第三十三話
貴志視点で進みます。
蒼太が何者かとケンカしてひどいケガをしたと彩花から聞いた、心配になった俺達は四森家に見舞いに行く事にしたのだ 『 大丈夫かな、蒼太くん、どこの誰なんだろうね、蒼太くんにヒドい事して、許せないんだから! 』 里奈が珍しく怒りを露わにしている、友成も同様に怒ってた 『 どこの誰か知らねーが俺達の後輩に手ぇ出した事をたっぷり後悔させてやんなきゃな! 』 おいおい、血の気が多いな、とにかく事情も分からないからまずは蒼太に話を聞こう、そう思って俺達は四森家に着いた。 四森家の玄関で彩花が俺達を出迎えてくれた 『 みんな、本当に嬉しいよぉ、蒼太を心配してくれる人がこんなに居るなんてさぁ、アリガトね。』 彩花は泣きそうだった、彼女の言うとおり人数が多い、俺、友成、里奈だけじゃなく奈津美さん、夕奈ちゃん、いずみちゃんも居る、皆、話を聞いて蒼太が心配になったのだ 『 彩花さん、蒼太くんの様子はどうなの。』 奈津美さんが聞く、彩花の話では蒼太は腹の立つ奴がいたからケンカを売って逆にやられたとか、蒼太は誰かと一緒にいたそうでその人が病気に運んでくれたらしい、病院で治療を受け今は自分の部屋のベッドで休んでる蒼太に会えるかと聞いたみたらオーケーだったので蒼太の部屋に行ってみる事にした。 ・・・蒼太のケガは想像以上だった、顔の至る所が腫れており目には包帯が巻かれていた、目に粉を入れられ暫くは取れないと彩花は言ってた、布団で横になってる蒼太に話しかける 『 蒼太、大丈夫か? 何があったんだよ、お前が自分から人にケンカ売る訳ないもんな。』 『 ただのケンカですから、それより皆に心配をさせてしまってすみません、本当に大丈夫ですから。』 蒼太はそう言うが絶対に何かあるな、夕奈ちゃんもそう思ったのか静かに語る 『 ・・・蒼太くん・・・、話して・・・、このままじゃ・・・、納得できないよ・・・。』 蒼太は何も言わないがそんな時四森家のインターホンが鳴る、誰か来たのだ。 程なく彩花に連れられて背の低いツインテール少女が俺達の居る部屋に来た、その少女を見て里奈が 『 鈴木さん、そっか、やっぱり蒼太くんと一緒にいた人って鈴木さんだったのね。』 その鈴木さんという娘は俺達の人数の多さに戸惑ったのか緊張気味に話す 『 あの・・・、あなた方は四森くんとはどんな関係なんですか。』 『 ああ、初めまして、俺は青山貴志、蒼太とは友達なんだ。』 それから皆それぞれ、鈴木さんに自己紹介していった、今知ったが里奈と夕奈ちゃんは鈴木さんとは友達だそうだ、自己紹介が終わったら奈津美さんが鈴木さんに話しかける 『 ねえ、鈴木さん、蒼太くんにあんなひどい事した人を見てないかしら? 私たちには蒼太くんが自分から他人に暴力を振るう子とは思えないの。』 奈津美さんの言葉に鈴木さんは驚いて俺達を見る、蒼太はどこか観念した顔をしてるがやっぱり・・・ 『 どういう事ですか!! 四森くんはいじめられてた犬を助けようとしたんです、誰がそんな事・・・、ねえ、四森くん、なんでこんな話になってるのよ。』 鈴木さんに詰め寄られた蒼太はフウっとため息を吐いて話し出す 『 やっぱりごまかし切れませんね、本当の事を言えば皆さんに迷惑をかけてしまうと思って・・・、すいませんでした。』 それから蒼太が話した内容は鈴木さんが言ってた話と同じだった、すると今まで黙ってたいずみちゃんが蒼太に言う 『 蒼太くん、私たちに迷惑かけたくない気持ちは分かるけど・・・、もっと私たちに甘えてほしいな、キミには頼りになる兄さん、姉さんがたくさんいるんだから、ねっ。』 そうだな、弟分をこんなにされてこのままでいい訳ない、犯人を見つけ蒼太に詫びを入れさせなきゃな、元々動物を虐待してたそいつ等が悪いんだから 『 よしっ、友、そいつ等を捜そう、自分達のやった事を反省させるんだ。』 『 おう、青、待ってろよ蒼太、必ずお前の仇はとってやるからな。』 気合いの入る俺達に鈴木さんが言ってくる 『 私にも手伝わせて下さい、そいつ等の顔は私しか知らないんですから、同じ学校の人だったからくまなく捜せばきっと見つかりますよ。』 俺達と同じ学校の奴だったのかよ、じゃあ意外と早く見つかるかもな、こうして俺と友成、鈴木さんは蒼太を傷つけた奴を捜す事になった・・・。
まだ続きます・・・。