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大切な人達  作者: 曹叡
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第百八十五話

『 やっぱり楽進と李典だろ〜、三国志における最高のいぶし銀コンビは。』


『 いやいや、張昭に張紘も捨てがたいぞ。』


『 ほう、じゃあ馬休と馬鉄はどうかな? 』


『 むむむ、しからば雷銅と呉蘭はいかがか? 』


『 なにがむむむだ、なら徐盛と丁奉はどうだ! 』


俺と友成は ( 三国志でイカすいぶし銀コンビは誰と誰だ? ) という言い争いを昼休みに繰り広げていた、そんな俺達にを奈津美さんと彩花は呆れつつも


『 私は黄忠と厳顔なんていいと思いますわ、元気な老人コンビなんて面白いじゃありませんか。』


『 よく次から次へと出るわねアンタ達・・・私にはよく分からないわ。』


微笑んでくれる、あのピクニック以降、俺達9人は更に仲良くなって蒼太の過去も全員が受け入れた


『 信じてもらえないかもしれませんけど俺は騙すつもりも隠すつもりもなかったです、でも・・・できたら知られたくはなかった・・・今更ですけどね。』


蒼太は自分から過去の全てを話し出した、姉の彩花と恋人の紗恵ちゃんは知ってたみたいだけどいずみちゃんとかは信じられないといった表情だった、だけど


『 なあ蒼太、誰でも人に言いたくない過去の1つや2つはある、別にそれは恥じる事じゃない、確かにお前のやった事は酷い事だけどお前は十分に反省してるんだろ、大事なのはその過去とどう向き合うかって事じゃないかな? 』


『 青山先輩・・・。』


『 お前だって本来は思いやりと優しさのある人間だ、そのくらい俺達は皆知ってるよ、だからさ、いつまでも過去に縛られず二度と同じ過ちをしない、それでいいじゃねーか。』


蒼太は俺のメッセージを真摯に受けとめてくれた様だ、その後は友成の発案で王様ゲームをする事になり里奈が王様の時はいろいろと恥ずかしい思いをしたが・・・何にしてもピクニックは最高に盛り上がった。



放課後、今日は奈津美さんや彩花だけじゃなく珍しく友成もいる、いずみちゃんが風邪で寝込んで学校を休んでるからだ


『 真司君、いずみさんは大丈夫なのでしょうか。』


『 美鈴さんが看病してるから大丈夫だと思うけどな、さっきも見舞いに行こうかってメールしたらうつると悪いから来ない方がいいって返事だったから回復するまで待っとくよ。』


『 そうね、私達がいったらいずみや美鈴さんに気を使わせちゃうし、真司から私達みんないずみが早く元気になるのを待ってるってメールしといてよ。』


そんな話をしながら校門を出ると他校の男子生徒がいた、誰かと待ち合わせかな? だけどその男子生徒は俺達と目が合うと


『 彩花! やっと会えたよ・・・って、その人達は彩花の友達かい? 』


彩花の知り合いなのか? だけどわざわざ学校まで来るとは何だろうか・・・


和哉(かずや)、アンタ・・・何しに来たのよ・・・っていうか、よく私の前に顔が出せるわね! 』


彩花の機嫌がみるみる悪くなる、どうやらこの和哉という人は彩花に嫌われてる様だ、まてよ、確か彩花は過去に恋人だった男性を友達だった子に奪われたって言ってたな、じゃあこの人が彩花の・・・


『 彩花! あの時の事は本当にすまなかった、でも真奈(まな)の方から誘ってきたんだ、だって彩花はなかなか俺に・・・許してくれなかったし・・・。』


『 へぇ〜、だから真奈の誘惑に簡単に乗ったんだ、そんな程度の男なのね・・・今更どうでもいいけど、帰ろ貴志、こんなのと話す事とか何もないし。』


そう言って彩花は俺の腕にしがみつく、まるで和哉君に見せつけるかの様に


『 彩花・・・その男は彩花の彼氏なのか? にしてはずいぶん派手な頭してるんだな、なんか彩花の彼氏らしくないよ。』


別にアンタに関係ないだろと言いたかったがそれより先に彩花が進み出て


『 アンタには関係ないでしょ、貴志とアンタじゃ比べるのが貴志に失礼なくらいの差があるんだから、分かったらどいてよ、私は貴志達と帰るんだから。』


強引に帰ろうとする、しかし和哉君は今度は奈津美さんに声をかける


『 君は彩花の友人か? 友人がこんな見た目の男と付き合ってたら君も困るだろ、君からも彩花に言ってやってくれよ。』


なんなのこの人は、自分が裏切った元カノの前で恥ずかしくないのだろうか? 見てて情けないな


『 どうして貴方からそんな事を言われないとならないのでしょうか? 彩花さんも貴志君も魅力的な方です、貴方の様な方には分からないでしょうけど。』


『 行こうぜアオ、せっかくだしたこ焼きでも食べて帰ろうか? 』


まだ食い下がろうとする和哉君を無視して俺達は帰った、自分が裏切ったってのに今更彩花とヨリを戻そうとか何考えてるのやら・・・でも和哉君はまだ諦めてなかった、嫉妬に狂った男は更に泥沼にハマっていったのだ・・・。

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