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大切な人達  作者: 曹叡
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第三話

第三話です。

理子からフラれ俺の男としてのプライドをズタズタにしたメールを受けた翌日、俺は気分も新たに学校に行く、家を出る時に里奈が


『 お兄ちゃん、見て見て、いい天気だね、きっと今日はいいことあるよっ! 今日の夜ごはんはお兄ちゃんの好物のオムライスだから早く帰ってきてね。』


と励ましてくれたのが嬉しかった。


よし、そうだな、いつまでもあんな事を気にしてたら前には進めない、昨日よりも今日、今日よりも明日だ、里奈の純真無垢な励ましを背に俺は学校に向かう。


学校に向けて歩いてると後ろから穏やかな女性の声が聞こえた。


『 あっ、青山くん。』


『 ん、ああ、おはよう、高野さん。』


俺を呼んだのはクラスメイトの高野奈津美さん、腰くらいまである黒髪ロングヘアーで足もスラッと長くスタイル抜群の学校のアイドル的存在だ。


理子の親友である高野さんは俺の見た目に臆する事なく友達付き合いをしてくれる心優しい美少女だ、育ちからなのか言葉使いもどこぞのお嬢さまっぽくとても丁寧で正直俺なんかと友達付き合いしてるのが信じられないくらいだ


『 あら、珍しいですわ、今日は理子さんとご一緒ではありませんの。』


耳が痛いな・・・だけど俺と理子が別れたのを知らないのかな? 思案中に二度と聞きたくない女の声が聞こえてきた


『 あっ、奈津美に青ちゃんだ、おはよー。』


昨日から元カノになった前田理子と俺から理子を寝取った男、工藤恭介が仲良そうに肩を並べて現れた、その様子を見た高野さんは


『 理子さん・・・あなた、青山くんと一緒ではございませんの? それにその人は・・・。』


驚いた表情で理子に事情を聞こうとする、聞かれた理子はあっさりと話す


『 ああ、知らなかったんだね、私、恭介と付き合う事になったの、だから青ちゃんとの恋人関係はオシマイって訳、だけどこれからは友人として仲良くするんだよね青ちゃん♪ 』


高野さんはイマイチ状況がつかめてないみたいらしく呆けている、そんな時、理子の隣の工藤がムカつく笑顔で俺に話しかけてきた


『 やあ青山君、昨日のメールは見てくれたかい、あの後理子も激しかったなあ・・・夜中の3時まで寝ずのヤリまくりでまだ眠たいんだよ、ククク・・・。』


卑しい笑いと共に昨日のメールの話をする、バカかコイツは、理子とヤリたきゃ好きなだけすればいいだろ、もう俺には何の関係もない話だからな、相手にせず立ち去ろうとした俺に今度は理子が話しかけてくる


『 そういえば青ちゃん、昨日のアレね・・・恭介のイタズラだったの、私に黙って青ちゃんにあんなメール送って・・・でも返信のメールしたの誰なの? 青ちゃんじゃないよね。』


理子が送ったんじゃないのか、だけどもうどっちでもいい、こんな奴らに関わり合いたくないからな、理子も無視してると


『 青ちゃんは人にゴミクズなんて言う人間じゃない! 私だってそれくらい分かるんだから! 』


今更何を言ってるんだかこの女・・・あんまりしつこいので仕方なしに


『 誰でもいいだろ・・・俺はもうお前と金輪際関わりたくないだけだ・・・せいぜい俺の関係ない所で幸せになってくれよ。』


どうでもよさ100%で言い放つ、一秒でも早くこの場から離れたかったのだ


『 青ちゃん・・・そんな言い方って・・・。』


理子が言い終える前に高野さんが俺の手を引き強引に歩き出す、普段ではありえない高野さんらしからぬ行動に理子は慌てて


『 ちょっと奈津美! どこ行くのよ! まだ話は終わって・・・。』


呼び止めようとするも高野さんは完全無視、工藤は何もせずニヤニヤしてこの状況を眺めてるだけだ、歩きながら高野さんは俺に


『 青山くん、だいたいの話は分かりましたわ・・・もうあんな人の事は忘れて下さい! 私もあんな人とはもう親友でも何でもありません! 青山くんを傷つけ、面白がって・・・絶対に許しませんわ!! 』


慰めの言葉をかけてくれる、理子とは縁を切ろうというのに俺とは変わらず友達付き合いをしてくれるのか? いい人だな高野さんって・・・理子の声を一切無視する高野さんに手を引かれ俺は彼女と共に学校に向かうのだった。

次話は学校生活です。

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