表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大切な人達  作者: 曹叡
191/210

第百八十九話

『 しかしどうして彩花があんたみたいな不良と好んで一緒に居るんだろうな? 俺には全く理解出来ない、彩花は明るく優しい子であんたみたいな不良が近づける様な女の子じゃないんだ! 俺はそんな彩花が好きだったのに・・・。』


『 ふん、そう言う割には彩花の親友と浮気したんだよな、その時の彩花の悔しさや悲しさがどれほどだったかお前分かるか!? そんな男が今更彩花とヨリを戻したいとか笑わせんな! 寝言なら寝て言えよ。』


俺は思ってた事をぶちまける、しかし和哉君は全然悪びれる様子はなく


『 じゃああんたに彩花の何が分かるって言うんだよ、俺が誰とどうなろうがあんたには関係ない、今になって俺にはやっぱり彩花しかいないって気づいたんだ、だから彩花は俺の地元に連れて帰る、その為に俺はこの街に来たんだ、ちょうど蒼太が婆さんを助けたとかいう新聞記事のおかげで住所も分かったしな。』


だから彩花の住所が分かったんだな・・・しかし頭がおかしいのかこの男? どうしてそんな馬鹿げた事を考えつくのかそれこそ理解が出来ないだろ、あれ? 確かコイツは・・・


『 なあ、一つ聞きたいけど真奈って子はどうしたんだ? お前その子と付き合ってるんじゃないのか。』


俺が彩花の親友だった真奈って子の事を聞くと和哉君はみるみる機嫌を悪くしたみたいだ、明らかにイラついた口調で俺に当たる


『 あんたには関係ないって言ってるだろっ! 真奈の話はもう二度とするな!! 分かったら彩花を起こしてあんたの口からこう言うんだ、和哉君と地元に帰って幸せに暮らせってな。』


『 誰が言うかよ! お前こそこのまま大人しく地元に帰れ、そして二度と彩花や俺達の前に姿を現すな! 地元で一緒に彩花を裏切った真奈ちゃんと仲良くやってりゃいいだろ。』


半笑いでそう言うととうとう和哉君が激怒した、予想だが和哉君と真奈さんはもう別れた可能性が強いな


『 うるせぇーーっ!! 真奈の事は言うなって言っただろうがぁーっ! あんな女もう知らねえっ!! もう俺には彩花しかいねえんだよおぉーーーっ!! 』


どうやら間違いないな、この和哉君は真奈さんと別れたのだ、そして元カノだった彩花に復縁を迫ってきた、だがいくら彩花の事が好きでも自分の都合でしか物事を考えない和哉君を彩花が好きになる訳がない、哀れな事に本人だけがそれに気づいていないのだが


『 その彩花も絶対にお前を選んだりする訳がないけどな、自分の思い通りにならないと無理やり連れ去る様な男を女が好きになるって本気で思ってるのか? 悪い事は言わない、一度その足りない脳みそでよく考えてみた方がいいぞ。』


『 ・・・不良ごときが偉そうに言いやがって・・・彩花は絶対にテメエなんかに渡さねえ・・・彩花は・・・彩花は・・・。』


ブツブツと小声で言う和哉君はポケットから剃刀を取り出した、おいおい・・・そんな事したって更に泥沼にハマるだけなのに


『 彩花の目の前でテメエを殺してやる・・・彩花は俺だけの彩花なんだ・・・テメエみてえなクソ不良なんてハナからお呼びじゃねーんだ・・・。』


剃刀を持った和哉君が俺に襲いかかろうとする動作を見せる、するとどこからともなく飛んできた小石が和哉君の持ってる剃刀を直撃して剃刀を弾き飛ばす、石の飛んできた方向を見ると


『 おいおい、随分と危ない奴だな、まあアオなら剃刀があったってそんな奴楽勝だっただろうけどな。』


飄々と振る舞う友成がいた、そして彩花の隣には蒼太もいる、2人とも帰ったんじゃなかったのか・・・


『 とりあえず俺達が帰ったのを確認したら和哉さんは来ると思ってましたよ、途中でUターンして来たんですけどホント呆れた人ですね、こんな人に姉さんは任せられませんよ。』


『 さあて、どうする和哉君? 彩花を諦めて大人しく地元に帰るか、それとも俺達3人相手に玉砕するか、好きな方を選べよ。』


友成の挑発に和哉君はワナワナと震えている、もうどうしようもないのは明らかだ、このまま大人しく帰ればいいのに・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ