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大切な人達  作者: 曹叡
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第四十二話

お気に入り件数も増えてます、本当に感激です。

 鈴木さんと買い物に出かける事になった俺はその事を姉さんに言う、したら姉さんは含みのある笑みを浮かべ冷やかす                   『 へぇ〜、蒼太もなかなかやるじゃないの、頑張りなさい、一気に紗恵ちゃん落とすチャンスよ。』              勘違いもいいトコだが反論したらまた突っ込まれるので黙って家を出た。   待ち合わせの場所は鈴木さんの家に一番近い駅で彼女は隣町のデパートに行きたいそうだ、早めに家を出たので約束の時間より二十分も早く着いてしまった、しかし五分も待てば鈴木さんも来た、彼女は俺の姿に気付くと手をヒラヒラさせて近づいてくる                  『 あ〜、四森くんの方が早かったー、もー、せっかく四森くんを待ってるシチュエーションを楽しみにしてたのに〜。』                 何のこっちゃ、しかし何故彼女は買い物とかに俺を誘うんだ? 鈴木さんはクラスではある程度の女子の友達もいるのに、そんな疑問をぶつけてみたら彼女は俺の顔を真正面から見つめながら言った                   『 今日は四森くん達と行く別荘に持ってく水着を買いにいくの、そんなのクラスのみんなには言いたくないしどんな水着がいいか男子の意見も聞いときたいしね。』                     確かにこの事はクラスの連中には言っていない、俺と鈴木さんの仲はクラス公認だが泊まりがけで遊ぶというのをあまり言い触らしたくはないのだ、でも水着の件は別に男子の意見とかいらないと思うし、クラスの女子と行くにしてもそんなのいくらでもごまかす方法があるだろうが彼女にそんな事言ってもムダだろ、ここは気持ちを切り替え彼女と買い物を楽しむ事にした、後はクラスメートに会わないのを祈るだけだ。              電車の中、二人で並んで座る、適当な雑談をして過ごすが夏休みに入ったせいか学生らしき人が多い、しかもその若者達は周囲を気にせず大声で喋る、マナーのかけらもない態度に不快になるがここは放っとこう、また暴力沙汰はゴメンだしな、だがよく見たらそいつ等はシルバーシートの席に座ってた、さらに周りを見たらお婆さんが立ってたのだ、それを見た俺はそのお婆さんに声をかける               『 あの、お婆さん、よかったらココ、座ってください。』                     どうせ後二つ先の駅で降りるしな、それにお年寄りを立たせ自分は座るとか俺にはできない、お婆さんは俺に深々と頭を下げ鈴木さんの隣に座った、鈴木さんは俺を見て微笑んでいる、その笑みは電車を降りるまで絶える事はなかった。              電車を降り目的のデパートに近づくと後ろから声を掛けられる、振り向くとそこには友成先輩と矢島先輩がいた                『 よっ、お二人さん、奇遇だな、二人もデートか、青春だなぁ。』                 笑顔で話しかけてくる友成先輩、デートと言われ俺は慌てて否定しようとするも鈴木さんが先に先輩達に              『 そういう二人もデートですかー、あっ、そうだ、よかったらダブルデートしませんか、私達って今日は友成先輩が誘ってくれた別荘に持ってく水着を買いに来たんです。』                 そんな二人の邪魔になる様な事を言ってしまいてっきり怒られると思ったが矢島先輩は笑顔で受け入れた              『 ホントに〜、実は私達もなのよ、このデパートってカワイイ水着がいっぱいあるしさっ、ねっ、真兄、いいでしょ♪ 』                 友成先輩はあっさり承諾して四人でデパートへと入ったが矢島先輩と鈴木さんに引っ張られ俺と友成先輩は水着売り場に連行される、公衆の面前でなんの罰ゲームだろうか                   『 蒼太、お前も大変なんだなぁ・・・。』                『 いいや、先輩だって、苦労してるんですね・・・。』                      水着売り場から少し離れた所で俺達がぼやいてると試着室のカーテンが開き女子二人が出てくる、その姿を見た友成先輩が                 『 ・・・いずみか、うん、イイッ、いいんじゃないすっかー、紗恵ちゃんも似合ってるよ。』                 矢島先輩は紫のビキニ、鈴木さんは水色のワンピース水着だった、モジモジしてる俺に鈴木さんが近づき聞いてくる                    『 どう、この水着、やっぱり地味かなぁー。』              不安そうな声で聞く彼女に俺は言う                    『 そんな事ないって、俺は好きだけどな、その水着、似合ってるし、鈴木さんらしいと思うよ。』               『 ホントッ、本当にそう思ってくれてるの、じゃあこの水着にするねっ。』              俺が素直な感想を言うと鈴木さんは感激した様な表情になりあっさりそのワンピース水着に決めた                『 よかったわね紗恵ちゃん、蒼太くんが優しい人で、本当にその水着似合ってるわよ。』                   ビキニ姿の矢島先輩が俺と鈴木さんに微笑んでいる、そのボーイッシュな容姿が持つ健康的な色気に照れていたら鈴木さんが俺の腕を抓ってきた                   『 コーラー、何矢島先輩に萌えてるの! さっきの言葉はウソだったのー。』            だんだん抓る力が強まっていく、そんな俺を友成先輩は笑って見ている                『 ははっ、蒼太、確かにいずみは色っぽいからなー、健全な男子ならしょうがないよな。』                  『 あら、蒼太くん、私の水着も好きなの? ふふふっ、紗恵ちゃんがいるのにー、悪い子ね♪ 』               あの・・・、笑ってないで助けてもらえるとありがたいのですが、そんな先輩方と鈴木さんとのダブルデートはまだ続く・・・。

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