第四十四話
今回でダブルデート編は終わります。
絡まれていた女の子を助けた俺達の前に現れた工藤さん、遅れてきた彼にその事を説明してやると 『 へぇ〜、また偽善者の本領を発揮したのかい、全く、青山君の友人のやる事は自分のエゴを満たすだけの自己満足なんだな。』 俺達を見下した様な目で言い放つ、何故こんな事を言われなければならないんだ、だがそんな工藤さんに食ってかかったのは意外にも俺達が助けた綾子さんという少女だった 『 ちょっと、恭介先輩、私を助けてくれた人達にそんな言い方はないですよ、これじゃあ・・・。』 工藤さんに言った後で綾子さんは俺達の方を振り返り頭を下げながら 『 あの・・・、すいません、私はあなた達に感謝してますから、どうか気を悪くしないでください。』 『 いや、気にしてませんから、それより貴女が無事でよかったです。』 俺がせっかくこの場を穏便に済まそうとしたがまた工藤さんは余計な事を言う 『 綾子、この人達に騙されちゃいけない、この人達は極悪金髪不良の仲間なんだぞ、お前を助けたのも自分達でお前を手ごめにしようという魂胆に違いないんだからな。』 さすがに一言いいたくなるがそれより前に鈴木さんと矢島先輩が怒りの表情で出てきた 『 ちょっとアンタ!! 真兄達が助けなかったらこの子はタチの悪い奴らに連れ去られそうだったのよ! どうして素直に礼の一つも言えないのよ。』 『 そうよ、大体アンタが待ち合わせに遅れるからこんな事になったんでしょ!! 四森くん達がいたから彼女は今ここに居れるんだからね。』 声を張り上げる二人にも全く動じない工藤さんは 『 フン、どうして青山君や友成君の周りの女性達はこうも下品な女ばかりなんだろうね、とにかく僕は誰が何を言おうと青山君関係の人間に感謝の言葉など伝える気持ちはさらさらないから、行くぞ綾子。』 そう言って去ろうとする工藤さんと俺達に向かってひたすら頭を下げ続ける綾子さんにそれまで沈黙を守っていた友成先輩が言葉を投げかける 『 俺だってお前から感謝の言葉をもらおうなんて思ってないよ、でもこれだけは言っとくけどもし青や俺達の仲間になんかつまらねえ事してみろ、マジでブッ殺すからな♪ 』 笑って物騒な事を言う友成先輩に何も言う事なく工藤さん達は去っていった、二人が去った後に矢島先輩が友成先輩に近づき 『 ねえ、真兄、もしかしてアイツって今の子と前田先輩の事、二股かけてんのかな・・・。』 『 いずみ、俺達には関係ない話だよ、もちろん青にだってな。』 なんで青山先輩の名が出てくるんだろう、鈴木さんも同じ事を考えてたみたいで友成先輩に聞く 『 あの男と青山先輩ってなんか関係あるんですか、私や四森くんにも教えてください。』 真剣な鈴木さんや俺を見た友成先輩は俺達に念を押す様に語りかける 『 蒼太、紗恵ちゃん、この事は青にとっては嫌な思い出だけど二人を信用して話すよ。』 それから友成先輩から聞く話は確かに青山先輩が可哀相な話だった、以前に青山先輩が恋人を奪われた事があると聞いたけど奪った男があの工藤さんでしかもその青山先輩の元カノが二ヶ月前に俺が暴行を受けた際に涙を流し謝罪したあの前田先輩だったとは・・・、あの誠実そうな前田先輩が青山先輩を騙し二股かけてた挙げ句あっさり青山先輩を捨てたとか、人は見かけによらないものだ 『 グスッ、青山先輩、可哀相です、青山先輩には絶対、そんな女よりも魅力的な女性が見つかってほしいですよ。』 青山先輩に同情して涙を流す鈴木さんに矢島先輩は微笑みながら諭す 『 もう青山さんの周りには魅力的な女性は沢山いるわよ、後は青山さんが決めるだけ、大丈夫、いま青山さんの周りにいる女性達は絶対に青山さんを裏切ったりなんかしないわ、もちろん真兄や私、蒼太くんと紗恵ちゃんだってそうでしょ、私は信じてるから。』 聖母に見える矢島先輩に俺と鈴木さんは力強く頷く、友成先輩は笑いながら 『 まっ、青は寝取られ男からハーレム男に五階級特進した強者だからな、それにきっと、あいつは今が幸せなんだよ。』 そうだろうな、青山さんにはこんなにも想ってくれる仲間たちがいる、きっと姉さんだって、あの人は幸せ者だよ、俺は皆に言った 『 そうだ、ダーツにでも行きませんか、友成先輩、勝負しましょうよ。』 それからネットカフェのダーツで遊び友成先輩に完敗したり、反面ビリヤードでは圧勝したり、なぜか鈴木さんがバッティングセンターに行きだいと言い出しえらく女性二人がはしゃいでバットを振ったりと有意義?な1日を過ごした、夕方になりそれぞれ帰宅して俺は鈴木さんを送っていった、別れ際に彼女は 『 あ〜、今日は本当に楽しかったよー、今日でこれだけ楽しかったんだから友成先輩の別荘はもっとすごい事になるんだろうね♪ 送ってくれてアリガト、四森くん 』 真正面から見るには破壊力のある笑顔をたたえ、鈴木さんは家の中へと入っていく、そんなに彼女が楽しんでくれたのならよかった、満足げに自分のウチに帰った俺に姉さんが今日の事を根ほり葉ほり聞いてきたのはまた別の話である。
次回からやっと主人公、貴志視点に戻ります。