第六十九話
貴志視点の別荘3日目です。
朝も8時をまわれば友成やら蒼太達も起きてきた、そのまま全員が朝食をとった後に皆集まって今日の予定を立てる事にした 『 3日続けて海というのも飽きるだろう、かといってこの別荘に籠もるのも芸がない、そこでどうだ? ここの近くにある○○水族館は綺麗な海の生き物がたくさんいるらしいぞ、皆で行ってみないか。』 友成が水族館を勧めてきた、俺としては特に異論はない、特別水族館が好きとかではないが他に行くトコなんて正直この街にはないしな、部屋でゴロゴロするのもせっかくの夏休みにあまりに寂しすぎる気がする 『 賛成〜、真兄の言う通り外に出ないのもなんかもったいないし、ねえ、皆さんも行きましょうよ。』 友成の言い出した事なら当然の如くいずみちゃんも賛成する、他に誰も意見を出さなかったのでこのまま水族館行きが決定した。 バス停から1日に数本しかこないバスに乗り目的の○○水族館へと向かう、相変わらずバスの中では里奈や夕奈ちゃん、彩花が俺の隣に座ろうと先を争ってくるがただ一人、奈津美さんが里奈達をたしなめる 『 貴女たち、バスの中ではしたない行為は慎んだ方がよろしいですわ、貴志くんに迷惑でしょう。』 『 はい・・・、スミマセンでした。』 あまりに正論な奈津美さんに里奈達は何も言い返せなかった、結局俺の隣はジャンケンで勝った夕奈ちゃんが座った、だけどそのジャンケンに奈津美さんも参加してたのは何かの冗談だったのだろう、彼女もジョークがお好きなようだ。 バスに20分くらい乗って降りた先には思ったよりもシャレた水族館があった 『 ここが○○水族館さ、結構大きいだろ、ちょうど今はアシカショーの最中じゃなかったかな? 』 友成の話によると夏休みの間はこの水族館の目玉であるアシカショーをやってるそうだ、そのためか俺達以外の客も家族連れを中心に割と来ていた 『 お兄ちゃ〜ん、早く行こっ、こーゆーデートもたまにはいいよね♪ 』 デートじゃないだろう、頼むから人目もはばからずに腕を組んでくるな、何故なら彩花や夕奈ちゃんからカ○オウ並みの魔闘気が噴出されてんだよ、人相もなんかコワいし不気味に無言だし、奈津美さんを見習ってもらいたいものだ・・・って、あれっ、おかしいな? 奈津美さんから凄まじい気を感じる、これはもしや仙○忍しかまとえなかったと言われる聖光気だというのか、奈津美さんは真っすぐに里奈を見据え彼女らしからぬ低い声で話しだす 『 ・・・里奈さん、いくら兄妹とはいえ度を過ぎる独占は許しませんことよ・・・、あまりオイタが過ぎると私も黙ってませんからね・・・。』 怖い、奈津美さんが怖く感じる、ここは俺がなんとかしなきゃいけないだろ、俺が原因なんだから 『 ほら里奈、歩きにくいから離れてくれ、せっかく普段あんまり来れない所に来たんだから皆で楽しめないと意味ないだろ、ワガママ言わずに皆一緒に仲良く回ろうな! 』 俺の説得に里奈は従順に従い腕から離れる、なんか妖しく聞こえるが里奈は俺の言う事には絶対服従なのだ、もちろん里奈を困らせるような事は言わないが 『 やるな〜青、さすが美少女揃いな青山ハーレム帝国の主だな。』 『 そうですね、俺も青山先輩の言う通りだと思いますよ、もう明日は帰らなきゃいけないんだし今日は目一杯遊びましょう。』 蒼太も俺に賛同してくれてる、俺が朝起きた時に感じたちょっと寂しい気分を蒼太も感じてたんだな、友成はいつもの軽口だが奴なりに明るい雰囲気を出そうとしてるんだろう、コイツはそーゆー男だ 『 さあ、それじゃあ行きましょうよ、実は水族館とか初めてなんです〜。』 紗恵ちゃんがそう言って一番最初に歩き出す、俺達も紗恵ちゃんに続いて水族館の中に入っていった。 水族館の中も想像以上にいい感じだった、魚や海の生物も綺麗だし、こんな田舎町に思わぬ穴場があったもんだ、これなら客が多いのも分かる気がする 『 ・・・このお魚さん・・・、とても綺麗です・・・、この近くの海にいたのかな・・・。』 『 本当よね〜、こんな魚とかあんまり見ないもんね、こりゃ珍しいわ。』 夕奈ちゃんや彩花も素直に思った感想を述べてる、いつの間にか彼女達から魔闘気が消えてたので安心した、ふと横を向いたらそこには小学生のカップルらしき男女がいて俺と目が合った、俺にはその小学生カップルがどこか寂しげに見えたのだ・・・。
少し前から奈津美の性格をお嬢っぽくしました、キャラの差別化が難しい・・・。