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大切な人達  作者: 曹叡
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第六十話

貴志と彩花のまったりとしたお話です。

 彩花と朝食を食べ終えるとしばらくベンチでまったりとした時間を楽しむ、端から見たら俺達はまず間違いなくカップルに見られるだろうな、俺がそんな事を考えてたら彩花が                 『 どうしたの貴志? なんか黙りこんじゃってさっ、なんか心配事でもあるの、それとも・・・。』              彩花の顔がだんだん暗くなっていく、どうしたんだ、逆にこっちが心配になり彩花に聞いてみる                 『 それともってなんだよ、と言うよりどしたんだ彩花? お前の方が元気ないんじゃねーのか。』               俺がなんの気もなしに言うと彩花は恥ずかしそうに顔をうつむかせ                  『 ・・・私と一緒にいるの、楽しくない? 』               そう言った彩花の姿は今までに見た事がないと言っていい程にか弱く見えた、その姿を見た俺は思わず              『 何言ってんだよ! そんな訳ないだろっ、 なんでそう思うんだよ。』              つい彩花にキツい口調で言ってしまった、すると少し元気を取り戻したっぽい彩花が言い返してくる               『 だって貴志があんまり喋らないからでしょう!! せっかく私が誘ったのにさっ、女の子を不安にさせるんじゃないわよ。』               そんなに喋ってないか俺? けど彩花がそう言うのならそうなんだろうな、これは謝っといた方がいいな              『 ごめん彩花、俺が悪かったから、だから機嫌直してくれよー、なっ、せっかく二人っきりになったんだしさ、楽しまなきゃ損だぞー、そうだ、この別荘から帰ったら今度二人でどこかに遊びに行こう、彩花が行きたい所にどこでもつきあってやるからさ。』               彩花に向かって手を合わせ拝む様に謝罪する、機嫌を直してもらおうと思いついた事を言っただけだが彩花はさっきまでの沈んでた表情を一変させて喜ぶ               『 ほっ、ほんとにっ、約束だからね!! あっ・・・、この事は奈津美達には言っちゃダメだから、フフっ、さ〜て、何処に連れてってもらおっかな〜。』              ともかく機嫌は直ったな、やがて公園を出た俺達はあてもなくただ歩いてる、少々暑いが数時間後にはまた気持ちいい海で遊べる、また水着の女神達に会えると思えば我慢できた、そして彩花との会話も忘れない              『 やっぱ暑いよなー、夏だし当然だけどな、彩花は暑いのと寒いのはどっちがいいんだ。』                  『 そうね・・・、どっちかと言えば夏の方が私は好きだなー、なんかウキウキして楽しい気分になるし、貴志はどっちなのよ。』              『 俺か・・・、俺は冬のがいいな、やっぱクリスマスと正月があって雪も降ったりするしな、何よりも里奈の作るクリスマスケーキやおせち料理が美味しいんだ、あれでブラコンじゃなかったらな・・・、もったいない妹だよ。』                俺の話が終わると何だか彩花から黒いオーラが出てきた様に見えた、何なのか意味不明だな                   『 ふーーーん、暑い寒いじゃなくて里奈の料理が一番好きなのね、こぉのシスコン兄貴ーーっ!! 』               歩道にも関わらずに彩花が襲いかかってきた、素早くかわしてそのまま逃げる俺に彩花は怒りの形相で追いかけてくる                   『 コラーーーっ、待ちなさい貴志!! 止まらないと後でひどいわよー。』              捕まったら危険だ、そう俺の第六感は告げている、逃げながら俺は                  『 待てっ、ひとまず落ち着け彩花、ここは冷静に話をしてだな・・・。』              なんとか彩花を落ち着かせようとするが聞く耳を持たない彼女は                   『 うるさーーいっ、人の気も知らないでさぁー、この鈍感ニブチンドスケベ女ったらしーー、私が成敗してやるーっ。』                 更に黒いオーラを放出させてるっぽく見えた、何なんだよ一体・・・、まだ走りつづける俺の携帯に突然着信音が鳴る、つい立ち止まって携帯を取ると彩花に捕まってしまった                 『 ハアっ、ハアっ・・・、捕まえたわよぉー、天誅ーーーっ。』                  『 なっ、ちょ、ちょっと待てって彩花っ、たっ、たわばっ。』                   ギャグの範囲内でボコられた後にやっと携帯に出る、したら携帯から元気な声が俺の耳に響く                  『 あ〜ん、やっと出たよー、朝早くからどこ行ってるのお兄ちゃん、みんな心配してるんだからね、彩花先輩もいないし・・・、早く帰ってきてよー。』              里奈からだった、どうも彩花と一緒なのを知らないみたいだな、黙っとく事でもないから里奈に話す               『 ああ、今彩花と散歩してたんだよ、なんか心配させてすまなかったな、今から帰るから。』                 するといきなり彩花に俺の携帯を奪われそのまま里奈と話す、何故か笑顔で              『 あっ、里奈、そーゆー訳だからさっ、朝ご飯も貴志と二人っきりで食べたからもういらないわよ、奈津美達にも言っといて、じゃあねぇ〜。』            そう言って携帯を切り俺に返す、里奈との会話の中で二人っきりという部分をやけに強調してたのは俺の気のせいだろう、妙に機嫌の良くなった彩花は俺の手を取り明るく宣言する               『 さてと、あんまりみんなを心配させちゃ悪いし、名残惜しいけど帰ろっか♪ それとあの約束忘れたら私の家に監禁して一生出さないからね。』                 さらっと恐怖の宣告をするFカップ眼鏡っ娘、しかも俺の手を離してくれない、離そうとしたらまた黒いオーラを出してくるのでやむなく彩花と手を繋いで別荘へ帰る、別荘に帰り着いた俺達に里奈と夕奈ちゃん、奈津美さんから散歩の事を事細かに聞かれたのは言うまでもない、朝から疲れたよ・・・。

次回は二日目の海です。

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