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大切な人達  作者: 曹叡
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第二百四話

何とか連日更新です、いつまで持つやら・・・。

『 ほらっ、蒼太君、さっきからあんまり箸が進んでないよ、遠慮なんてしてたら真兄が残さず食べちゃうんだから。』


『 あっ、どうも・・・いただきます。』


いずみが豚肉やキムチをよそって蒼太君のお椀に入れる、今日の夕食はチゲ鍋、寒い夜にはもってこいな食べ物よね、私といずみ、そして偶然会って招待した蒼太君と真司君とで食べてるけれどどうにも蒼太君は遠慮してる様に見える


『 そうだぞ蒼太、じゃんじゃん食べろって、キムチも野菜も美味しいだろ、美鈴さんの料理は愛情たっぷりなんだから、しかしお前とこの家でメシ食うとかどんな偶然なのかね。』


『 そうですね、でも良い偶然ですよ、おかげで俺もこんな美味しいチゲ鍋を頂いてるんですから、友成先輩がよくこの家の食事を頂くのも納得ですよね。』


『 でしょ〜、真司君は私やいずみの手料理にメロメロなんだから、蒼太君もぜひまたいらっしゃい、今度は彼女も連れてね♪ 』


蒼太君はありがとうございますと頭を下げる、やっぱりいい子よね、こんなご時世ではなかなかお目にかかれないわ、いずみや真司君が彼を弟みたいに可愛がるのも分かる気がする




『 お母さん、矢島先輩、今日は本当にご馳走様でした、お陰様で体だけでなく心も温かくなりました。』


『 俺もです、やっぱり美鈴さんやいずみの料理は俺の最高のご馳走ですよ、それじゃ失礼します。』


『 ふふっ、どういたしまして♪ そんじゃまたね真兄、蒼太君、寒いから風邪とか気をつけるのよ。』


『 2人がそう言ってくれると私も作った甲斐があったわ、2人とも美味しく食べてくれてありがとね、それじゃあ蒼太君、またいつでもいらっしゃい。』


楽しい会話の絶えない夕食が終わり2人の青年は私やいずみに感謝の気持ちを伝えて帰っていった、2人を見送って部屋に戻るといずみが私に話しかけてきた


『 ねっママ、蒼太君ってホント礼儀のいい子でしょ、真兄や青山さんも俺らも見習わなきゃって言ってたし、私もいずれ社会に出るんだしやっぱり礼儀は大事なんだよね。』


『 そうね、でも真司君や青山君だって立派な青年よ、ねえいずみ、あなたが将来社会に出て結婚して、そして母親になって子供を育てて・・・その道のりは楽しい事ばかりじゃない、辛い事だってあるわ。』


いずみは神妙な表情で頷く、いずみだって父親の死を経験してその事は分かってる筈、多感な時期を片親で過ごさせたけどいずみは真っすぐに育った、それはいずみが持ってた芯の強さだと私は思ってる


『 あの時・・・パパが天国に行っちゃって私は正直挫けそうになった、もう何もしたくないって思って体が動かなくなりそうだったわ、恥ずかしい話よね。』


『 ママ・・・。』


『 でもいずみ、私にはまだあなたがいた、パパと私の娘のあなたが、あなたに辛い思いをさせない為にも私が頑張らないとパパも安心して眠れないものね、そう考えたら不思議と力が湧いてきたのよ。』


私の話を黙って聞いてたいずみはいつの間にか目に涙を溜めていた・・・


『 まあ何が言いたいっていうとね、いずみ、礼儀ももちろん大切だけど自分に負けない強さを持ちなさい、あなたなら大丈夫でしょうけど先の事なんて誰にも分からないもの、その時に挫けそうになる自分に負けない強さを持つ大人・・・私はあなたにそんな大人になってほしいのよ。』


『 うん・・・ママ、私頑張るから、そして幸せになる! 真兄と一緒にね。』


そう、いずみには真司君がいる、そして青山君や蒼太君達だって・・・1人ではどうにも出来ない時に助けてくれる仲間がいずみにはいる、ねえ洋一さん、雲の上から見てるかな? あなたと私の娘はこんなにも成長したわよ、きっと雲の上のあなたも喜んで見てるわよね・・・力強く幸せになると宣言した愛娘を私は満足な思いで見ていた。

次話は健太が出ます、第十四話も改訂しました。

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