第三十一話
前回の話の続きです。
現在、我が家の台所には美少女二人がハンバーグの下準備をしていた、奈津美さんと夕奈ちゃんだ、彩花はというと野菜を手際よく小刻みにしてる。 結局俺は米だけ準備して後は女子三人に夕飯の支度を任して今は里奈の看病をする為に里奈の部屋に居る 『 う〜、ゴメンね、お兄ちゃん・・・、すぐに良くなってまたお兄ちゃんの食事作るからね。』 『 いいから、今は治す事だけ考えろ、ほらっ、暖かくして寝ときな。』 『 ・・・里奈以外の人が、お兄ちゃんの食事作ってるんだね・・・。』 『 今だけだよ、それに三人共善意で作ってくれてるんだ、そんな言い方するなよ。』 『 うん・・・、それじゃ里奈寝るから・・・。』 布団をキチンとかぶらせ氷枕を里奈の頭に置いて俺は里奈の部屋を出た。 それにしても奈津美さんも彩花も夕奈ちゃんもよくしてくれてるよ、これは何かお返しを考えねばな、そんな事を考え台所のある一階に戻ると 『 あっ、貴志くん、里奈さんは大丈夫だったの、早く良くなるといいね。』 ハンバーグの下準備を終えた奈津美さんが聞いてきた、キッチンでは彩花が野菜炒めを作っている、炒めた野菜のいい匂いがする 『 ああ、今寝かしつけたトコ、熱も昨日よりは下がってたし、多分もうすぐ良くなるよ。』 『 ・・・よかった・・・、お兄さんの・・・、お陰です・・・。』 夕奈ちゃんはみそ汁担当なのかな、味噌の準備をしてるけど、まあ、きっと得意なんだろ 『 貴志〜、お皿出しといて、あと飲み物も準備しときなさいよね、ほらっ、チャチャっと動くっ。』 彩花が俺を急かしてくる、俺は飲み物と皿を急いで準備した。 『 いただきまーす。』 目の前のテーブルには奈津美さんの手作りハンバーグ、彩花の作った野菜炒め、夕奈ちゃんが作ったみそ汁と美味そうな匂いのする三品が揃ってた。 あと彩花は言ったとおりに里奈にお粥も作っていた 『 おっ、美味い、ハンバーグも野菜炒めもみそ汁も皆おいしいよ、三人共料理上手いんだね。』 言葉の通りだった、三つの料理が甲乙つけがたく美味い、里奈の料理にひけをとらないくらいに 『 よかった〜、貴志くんの口に合わなかったらどうしようかと思ったよ、ありがと♪ 』 『 私が作った料理が不味いワケないじゃない、でもありがとね、おいしいって言ってくれて。』 『 ・・・ありがとう・・・、お兄さん・・・。』 三人に礼を言われる、礼を言いたいのはこっちだよ、ご飯を三杯おかわりして彼女達の作った料理すべてを平らげた、そして片付けもまた三人に任して俺は里奈にお粥と少量のみそ汁、一口サイズのハンバーグ数切れを持って行く 『 里奈〜、夕食持ってきたぞ、食えるか。』 『 ・・・うん、ありがと、お兄ちゃん。』 お粥をスプーンに入れフーフーして里奈に食べさす 『 どうだ、彩花の作ったお粥だけど、みそ汁は夕奈ちゃん、ハンバーグは奈津美さんが作ったんだ、少しでもお前が食べて早く元気になってほしいんだとさ、いい友達じゃねーか。』 『 ・・・美味しいよ、里奈、早く元気になるから、・・・夕奈ちゃんや奈津美先輩、彩花先輩とお兄ちゃんの為にね。』 里奈は少しずつ食べていった、もう無くなるトコで里奈に言う 『 それだけ食えたら大丈夫かもな、それじゃ薬飲んでもう一回寝な、俺は三人を送ってくるから。』 『 うん・・・、三人にお礼言っといてね。』 返事をして一階に降りる、三人はもう片付けを終えて帰る準備をしていた 『 今日は本当にありがとう、里奈も美味しかったってさ、帰るんだよね、家まで送るよ。』 ご近所の夕奈ちゃんはすぐに家に着く、別れ際にまた俺に料理を作ってあげたいという台詞を言って家に入った。 次に家が近いのは奈津美さん、やはり奈津美さんも家に入る直前に 『 よかったらまた料理を作らせてね、貴志くんが望むなら私はいつでも作ってあげるからさ♪ 』 何か彩花から不穏なオーラが漂ってる様な気がするが多分気のせいだろ。 そして残る一人、彩花と肩を並べて歩く、なんか落ち着かないな 『 ねえ、貴志、今日の私の料理ってどうだった、一番美味しかった。』 いきなり彩花が聞いてくる、誰が一番とかないんだけどな、俺は彩花に 『 皆同じに美味しかったよ、誰が一番上手いとかない、どしたんだ急に。』 そう言ったら彩花は真剣な顔になり 『 ・・・私は、貴志の一番になりたい。』 えっ、それは料理の事だよな、それ以外になんかあるかよ・・・ 『 負けないんだからね、奈津美にも、夕奈にも、・・・里奈にだって。』 いつの間にか彩花の家の前にいたようだ、彩花は顔を赤くして走りながら家に入る、だから何の事だよ、それに里奈って、なんで里奈が出てくるんだ、俺には分からなかった。
次回は蒼太と紗恵の話です。