第三十五話
見てくれてる人達に感謝です。
俺達は今、四森家の前にいる、俺と里奈、友成、鈴木さんと工藤の代わりに蒼太に詫びたいと言う理子、そして工藤と共に蒼太を殴った二人がいた。 この二人は清田と杉本という名で工藤とは中学からの友人らしい、しかし工藤とは違って 『 おっ、俺らも相当酷い事をしたと思ってたんだよ、あの一年に詫びさせてくれるのか。』 俺達が蒼太の事を話すとこう言ってきた、どうやら工藤ほどの悪党ではない様だ、まだ救いがあるな。 それにしても理子はどうして工藤の代わりに謝りたいとか言ってきたのだろう、確かに理子は工藤の彼女だが正直理子自身には関係のない事だ、工藤があんな奴だったから罪悪感でも生まれたのかもしれない 『 アンタに謝ってもらってもしょうがないけど・・・、貴志や蒼太がそれでいいって言うからね、謝ったらとっとと帰ってよ。』 玄関で俺達を出迎えた彩花は理子を見るなり吐き捨てる様に言う、里奈もまた憎悪のこもった目で理子を見てる、その理子は何も喋らず無表情なままだ、まあ、俺からしたら謝ってくれればそれでいいが 『 四森くんは多分アンタたちを許すでしょうけど・・・、でも私は絶対に許さないから! 』 理子と清田、杉本に鈴木さんは言い放つ、友成も 『 今度俺らの周りの人達に同じ様な事しやがったらマジで腕の一本くらい覚悟しとけよ。』 本当にやりかねない友成をなだめ、俺達は蒼太のいる部屋に入った 『 蒼太、ちょっといいかな、この人達が蒼太に謝りたいんだってさ。』 布団で横になってた蒼太に彩花は優しく話しかける、部屋に入った清田と杉本は目に包帯をまいた蒼太を見るなり 『 悪かったっ、あんたには本当に酷い事をした、許してくれ。』 『 もう二度とこんな事はしない、これからは真面目になって大人しく生きていくからさっ。』 二人は蒼太に謝る、多分この二人はもうこんな事はしないだろ、そして理子は目に涙を浮かべ 『 ・・・ごめんなさい、グスッ、なんの罪もない君をこんな目に・・・、お願い、ううっ、恭介を許してあげて・・・。』 泣きながら謝る理子に彩花と里奈は 『 白々しいわね、とにかく謝ったんだから早く帰ってよ。』 『 泣いて謝っても何の罪もない蒼太くんに暴力振るったのは事実なんです、もう二度と蒼太くんや私達の前に出てこないでください! 』 特に里奈の台詞に理子はショックを受けた様だ、しかし蒼太は穏やかに言う 『 姉さん、里奈さん、言い過ぎだよ、俺はもう気にしてませんから、謝ってくれたんだしもうこの件は終わりにしましょうよ。』 『 やっぱり蒼太はそー言うと思ったよ、まっ、それがお前なんだけどな。』 友成はやれやれといった感じで言う、理子達は蒼太に深く礼を言い俺達にも謝罪をしてきた、それから程なく謝罪に来た三人は帰り、残った俺達も少し雑談して四森家を後にする、帰り際に蒼太が俺達に 『 今回の事じゃ皆さんにはなんてお礼を言っていいか・・・、本当にありがとうございます。』 相変わらず礼儀正しい奴っちゃな、俺は笑って蒼太に言葉を返す 『 蒼太っ、この前いずみちゃんも言っただろ、お前は俺達の弟分だ、弟をそんなにされて黙ってる兄や姉はいないよ、もうちょい俺らを頼ってくれよ。』 『 はいっ、先輩。』 『 アリガト、貴志。』 四森姉弟のお礼を聞き四森家を出る、そんな時鈴木さんが俺に 『 私、正直貴方を誤解してました、そんな頭してるし・・・、でも四森くんの事、大事な弟だと思ってるんですね、青山さんが自慢する訳です。』 『 うん、里奈のかっこいいお兄ちゃんだもん。』 『 またの名を超シスコン人3の妹スキー、青山貴志君だけどな。』 友成に岩山両波をくらわし俺と里奈は友成と鈴木さんと別れた、家への帰り道に里奈が心配そうな声で 『 ねえ、お兄ちゃん、もしかしてあの前田先輩とヨリを戻したいとか思ってない、里奈は嫌だよ、そんなの・・・。』 『 ありえねー事言うなよ、俺はもう二度と理子や工藤とは関わりあいたくないんだから。』 何故かおかしな事を聞いてきた里奈にそう言うと笑顔で腕を組んできた 『 うん♪ だってお兄ちゃんにはもっとお似合いの人がいるんだから、・・・身近にね。』 俺に顔を見せずに里奈は言う、誰だろ、奈津美さん、彩花、夕奈ちゃん、それともまさか・・・、俺は何も言えずただ、里奈と腕を組んで帰った・・・。
次回から新展開です。