第二十六話
やっと貴志視点に戻ります。
俺たちが三年になり1ヶ月が過ぎた、里奈も入学した当初は何故だか元気なさげだったが今ではいつも通りの明るい里奈だった 『 お兄ちゃん、はいっ、お弁当だよ♪ 』 もはや当たり前になった里奈の手作り弁当、友成は羨ましがってた。 そしてもう一つの定番は里奈、夕奈ちゃんとの朝の登校だった 『 ・・・お兄さんは・・・、大学・・・、行かないんですよね・・・。』 『 ああ、何か体力系の仕事をするつもりだけど、どうかしたの。』 『 ・・・この街に・・・、居るんですよね・・・、どこか遠くに・・・、行きませんよね・・・。』 俺が答える前に里奈が 『当然だよ、お兄ちゃんと里奈はあの家にずっと居るから安心して。』 俺はいいが里奈がそれでは困る、入学して1ヶ月、未だに里奈に浮いた話はない、何故だ、不意に後ろから聞く者を癒やす声がした 『 おはよう、みんな、なんだか楽しそうね。』 そこには奈津美さんが居た、黒髪ロングがこの上なく似合う美少女、彼女は俺の隣に来て一緒に歩く。 なんだこのハーレムは、美少女三人と登校とか俺の人生これでいいのか、そのまま学校に行き俺たちの教室に入る、友成と彩花はもう来ていた。 昼休みとなり俺たちは4人で昼食を食べる、友成は俺の弁当を見て 『 いーなー、ラブシスターの手作り弁当、俺のも頼んでもらえるか。』 『 ムチャゆーな、二人分の材料しかねーよ。』 ガッカリする友成を尻目に今度は彩花が友成に話し掛ける 『 そういえば真司って午前中やたら眠そうだったけどなんで? 』 『 親父と朝4時まで語り合ってたんだ、おかげで三時間しか寝てねえよ。』 『 何? 進路の事。』 奈津美さんは友成に聞くが奴の答えは常軌を逸していた 『 いや、仮面ラダーV3・風志郎役は宮洋さんしか有り得ないという事を語り明かしたんだ。』 ・・・コイツの親父さんは会社を持ってるはずだがどんな会社なんだ、そしていずみちゃんはコイツの何に惚れたんだろう、謎だ。 そして放課後、奈津美さんと彩花の三人で帰る、里奈達も俺と一緒に帰りたいらしいが下校はクラスメートと帰るように説得した、里奈と夕奈ちゃんにも俺みたいにクラスメートと楽しい下校時間を過ごして欲しいのだ、俺の想いは通じた様で今じゃ里奈達はクラスメートと楽しく下校するようになった。 下校途中の街中を歩いていると彩花が何かを見つけて俺に言う 『 あっ、見て、貴志、アイツ・・・。』 彩花が指差すその先にはあの工藤恭介が理子とは別な女と仲良さげにウィンドウショッピングをしていた、その光景を見た奈津美さんは呆れた感じで口を開く 『 まあ、いいんじゃないですか、何でも、前田さんには似合いの末路ですよ、ねっ、貴志くん♪ 』 確かに何でもいい、これは工藤と理子の問題であり俺は全く関係ない、いつまでもこんな奴らに振り回されてたまるか、俺たちは工藤に声をかける事なくその場を離れた。 帰り道も進み彩花と別れ今は奈津美さんと2人っきり、何しゃべろうかな、未だ告白もせず友達以上、恋人未満の関係だがどうしたものか、俺が話し掛けようとしたら奈津美さんが先に話しかけてきた 『 ねえ、貴志くん、頼みたい事があるんだけど、聞いてくれるかな。』 『 おう、なんでも言ってみなよ、できる事なら何でもするから。』 なんだろうな、二人になって話してきたとこを見ると俺じゃないとダメなのか 『 あっ、あのね、わっ、私の・・・、私の恋人になってほしいのっ。』 はい? 彼女は今なんと言ったのだ、俺の聞き間違いじゃなければ恋人という単語が聞こえたような気がしたけど・・・。
見てくれて感謝してます、これからもよろしくお願いします。