第二十話
二十話まできました。
二年の時の6月、夏の暑い日にクラス対抗のサッカー大会が行われた、暑いのにご苦労な事である、優勝しても特に何もないのだがやるからには勝ちたい 『 青、俺たちのコンビで4組の優勝は間違いなしだな。』 『 けど暑いよな、まあ体育館でバレーやってる女子も暑いだろうけど。』 俺は頭はよろしくないが運動能力は学校トップクラスである、親父の暴力から里奈を守るために十歳から鍛えてたしな、でも友成のスポーツ能力は俺の上をいっていた、多分全国レベルだろう、本人に聞いてみたら三歳くらいからスポーツ好きだったとか 『 6クラスを二つに分けてリーグ戦、上位一チーム同士で決勝戦か。』 『 優勝まで全部で三試合か、俺たちと同グループは1組と3組だ、実力をだせば負けないよ。』 チームメートが話す中、俺と友成がいる4組はまず3組との初戦を迎えた、俺はMF、友成はFWに入る、二人共レギュラーだ。 前半が終わって5対0、友成が一人で四得点だ、しかしシュートを打つ際に 『 ファイヤー。』 『 ここだ、ここできめるんだ。』 『 俺が天才、友成真司だぁ。』 といちいち叫ばないとシュートが打てないのか、なら仕方ないが・・・。 結局試合は友成の6得点、俺の5アシストで8対0の完勝だった。 次の1組との試合、勝てば決勝だ、初戦と同じ布陣で望む、やはり前半で4対0だ、俺と友成だけじゃなく他のチームメートも結構上手かった 『 後半はGKさせてくれねーかな。』 友成がそう言い出した、もう勝ちは見えてたのでさせてみると 『 そうなんどもぬかれてたまるか〜。』 やはりシュートを打たれると叫ぶ、黙って捕れ。 試合は7対0と勝利、決勝進出だ、試合後に友成が 『 やはり俺が4組のSG(頑張り)GKだ。』 ・・・もう何も言いたくない、とにかく決勝戦だ、相手はサッカー部のエースとか言われてる工藤恭介がいる6組になった。 『 青、俺さ、この試合は後半から出るよ。』 『 どうした、体調が良くないのか。』 『 フッ、スーパーストライカーは後半から出るのが決まりなのさ。』 まあ、駄目と言っても聞かないだろうし、好きにさせるか、作戦は俺が工藤を徹底マークすることらしい、大丈夫かな、相手はサッカー部のエースなんだろ。 しかし試合が始まって工藤をマークしてると思ったより大したことなかった、ドリブルもパスもシュートも全て防げたし、俺の2アシストで前半が終わって2対0だった。 後半開始、自称スーパーストライカーの友成も出場して、最後の45分だ。 『 くらえぇ、マッシュートだぁ。』 また叫ぶ、けど今までより動きが凄い、実は体力温存だったのか、試合は進み残り二分、スコアは5対1、優勝はもう決まりだった、相手ゴール前で友成からボールをもらい 『 青、ラストはお前が決めろよ。』 よし、初ゴールを決めてやるか、思いっきりシュートしたら バッチィン!! げっ、やべえ、止めにきた工藤の顔にモロに当たっちまった 『 なにぃ、顔ブロックだとぉ。』 それから工藤は保健室に運ばれ、程なく試合は終了、4組は優勝した。 後日、工藤に謝りに行ったが全く相手にされなかった、そしてその約8ヶ月後、俺は理子を工藤に奪われた・・・。 『 フーン、そんな事があったんだ、だからアイツ、貴志にはイヤミったらしくくるのね、気にすることないよ、ただの逆恨みバカなんだから。』 彩花がそう言ってくれる、そりゃサッカー部期待の二年生エースが帰宅部のなんちゃって金髪男に全く歯が立たず、しまいにはシュートを顔にぶつけられたんだから普通恨むだろ 『 まっ、今更理子を取られたとか気にしてないよ、今の俺にはもっと大切な人達がいるんだ、もうそんな事忘れようぜ。』 彩花は何か考えてるようだが普段あまり出さない落ち着いた声で聞いてくる 『 ・・・貴志は、新しい彼女とか欲しくならないの? 』 なんだ、急に言われても、まさか奈津美が気になってるとか言いにくいしな、何も言わず黙ってたら 『 ゴメン、今の忘れてっ、ほらっ、帰ろうよ。』 急にどうしたんだ彩花は、まあ、今すぐに彼女とかまだ考えられないけどな、だけど、いつかは俺だって・・・。
これからもよろしくお願いします。