、夜の海というのも何だかロマンチックですわ。』 奈津美さんに続くかの様に彩花やいずみちゃんも賛成していく、結局寄り道して砂浜へ行く事になった。 星が良く見える夜、波の音も心地よいBGMとなり俺達は砂浜に座り込んでいた 『 涼しくて気持ちいいな〜、星も綺麗だしなんだか開放的な気分になるよ。』 『 そうでしょ〜、こういうのって案外ストレス発散にもなるんだよ、ところでお兄ちゃん、夏の海って何かときめかない? 何かが起こりそうなさ・・・。』 里奈が俺の隣に寄ってくる、そうなれば当然、奈津美さんや彩花、夕奈ちゃんが黙っちゃいない 『 ・・・お兄さん・・・、私はドキドキしてますよ・・・、お兄さんのそばにいるから・・・。』 『 貴志は私達の中で誰に一番ドキドキしてるの? 聞きたいなぁ・・・。』 『 貴志くん、私は今でも充分に満足ですわ、こうして貴男の温もりが感じられますから・・・。』 俺の直径1メートル以内に4人の美少女が固まって座ってる、俺は三国一の果報者なのか、そんな俺を友成と蒼太が何かを悟った様な達観した目で見ていた 『 よかったな青、全くお前にはかなわないよ、5人で幸せになれよー。』 『 青山先輩なら安心して姉さんを任せられますね、これからは義兄さんって呼ばせてもらおうかな。』 丁重にお断りさせてもらおう、別に彩花と結婚するのが嫌というワケではないけどな、しかし結婚か・・・、この中に俺と結婚する女性がいるのかな? 奈津美さんだったら顔良し、性格良し、スタイル良しと非の打ち所のない嫁になれるだろうし彩花は少し勝ち気なトコがあるけど一緒に居ればどんな辛い時でもいっぱい元気をもらえそうだ、夕奈ちゃんは口数こそ少ないが夫を陰ながら支える献身的で心優しい嫁の素質充分だ、それに里奈・・・、良く気がきくし家事能力も抜群だ、俺の事だってなんでも知っている、唯一の問題は俺の実妹という事だ、妹じゃなかったらな・・・、って、おかしいだろ! なんで妹相手にこんな事考えてるんだよ、里奈と結婚とか出来るワケないだろーが!! 何を血迷ってんだ俺って奴は 『 何を慌ててるんですか? 何か悩み事があるなら遠慮なく申してくださいな、私は貴志くんの力になりたいのですから。』 1人であたふたしてる俺を奈津美さんが心配そうに覗き込んでくる、いつ見ても美しい顔だよなぁ 『 いっ、いや、何でもないからさっ、心配してくれてありがとな。』 奈津美さんの麗しい不安顔にドキドキしながら返事を返す、そしたら里奈から水を掛けられた 『 ぶー、何奈津美さんといい雰囲気になってるの、お兄ちゃんってホント女ったらしなんだからー。』 何故そうなるかな・・・、だけど今のこの時間がすごく楽しい、大切な仲間に囲まれ一緒に遊べるこの瞬間を大事にしたかった、そんな思いに駆られ立ち上がった俺は里奈だけじゃなく他の皆にも水を掛けていく 『 冷たいですよ〜。』 元気なロリっ娘、周りを明るく照らす紗恵ちゃん 『 俺だって簡単にやられませんよ、青山先輩。』 クールなイケメン、正義感も強い真面目な蒼太 『 あ〜ん、やりましたねー、仕返しですぅ。』 活発なボーイッシュガール、ひたむきに一途に友成を想ういずみちゃん 『 やりやがったな青〜、お前にゃ負けねーからな! 覚悟しやがれ!! 』 完璧な運動能力を持ち俺の一番の親友である友成 『 冷たいじゃないのよ貴志〜、許して欲しかったら私を選びなさーい。』 Fカップバストを備える男勝りな巨乳娘の彩花 『 ・・・お兄さん・・・、選ぶなら・・・、私にしてください・・・。』 ポニーテールの似合うクーデレ少女、夕奈ちゃん 『 ウフフっ、やりましたわね、貴志くんには女の子の服に水を掛けるとどうなるのかタップリ教えて差し上げますからね♪ 』 モデル体系の完璧美少女、母性本能と小悪魔っぽさを兼ね備える奈津美さん 『 冷た〜い、お兄ちゃんに仕返しだー、アハハ、お兄ちゃん水浸しー。』 笑顔の眩しい天然妹、ブラコンだがその想いは純粋でいつも俺を振り回す里奈 『 あ〜あ、完全に水浸しだなコリャ、こうなったらお前らも道連れにするからな、友! 蒼太!』 友成と蒼太を重点的に水を掛けまくる、女子達も遠慮なく俺や友成、蒼太に水を掛けてくる、水に濡れて冷たいがこの8人とこの別荘に来てよかった、恋人だった理子を工藤に寝取られた俺には代わりに素晴らしい仲間がこんなに出来たんだ、時間も忘れ俺達はひたすらに水を掛け合っていた。
次回で別荘編はお終いです、次の話のネタが見つからない・・・。