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大切な人達  作者: 曹叡
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第六十四話

今回もいずみ視点です、夕食後のひと時のお話。

 晩ご飯も終わってリビングでまったりとテレビを見てる私や里奈ちゃんと夕奈ちゃんの三人、しかしふと気づいたら真兄達男子三人や彩花さん達がいない               『 あらっ、ねえ里奈ちゃん、真兄達はどこに行ったか知らない? 』                『 あっ、そういえばお兄ちゃんもいませんね、里奈を置き去りにしてどこに行ったんだろ。』                 『 ・・・別に里奈だけの・・・、お兄さんじゃないでしょ・・・。』                『 そんな事ないもん! お兄ちゃんはいつも里奈の味方なんだから〜。 』             『 ・・・お兄さんは誰にでも優しい人なの・・・、私の味方だってしてくれる・・・、自分だけ特別とか思わないで・・・。』              なんか険悪なムードになりつつある里奈ちゃんと夕奈ちゃん、ここは年上の私がなんとかしなきゃね               『 ハイハイ2人共ー、青山さんが好きなのは分かったから少し落ち着きなさい、こんな事で言い争いを続けてたら2人共青山さんに嫌われちゃうわよ、それでもいいのかなー。』               青山さんに嫌われるという2人にとってデスワードとも言える言葉を出したら2人の表情は一変、今にも泣き出しそうになっている             『 いっ、嫌だよそんなの! お兄ちゃんに嫌われたら里奈・・・、淋しくて死んじゃうよぉ。』                『 ・・・お兄さんに嫌われるくらいなら・・・、私・・・、生きてる意味なんてない・・・。』                凄いのね青山さんって・・・、この少女達にここまで言わせる魅力はなんなのかしら? 真兄だって負けてないけどね                   『 なら2人共仲直りなさい、正々堂々恨みっこなしの勝負で青山さんを射止めるの、それが恋する乙女のあるべき姿よ。』                私の心のこもった熱弁(?)に2人は感動したみたいだ、さすが私、教師でも目指そうかしら、すっかり元の仲良しコンビに戻った里奈ちゃんと夕奈ちゃんを誘って私達は真兄達のいる所に向かう事にした。               隣の部屋に入ってみたら真兄達や彩花さんに奈津美さん、紗恵ちゃんも居た、部屋の中央には卓球台が置かれ真兄と蒼太くんがハイレベルなラリーをしていた              『 蒼太頑張れー。』               『 四森くんも友成先輩も凄いですねー、なんかプロみたいですよ〜。』               『 すっげえな、友の運動能力は知ってたけど蒼太も高校生のレベルじゃねーぞ。』            皆も2人のラリーに興奮してた、私や里奈ちゃん達も2人に見入っている               『 ここだぁ!! 』                『 し、しまった!』               真兄の鋭いスマッシュを蒼太くんは拾いきれなかった、疲れきった様子の蒼太くんはラケットを置いて降参宣言をした                   『 ふぅー、やっぱり友成先輩はどんなスポーツやっても凄いっすね、俺なんてまだまだですよ。』               『 ははっ、蒼太もかなりの腕前だったぞ、まあ、上には上がいるんだよ。』              爽やかに互いの健闘を讃え合う少年マンガチックな2人、それを見てた紗恵ちゃんが自分も卓球をやってみたいと言い出した                『 私も卓球やってみたいですぅ〜、誰か私の相手してくれませんか。』               『 ・・・鈴木さん・・・、私が相手したい・・・、いいかな・・・。』               意外にも夕奈ちゃんが紗恵ちゃんの相手を申し出た、正直予想外ね、彼女って卓球とかできるのかしら              『 夕奈ちゃんが相手かぁ、お手柔らかにね。』              喜々としてラケットを持つ紗恵ちゃんとクール少女な夕奈ちゃんの卓球勝負が始まった、しかし勝負は予想外の結果だった                 『 はぁー、はぁー、すっ、凄いよぉ、夕奈ちゃーん、もうダメぇ・・・。』              夕奈ちゃんの圧勝だった、真兄みたいにズバ抜けた実力はないけれど女子高校生の平均レベルは遥かに上回ってたと思う                  『 すっごぉーい夕奈ちゃん、なんでそんなに卓球上手いの? そんなの里奈も知らなかったよー。』              親友の意外な姿に里奈ちゃんは大いにはしゃいでた              『 ・・・私のお母さん・・・、高校の時に卓球で・・・、全国優勝した事があったの・・・、卓球は小さい頃から・・・、お母さんが教えてくれた・・・。』            小さく微笑みながら夕奈ちゃんは語る、意外なサラブレットだったのね、意外な事実にみんなが沸き上がる中、彩花さんが素朴な疑問を夕奈ちゃんにぶつける              『 じゃあなんで夕奈は部活とかに入らなかったのよ、それってなんかもったいないじゃない? 』                『 ・・・クラブ活動みたいに・・・、人が沢山集まるの・・・、苦手だったんです・・・。』            それはしょうがない、そういう人もいるわよ、私はそれで納得したけど夕奈ちゃんは話を続ける                 『 ・・・でも里奈と出会って・・・、お兄さんにも会って・・・、皆さんに出会えて・・・、私・・・、友達が沢山できて嬉しかったです・・・、みんな暖かい人だったから・・・、だから今は・・・、皆さんと一緒に居るのは・・・、楽しいです・・・。』               夕奈ちゃんは私達に感謝の気持ちを伝える、人付き合いの苦手な彼女は青山兄妹や私達に出会えて成長できたのね、こんな事を言われたらグッときちゃうじゃないのよ、夕奈ちゃん! これからも私達はあなたの友達だからね♪

主人公ほとんど出番なし、これもまたアリという事で・・・。

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