第五話
今回は里奈視点です。
『 そうなんだ・・・お兄さんや友達の人達とカラオケ行ったんだ・・・。』
『 そうだよ、夕奈ちゃんも来たらよかったのに、すっごく楽しかったんだから、友さんなんてカッコいい洋楽歌ったかと思ったらブリブリのアイドルの歌も歌ったりですごかったよ。』
私は友達の秋野夕奈( あきのゆうな )ちゃんと二人で下校してた、お兄ちゃんが転入した高校で友さんや奈津美さんと仲良くなったように私も転入した中学で夕奈ちゃんと仲良くなった、物静かで大人しい子だけど家がご近所さんという事もありよく一緒に帰ったりしてる内に親しくなった
『 でも私・・・、人と話すの苦手だから・・・。』
『 大丈夫だよ、みんな優しい人だから夕奈ちゃんもすぐに仲良くなれるよ! だから今度は夕奈ちゃんも一緒に行こっ、ねっ♪ 』
『 うん、分かった・・・ありがと里奈・・・。』
ちょっと引っ込み思案な所のある夕奈ちゃんだけど私やお兄ちゃんとは普通に仲良くできてる、だったら友さんや奈津美さん、いずみさんとだって仲良くできるはずなんだから
『 お兄ちゃんの友達はみんないい人だから心配しなくていいよ、あのゴミクズ女だけは例外だったけどね!! あんなカスとは別れて大正解だよっ!!。』
『 別れてって・・・お兄さん、あの彼女と別れたの・・・どうして・・・。』
あっ! つい口が滑っちゃった・・・ お兄ちゃんにとっては思い出したくもない出来事なのに
『 あの彼女・・・確か前田さんって・・・里奈が前田さんの事を・・・そんなに言うなんて・・・ねえ里奈・・・お兄さんと前田さんの間に・・・何があったの・・・教えて・・・。』
うーん、どうしようかなあ、いくら夕奈ちゃんでもお兄ちゃんのプライバシーを勝手に言っちゃうなんて良くないよね、でも夕奈ちゃんがこんなに執着するのは意外だった、そんなにお兄ちゃんが心配なのかな?
『 里奈・・・あんまり言いたくない内容なんだね・・・でも・・・私もお兄さんが心配・・・何でもいいから・・・お兄さんの支えになりたいの・・・。』
夕奈ちゃん・・・口数は少ないけど自分の思っている事は偽らずにはっきりと言う子、私は本気でお兄ちゃんの事を心配してくれる夕奈ちゃんになんだか嬉しくなった、そしてこんな夕奈ちゃんなら一緒にお兄ちゃんを支えてあげれるはず、そう思った私は 『 うん、実は・・・。』
私はあのカス女とお兄ちゃんが別れた事、そしてお兄ちゃんを深く傷つけたあの画像つきメールの事を夕奈ちゃんに話した、無表情で話を聞いてる夕奈ちゃん、何を思ってるんだろ・・・
『 大丈夫・・・。』
私が話し終えると夕奈ちゃんはゆっくりと口を開く
『 お兄さんは強い人・・・・そんなの里奈だって知ってるはず・・・だから・・・大丈夫・・・。』
夕奈ちゃん・・・そうだよね、お兄ちゃんはいつまでもこんな事を引きずる様に人じゃない、だって・・・
小さい時からずっと里奈を守ってくれた。
どんな時でもずっと里奈の側にいてくれた。
いつだって里奈の事を大切にしてくれたお兄ちゃん
『 どうしたの・・・里奈・・・さっきからぼーっとして・・・。』
『 あっ・・・ううん、何でもないよ、それより夕奈ちゃん、もうすぐ卒業、そして高校生だねっ。』
私と夕奈ちゃんはお兄ちゃんのいる東明高校を受験した、担任の先生が言うには私も夕奈ちゃんも東明高校なら合格間違いないそうだ、でも夕奈ちゃんだけならもっと上のランクの高校も狙えたそうだけど
『 私は・・・里奈と一緒に・・・東明高校に行きたいです・・・。』
夕奈ちゃんの決意は固く頑なに東明高校を受験した。
何にしてももうすぐお兄ちゃんと同じ高校生、一年間しか一緒に高校生活はできないけど家ではずっと一緒だもん、それで満足だよ、楽しみだな♪ お兄ちゃんと一緒の登下校、あっ、お兄ちゃんのお弁当も里奈が作ってあげなきゃだね。
見てくれてただ感謝です、次話は夕奈視点でいこうかなと。