第百九十五話
短めですけど本年最後の更新をします。
『 寒い時はこれを着ていつも私が隣にいると思って下さいね、今日はとても楽しかったですわ。』
『 貴志ももうすぐ社会人だもんね、バッグも社会人の身だしなみの一つだよ、大事にしてよね。』
時間も遅くなり帰ろうとする奈津美さんと彩花、その帰り際に奈津美さんからは手編みのセーターを、彩花からは男が持つには少々可愛らしいデザインのバッグをプレゼントしてもらった
『 奈津美さん、彩花、本当にありがとう、大事に使わせてもらうから、いつかこのお礼は絶対するよ。』
『 お礼なんていりませんわ、私がやりたくてした事なのですから、貴志君、里奈さん、今日はお招き頂き本当にありがとうございました、では失礼します。』
『 じゃあいつかデートしてよね、またメールするから、じゃあバイバイ貴志、あっ、里奈も夕奈も私達がいないからって抜け駆けはダメだからね。』
こうして奈津美さんと彩花は帰ったのだが夕奈ちゃんは今日はウチに泊まっていく予定なのだ、まあ問題はないだろうけど。
『 あっ! 待ってってば、お兄ちゃん早いよ〜。』
今俺達3人は俺の部屋でテレビゲームで遊んでる、レースゲームだけど俺が早いというより里奈がハンパなく下手なのだ、里奈はゲームとか苦手だからな
『 俺が早いんじゃなくお前がヘタクソなだけなの、だいたい競争してるのに相手から待ってって言われて待つ奴なんていねーよ。』
『 う〜、お兄ちゃんのイジワルー、そんなお兄ちゃんにはこうだーーっ。』
『 うおっ! なにすんだ里奈、ちょっ、そんなトコくすぐるなっ! 』
里奈がゲームそっちのけで俺の体をくすぐってきた、風呂上がりの少女の甘い匂いがいい気持ちにさせる
『 ほらほらっ、どうだお兄ちゃんー、早くまいったって言いなさーい♪ 』
夕奈ちゃんが風呂に入っててよかった・・・照れる事なく俺の体に密着してくすぐり続ける里奈は本当に楽しんでる様子、相変わらず子供っぽい妹だがいつか・・・俺から離れる時が来る・・・といいな。
『 お兄さん、里奈・・・お風呂頂きました。』
『 じゃあ里奈、風呂先に入ってこいよ、俺は最後でいいから。』
そして里奈が風呂に向かった後、俺の部屋には夕奈ちゃんだけが残った、年頃の男女がクリスマスイブの夜に同じ部屋に2人きりというのは普通、ドキドキなイベントなのだろうが・・・
『 あの・・・お兄さん・・・聞きたい事があるんですけど・・・。』
夕奈ちゃんがやけに改まった態度で俺に聞きたい事があるという、何だろうか?
『 正直に言って下さい・・・お兄さんにとって・・・私は・・・1人の異性としての女の子ですか・・・それとも・・・妹の友達なだけの・・・それだけの女の子ですか・・・。』
『 えっ・・・夕奈ちゃん? どしたんだよいきなり、急にそんな事言われてもなあ・・・。』
『 答えて下さい・・・私、知りたいんです・・・お兄さんにとって私は・・・どんな存在か・・・。』
困ったな、夕奈ちゃんは真剣だ、安易な返事なんてとても出来ない、夕奈ちゃんが俺を想ってくれてるのも知ってる、俺にとって夕奈ちゃんはどんな存在なんだろうか・・・。
今年は大変な災害がありました、被災地の方々にとって来年が幸多き事を願ってます、そしてこの小説を読んでくださってる方々、本当に感謝してます、皆様、良いお年を。