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大切な人達  作者: 曹叡
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第百九十六話

お待たせしました、今日も仕事でしたのでこんな時間になりました。


遅くなりましたが本年初の更新です、今年もどうかよろしくお願い致します。

いつも以上に真剣な眼差しの夕奈ちゃん、じっと俺を見据え返事を待ってる


『 ・・・夕奈ちゃん、あのさ・・・そのー、なんつーかな・・・。』


『 お兄さん・・・正直に言って下さい・・・私・・・どんな答えでも受け入れますから・・・。』


風呂上がりでピンク色のパジャマを着た夕奈ちゃんは何か色っぽい、里奈より少し大きい胸もトレードマークのポニーテールをほどいたストレートの髪も艶っぽいうなじも俺の目を奪う


『 お兄さん・・・早く言わなきゃ・・・里奈が戻ってきます・・・。』


『 いや、それはまだ大丈夫だと思うよ、里奈は割と長風呂だしな、それはそうと夕奈ちゃん、俺が夕奈ちゃんをどう思ってるか聞きたいんだよね。』


『 はい・・・聞きたいです・・・。』


俺の心は決まった、俺の本心を真剣に聞きたがってる夕奈ちゃんにごまかしなんてできない、一呼吸置いて俺は夕奈ちゃんに言う


『 夕奈ちゃん、確かに君に出会った当初は里奈の友達だという感覚しかなかった、もちろん可愛い子だなとも思ってたけどね。』


『 じゃあ今は・・・今は違うんですか・・・。』


夕奈ちゃんの瞳は俺の次の言葉に対する期待と不安が混じってる様だ、当然夕奈ちゃんの事は嫌いじゃない、というか奈津美さんも彩花も里奈も嫌いじゃない、むしろ好きだ ( もちろん里奈に対する好きは兄妹としての好きなのだが )


『 今は・・・気になるっていうか、大切にしたい女の子だよ、でもそう思ってる女の子は夕奈ちゃんだけじゃないけど・・・。』


『 そう・・・そうですよね・・・私だけじゃない・・・奈津美先輩や彩花先輩・・・里奈も・・・お兄さんにとっては・・・大切な女の子・・・。』


夕奈ちゃんの表情が沈む、我ながら酷い事を言ってるのかもしれない、だけどこれがごまかしのない俺の本心なのだから、未だに誰を恋人にするか決められない優柔不断なヘタレ、そんな俺なのに夕奈ちゃんだけでなく奈津美さんや彩花、それに里奈も好意を寄せてくれる、俺はどうするべきなのだろうか? どうすれば誰も傷つけずに済むのか教えてほしいものだ


『 お兄さん・・・ありがとうございます・・・それってまだ私にも・・・チャンスはあるって・・・事ですよね・・・ふふっ、負けないんですから♪ 』


何故に笑顔なんだ・・・そりゃ確かに夕奈ちゃんを選ぶ可能性だってある、どうやら俺の言葉は夕奈ちゃんに火をつけただけみたいだ


『 私・・・やっぱりお兄さんが大好きです・・・いつか・・・お兄さんの頭の中を・・・私だけにしてみせますから! 』


そりゃ怖いな・・・悪くないかもしれないが


『 だめだよ夕奈ちゃん!! お兄ちゃんはこの先も里奈とずーーーっと一緒にいるんだからねっ! 』


俺と夕奈ちゃんが声の方に振り向くと水色の可愛らしいパジャマを着た里奈がいた、ブラコンの鑑(?)たる里奈、ここまでくるともう手の施しようがないな


『 里奈・・・まだあなたと私は同じラインよ・・・そして・・・最後にお兄さんの隣にいるのは・・・私なんだから! 』


『 うーっ! そんなのたとえ神様や仏様、香取刑事が許したって里奈が許さないんだからっ!! 最後にお兄ちゃんと同じベッドで隣に寝るのは里奈って決まってるんだもん! 』


どうして香取刑事が出てくるんだ・・・友成から余計な影響でも受けたのかな? というか頼むからR18な事を言うんじゃない


『 ふふっ・・・お兄さん・・・まだ女性と経験した事はないですよね・・・私なら・・・いつでもいいですから・・・一緒に大人になりましょう・・・。』


『 だーかーらー、お兄ちゃんは里奈と一緒に大人になるのっ! 里奈だってお兄ちゃんが望むならいつでも準備オーケーだよ♪・・・って、あれっ、お兄ちゃん、どこ行ったの? 』


里奈と夕奈ちゃんが言い合ってる最中、俺は風呂に逃げた、あのまま部屋にいたら2人に何をされるか分かったもんじゃないからな、そりゃ確かに俺は齢18にて未だ童貞、だからなんだ、童貞で何が悪い!・・・って、そんな事はどうでもいい、まだ付き合うとも言ってないのにそういう行為だけ先にするのは俺にはどうしても出来ないだけだ


『 お兄ちゃ〜ん、今日は里奈と寝ようねー♪ 』


『 お兄さん・・・私と同じ布団で・・・一緒に寝ましょう・・・。』


風呂のドアの向こうから何か聞こえるが多分空耳だな、うん、風呂から上がったらソッコーで寝よう、当然部屋にはきちんと鍵をしめて、そう決心したクリスマスイブの夜だった・・・。

次話からはいずみの母、美鈴さんが幸せをつかむお話です。

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