表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大切な人達  作者: 曹叡
184/210

第百八十二話

『 友さんってすごい優しい刑事になるんですね、今の世の中信じられない事件が多いですもんね、里奈もお兄ちゃんと応援しますから頑張ってください。』


友成の夢を聞いた里奈はいたく感激したらしくエールを送る、普段は冗談言ったりおちゃらけてる感のある友成だが根は正義感と男気にあふれた奴だというのは俺達の仲間はみな知ってる


『 香取刑事みたいに優しさだけじゃなく厳しさや冷静さも持った刑事になりたいんだよね真兄は、子供の頃からよく言ってたもん、まっ、心の師だからね。』


『 おいおいいずみ、確かに香取刑事は俺の生涯の憧れだが香取刑事だけじゃない、高杉警部や山さんや桜田、西園寺や風子に河原、それに兵吾君と西崎、安さんや川辺課長、右京さんに特命係の亀山、俺は皆好きだったぜ。』


要するにこいつは水曜夜9時の刑事ファンなんだな、その中でも特にさらい刑事が好きなんだろう


『 そういや真兄、小学の卒業文集にも一番好きなテレビ番組はさらい刑事旅情編って書いてたよね、二番がミニカポリスで三番が小宏ショーだったっけ? 幅が広いというか何というか・・・っていうか小宏って誰なの? 』


『 なにおうっ、あの小宏さんの軽快かつ絶妙なトークのキレを知らんのかあ! だいたい今のコメンテーター達はなあ・・・。』


やっぱり友成は友成だったか・・・大体なんでそんな昔の番組を知ってるんだよ・・・まあいいけど


『 ねえ貴志、ちょっとしたクッキー焼いたんだけど皆で食べない? 』


友成の作り出した意味不明な空気を破るかのように彩花が手に持ってた袋からクッキーを取り出した、可愛らしい一口サイズで星の形やハートの形をしてる


『 俺や紗恵も一緒に手伝ったんですよ、姉さん、青山先輩に美味しいって気に入ってもらえる様に一生懸命でしたよ。』


『 もうっ、蒼太ったら! でもおかげで上手く焼けてるはずよ、ほらっ、みんなも食べてみてよ。』


仲のいい姉弟だな、とにかく蒼太も彩花も元気そうでよかった、蒼太同様に彩花も辛い過去がある、確か当時に付き合ってた彼氏を友達だった女性に奪われたとか・・・だからなのか彩花は基本的には男嫌いなのだ、初めて会った頃の彩花はツンツンばかりしててデレがなかったけど今やすっかりツンデレ予備軍だ


『 彩花さん、このクッキー美味しいですわ、甘さも控えめで食べやすいですわね、是非とも私にも作り方を教えてほしいです。』


『 ありがと奈津美、じゃあ今度一緒に作ろうよ。』


奈津美さんも絶賛だ、確かに食べやすい、皆もパクパクと口に入れていった。




列車から降りた俺達は山を目指して歩く、奈津美さんオススメの紅葉スポットがあるというのでそこで女性陣の作った弁当を食べるのだ、秋の紅葉を見ながら美少女達とお弁当・・・友成じゃないが確かに嬉しいイベントだ、別にいやらしい意味じゃなくて


『 奈津美先輩・・・その公園は・・・あとどのくらいですか・・・。』


『 あと10分くらいで着きますわ、そこは本当に紅葉が綺麗で空気もおいしいんですよ、私も小さな頃からよく両親に連れて行ってもらってたんです。』


両親に連れて行ってもらってたか・・・奈津美さんの両親は一度お会いした事があったけど本当に立派な人達だった、人の外見よりも中身を見る人達で俺みたいな金髪男にでも平等に接してくれる、その分け隔てなき性格は奈津美さんにも確実に継がれている


『 そうなんですねー、それじゃあ皆さん、あと一踏ん張りです〜、張り切っていきましょ〜。』


紗恵ちゃんの無邪気な励ましが山道にこだまする、それを聞いた女性陣の作った弁当を持つ俺と友成と蒼太は顔を見合わせ微笑んだ、思ったよりも楽しいイベントになりそうだな・・・。

彩花の過去については第十四話に載ってます、いずれ修正はしますが本筋の内容は変えませんので。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ