第五十話
とうとう五十話まできました、これからもよろしくお願いします。
電車に乗る俺達、車内が混んでれば里奈達もワガママ言えないだろうと思ったが期待に反して車内には人がほとんどいなかった 『 お兄ちゃ〜ん、ここ座りなよ〜。』 『 ・・・お兄さん・・・、私の隣・・・、空いてますよ・・・。』 『 貴志くん、もしよかったら私の横に座らない? いろいろとお話がしたいんだけどな♪ 』 『 たっ、貴志が一人じゃ可哀想だからっ、私が隣に座ったげるわよ、感謝しなさいよね。』 人がほとんどいないからどこでも好きな席に座れる電車内、四人はそれぞれ少し離れた場所に座り俺を隣に誘ってくる、気持ちは嬉しいがたった四つ先の駅で降りるので電車には30分くらいしか乗らない、その僅か30分の為にここまで競い合う彼女達がなんだか微笑ましい、するともうカップルで座ってる友成と蒼太が 『 モテるな〜、青、ここは天さんの四身の拳を使うといいぞ。』 『 青山先輩、自分が座りたい所に行けばいいじゃないですか、このままずっと立っとくんですか、ちゃんと決めないと彼女達に失礼だと思いますけど。』 友成はともかく蒼太は俺や里奈達の事を心配してくれてる、俺は決断した 『 奈津美さん、隣に座っていいかな。』 『 えっ・・・、うん、いいよ、どうぞ♪ 』 俺に選ばれ満面の笑顔の奈津美さんと対照的に沈む三人、しかし俺は彩花に 『 彩花、俺の隣に来ないか、この席なら三人並んで座れるだろ。』 空いてる俺の右隣に彩花を呼ぼうとする、俺から呼ばれた彩花は顔を赤くして予想通りの台詞を言う 『 えっ、私も一緒にいいの、しっ、しょうがないなー、貴志がそう言うのなら座ったげるわよ。』 俺達の向かいの席にも里奈と夕奈ちゃんを呼んで 『 二人共、今はこれで我慢してくれるかな、昨日の夜にいっぱい俺と遊んだだろ、また一緒に遊んでやるから、なっ。』 『 じゃあまた里奈にマッサージお願いね、約束だよ、お兄ちゃん♪ 』 『 ・・・分かりました・・・、私にもまた・・・、マッサージ・・・、してくださいね・・・。』 何故マッサージにこだわるのか知らないがとにかく納得してくれた様だな、一仕事終えて安堵してる俺に友成の隣に座るいずみちゃんが話しかけてきた 『 色々大変ですね青山さん、でも何だか楽しそうに見えますけど。』 確かにそうかもしれない、現に前々から感じてた不安は全く無くなった、考えてみたら里奈達四人は元々仲良しなんだし皆それぞれ他人を思いやれる女性達だ、俺の考えてるような仲を悪くする様な争いはしないだろう、後は俺がしっかりしてればいいだけだ。 それから女子四人と俺は今までの夏休みにあった事とかを思い思いに雑談していた、蒼太も紗恵ちゃんと何だかいい雰囲気で談笑していた、まさに爽やかカップルだな、ただ友成はいずみちゃんにこんな愚痴を真顔でこぼしていた 『 何故テ○ビ朝日はさす○い刑事旅情編の再放送をしないんだ!! 俺が何回テ○朝に電話したと思ってやがる、電話代返せ。』 『 近頃色んな三国志作品があるけど何故もっと楽進と李典をメインにしないんだ、なめやがって。』 『 今年のCD売上トップ10は全てジャ○ーズかA○Bしかいねーじゃねーか、どおしてこうなったんだ。』 ・・・いずみちゃんは真面目に友成の愚痴を聞いている、もはや友成と付き合える女性はこの世にいずみちゃんしか有り得ないよな、友成の愚痴が終わると共に電車は俺達の降りる駅に着いた、そこからバスに20分程乗り ( ちなみにバスは割と人が多かったので蒼太と女子六人を座らせ俺と友成はずっと立っていた ) バスから降りると友成が 『 こっから10分くらい歩けば着くから、それじゃ行くぜよおはんら。』 こんなクソ暑い中歩くのかよ、まあ10分ぐらいならいいかな、俺がそんなふうに思ってたら紗恵ちゃんが明るい声で皆を鼓舞する 『 皆さ〜ん、もうすぐ着くんですから元気だしていきましょう♪ たまには歩くのも健康的で美容にもいいかもしれませんよ。』 ポジティブな紗恵ちゃんの明るさに励まされながら歩く事10分、やっと別荘が見えてきた、これから3日間どんな事が待ち構えているのやら・・・。
次回は本編をお休みして今までのキャラクターを紹介していこうと思います。




