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大切な人達  作者: 曹叡
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第百七十六話

『 なあ彩花、最近蒼太の様子ってどうなんだ? 』


『 どしたの貴志、急に蒼太の事とか聞いたりしてどうかしたの? 』


『 いや、別にどうかしたって訳じゃないんだ・・・最近会わないから元気にやってるかなって心配になっちゃってさ。』


朝のいつもの登校風景、俺と里奈と夕奈ちゃんと彩花と奈津美さん、男1人に女4人のハーレムプレイ、以前の俺ならお魚くわえたどら猫を追いかけて裸足で飛び出すくらいに慌てふためいただろうが今では自然に彼女達と接している、まさに神様のトコでたった一年修行しただけなのにいきなりラディツより強くなったクリンや天飯もビックリなレベルアップだ、慣れって怖いな


『 そっか、将来の義弟の心配をするのは当たり前だもんね、でも特に変わったトコとかないように見えたけどね・・・。』


『 そうですか・・・だったらいいんですけど・・・昨日の蒼太くん・・・何か脅えてるように見えましたから・・・。』


夕奈ちゃんがなにか釈然としてなさそうな口調で話す、すると俺達の態度に何か異変を感じた彩花が


『 ねえ、さっきから貴志も夕奈もなんなの、蒼太に何かあったの? あんた達が何か知ってるのなら私にも教えなさいよ! 』


不満を露わにする、だが教えろと言われても俺だって正直よく知らない、そんな俺に代わって里奈が彩花に説明してくれた


『 昨日蒼太くんや紗恵ちゃんに誘われてカラオケに行ったんですけど蒼太くんの様子が何か変だったんです、蒼太くんだけじゃなく紗恵ちゃんもなんだか無口だったし、だから彩花さんなら何か知ってるかと思ったんですけど・・・。』


『 そうだったんだ・・・でも家での蒼太はいつも通りだったわ、紗恵までおかしかったのならあの2人の間に何かあったって事だよね・・・もしかして別れ話とかかな!? まさかね。』


本当にまさかだよな、あの蒼太と紗恵ちゃんが別れるとか・・・でも2人の様子が変だという事はそれが一番妥当な理由なんだけど


『 まだそうと決まった訳ではありませんわ、放課後にでも2人の内のどなたかに話を聞いてみてはよろしいではありませんか、まずはそれからです。』


奈津美さんが理知的に場をまとめる、もし本当に別れ話なら俺達のどうにか出来る話じゃないかもしれないがあの2人が別れるのはいい気がしない、間近で見てるとよく分かるがあの2人は真剣に互いを想い会ってる、クールで大人びた蒼太と元気で子供っぽい紗恵ちゃん、一見合わなさそうな2人だけどだからこそ互いの足りない部分を補い合ってる、できうるなら以前の仲むつまじい2人に戻ってもらいたいからな。




学校にていつものごとく友成と雑談を交わす、なんでも昨日は親父さんと


( 痴漢や盗撮、ストーカー行為などの犯罪をもっと効率的に取り締まるにはどうしたらいいか? )


といった議論を夜中の2時過ぎまで繰り広げてたらしい、近ごろの友成親子の議論はかなり真面目な内容だ、以前の奇想天外で支離滅裂で言語道断な議論とは大違いだな、何の心境の変化があったのやら


『 警察がどんなに頑張ってもそれらの犯罪を完全にゼロにするのは難しいんだよ、残念だけどな・・・でも地道に努力していくしかないんだよな、まあ近い将来俺が刑事になったらそんなくだらない犯罪は減らしてみせるけどな。』


さすが刑事志望だな、立派な心意気だよ、なんだか友成なら本当に減らしそうな気がしてきた


『 素晴らしいですね! 真司くん、頑張ってくださいまし、私も陰ながら応援させて頂きますわ。』


『 そうね、本当にくだらない犯罪よ、被害にあった女の子達は本当に苦しい思いをしてるんだからっ! ねえ真司、いつかはそんな犯罪に苦しむ女の子がいなくなるといいね。』


奈津美さんや彩花も嬉しそうだ、友成もガラになく照れ笑いを浮かべている、そんな俺達に珍しくクラスメートの男子が近づいてきた、そして次の瞬間、耳を疑う発言をした


『 なあ四森、お前の弟って昔に同級生を自殺にまで追い込むイジメをしてたってホントかよ。』


・・・何言ってんだコイツ、蒼太がそんな事するなんて・・・しかし彩花の反応を見てるとただの冗談とも思えなかった・・・。

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