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大切な人達  作者: 曹叡
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第六十八話

青山兄妹達の朝の穏やか(?)な一時です。

 今日もいつも通り朝6時に起床、友成と蒼太はやはりまだ寝ている、仕方がない、昨日も桃園の契りを結んだ後に夜中の2時過ぎまで話し込んだからだ、話の内容は ( さすい刑事旅情編の香取男刑事と一番相性のよかった女刑事は若麻由美? 高美保? 河奈保子? 早優? ) という事を熱く語りだした友成に何故だか蒼太も熱心に話に乗り2時過ぎまで語り明かしたという訳だが・・・、この少年達は確か平成生まれの高校生の筈だよな? 年齢をゴマかしてるんじゃないだろうな。               何にしても今日で別荘に来て三日目、明日の昼にはもう帰るんだな、楽しい時間は早く過ぎていくもんだ、そんなセンチな感傷に浸りながら洗面所に向かうと今日は里奈に会った                『 あっ、おはよーお兄ちゃん、やっぱり早起きなんだねー、エライエライ♪ 』            朝から萌えさせてくれる笑顔をたたえて俺の頭を撫でてくる我が妹、誰も見てなくてよかった                  『 そーゆー里奈だって早起きじゃねーか、昨日は早く寝たのか? 』                『 う〜ん、いずみさんの話を聞いてたら眠くなってつい寝ちゃったの、だって話が長かったから・・・。』            人の話の最中に寝るなよ、後でいずみちゃんに謝っとこう、しかしどんだけ長い話だったんだろうな、それはそれで気になる                『 それよりお兄ちゃん、里奈が美味し〜い朝ご飯作ったげる♪ リビングに行こーよー。』                  里奈は俺を強引にリビングへ連れて行く、何か嫌な予感しかしないのは多分俺の錯覚だろ。       リビングに来てテーブルに座り里奈の朝食を待つ、まだ6時を過ぎたばかりだからか俺達兄妹以外は誰も起きてこなかった、このまま朝食が終わるまで誰も来ない事を願わずにはいられない、こんなトコ誰かに見られたらまたいらぬ騒動が起こりそうだしな ( 特に友成!! ) そんな俺の心配も知らずキッチンでは里奈が鼻歌交じりにだし巻き卵とみそ汁を作っている               『 ふっふっふ〜ん♪ お兄ちゃんは里奈の作るだし巻き卵大好きだもんね〜、お兄ちゃんの好きな食べ物はなんでも知ってるんだからー、もうすぐできるから待っててね。』                 朝から俺に手作り料理を振る舞ってくれる里奈、我が妹ながらかわいい、昨日友成達に里奈に恋愛感情はないと大見得きったが実のところ、たま〜に里奈が実の妹じゃなかったら・・・と思ってしまう時がある、だいたい兄にフトモモをマッサージさせるわ俺の入ってる風呂に水着を着て乱入してくるとか里奈だって妹のとるスキンシップの範疇を越えている、里奈の俺への想いも分かっちゃいるがどうにも過激すぎるのだ、少しは恥じらいを持ってもらいたい                『 あらっ、貴志くん、おはようございます、起きられるのが早いんですね、若いのに健康的で立派ですわ、あっ、里奈さんもおはようございます、朝食を作ってるんですか? 』               里奈の行動に一抹の不安感を募らせてると奈津美さんが起きてリビングにやってきた、相変わらずの清楚な微笑みが見る者を癒してくれる、奈津美さんだったら変な騒動は起こさないだろう、多分・・・                 『 はいっ、お兄ちゃんの大好物なだし巻き卵を作ったげてるんです、よかったら奈津美さんも一緒にどうですか、味にはちょっと自信あるんですよ。』               少し余計な言葉を交えて話す里奈の誘いに奈津美さんは快く承諾してくれる              『 まあ、私もご一緒させてもらっていいんですか? それではご好意に甘えさせてもらいますね、里奈さんの手料理ですか、フフフっ、楽しみですわ。』              そう言って喜ぶ奈津美さんもテーブルに座る、数分後に里奈の作った料理がテーブルに並べられていった              『 里奈さんもこんな美味しそうな料理が作れるんですね・・・、若いのに感心です、私も見習わなければいけませんね。』                いや、あなたも里奈同様に若いでしょ・・・、里奈の作った料理に賞賛の声を送る奈津美さん、その料理は食べてみたら言うまでもなく美味しかった                 『 ・・・美味しいです、これだけの料理が作れるなんて・・・、里奈さんってきっといいお嫁さんになれますわね。』                  『 本当ですか、奈津美さんにそう言ってもらえてよかったです、でも里奈は結婚なんてしませんよ、里奈は死ぬまでお兄ちゃんと一緒にいるんですから。』              頼むから余計な事を喋るな! 喉までこの台詞が出かかってたが俺より先に奈津美さんが口を開いた               『 素晴らしい兄妹愛ですわね、本当に貴志くんが好きだというのが分かりますよ、これは強敵です・・・、でも私も負けられません! いつの日か必ず、貴志くんの気持ちを私に向けさせますから。』                 やばい、すこぶる居心地がよくない、できればここから逃げ出したいがそれは男のとる行動じゃない               『 里奈だって負けません、確かに奈津美さんは素敵で尊敬できる女性だけどいつか絶対に、奈津美さんを超えるような魅力的な女性になってみせますから! 』  里奈は堂々と奈津美さんに宣戦布告をする、たくましい妹だ、と言うより妹の方が堂々としてるってのは兄としてはどうよ                 『 もういいって、2人の気持ちは充分に分かってるからさ、ほらっ、それより早く食べちまおうぜ、みんなが起きてくるぞ。』              俺が早く食べようと急かすと2人はとても素直に言う事を聞いてくれた、2人が言うには俺の言葉には必ず従うらしい、ありがたいやら怖いやら多少複雑なのだが・・・、とにかく俺達は三人での朝食を無事(?)に終えたのだった。

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