第四十一話
夏休み編にはなりましたがまだ別荘編ではありません、蒼太視点でいきます。
今日から夏休みだ、しかし俺はいつもと変わらず7時前に目が覚めた、ベッドから出て一階に降りると朝食の準備をしてた母から 『 おはよう蒼太、悪いけど彩花起こしてきてくれないかしら。』 なんでだ、今日から夏休みなんだし別に今起こす必要ないんじゃないか 『 母さん、学校は休みなんだしさ、寝かせといてやったら。』 俺の面倒くさそうな返答に母は少し怒り気味に返す 『 もう朝ご飯作ったのよ、それに休みだからってだらしない生活は母さん許さないわよ。』 かなり厳しい我が家の母に押し負け姉さんを起こしに向かう、何故俺が・・・ 『 姉さーん、朝だよ、母さんが起きろってさ。』 ドアをノックしながら言うも返事はない、だがこのまま戻ってもあの母は納得しないだろう、気乗りしないが俺はドアを開け姉さんの部屋に入った。 ベッドの上には薄いグリーンのパジャマを着た彩花姉さんがまだ夢の世界をさまよっていた、暑いからか布団を放り投げてて寝相がよろしくない、まあ、慣れてるけどな、大体学校のある日とかいつも俺が起こしてるんだし、仕方なしに姉さんに体を揺すり起こそうとする、お陰で姉さんは起きたのだが 『 うーーーん、ムニャ、ん、蒼太ぁ、おはよぉ、って、あれっ、今日から夏休みじゃなかったけ? 』 まだ半分寝ぼけている姉さんに母が起こしてこいと言ってた事を告げたら素直に布団から出てくれた、役目を終えた俺は姉さんの部屋を出て一階に戻る。 家族三人揃ったトコで朝の食事を取る、ちなみに父は現在単身赴任中で他県に行っている、母も働いてて朝9時にはもう家にいなく夜8時過ぎまでは帰ってこない、そんな両親だが俺達姉弟は尊敬している、俺達が路頭に迷わない様に働いてるんだし、姉弟揃って両親には迷惑を掛けたのに俺達を許してくれたのだ、俺は心底この二人の子でよかったと思ったモンだ。 朝食が終わり母さんが仕事に行く準備をしてたら姉さんが母さんに例の友成先輩のお父さんの別荘に3日間泊まり込みで遊びに行く事を告げた 『 ねえ、お母さん、いいでしょ、せっかくなんだしさぁ、蒼太も一緒に行くんだし、お願いっ。』 案の定母さんは苦虫を潰した様な顔をして聞いてる 『 そんな・・・、高校生だけで、泊まるだなんて・・・、しかも男の子も居るんでしょう、ひょっとしてその誘った男の子、何か変な目的があるんじゃないの? 』 そんな事を言う母さんに目を見開いた姉さんよりも早く俺は言った 『 母さん!! その人は絶対にそんな人間じゃないよ、誘ってくれたのだって純粋な好意なんだ、その人は俺の為に頑張ってくれたり、姉さんの為にも、そして友達の為、好きな人の為にも頑張る、俺が尊敬する先輩だ、絶対に母さんが心配する様な事なんか起きないからさっ、だから俺からも頼むよ、なっ。』 俺の必死の頼みにいくらか迷う母さん、すると今度は姉さんが母さんに思いの丈をぶつける 『 お母さん、今の私達の友達はあんな事をした私を受け入れてくれたの、つらい事は一緒に背負ってくれて、嬉しい事は一緒に喜んでくれる私達姉弟の大切な友達よ! 私は絶対にみんなと一緒に行きたいわ、せっかく今の高校で出逢えたみんなと高校最後の夏に思い出作るって約束したんだから!! 』 いつになく真剣な姉さん、しばらくの沈黙の後、母さんがゆっくりと口を開く 『 ・・・わかったわ、二人がそこまで行きたいならそうなさい、決してその友達に迷惑かけない様にしなさいよ。』 別荘に行く事を許してくれた母さんに礼を言い、それから間もなく母さんは仕事に行った。 自分の部屋に戻りこれから何をしようか考える、すると携帯から着信音が鳴る、誰かと思えばクラスメートで俺の相棒的な存在である鈴木紗恵さんだった、電話に出てみるとやはり朝から陽気な声を出す 『 おはよ〜、ねえ、四森くん、今日って何か用事とかあったりする? 』 『 いや、特にないけど、それがどうかした? 』 『 ホントに〜、じゃあさっ、今から一緒に買い物行かない? 』 渋る俺を半ば強引に誘う鈴木さん、引き下がりそうにないので彼女の買い物に付き合う事にした、これってまさかデートとかじゃないよな・・・。
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