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大切な人達  作者: 曹叡
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第百七十四話

主人公全く出番なしです、でもこの蒼太の話が終わったら次は貴志と4人の女の子達のお話にしますので。

神田のお婆さんを助けてから3日が過ぎた、いつも通りに紗恵と教室に入るとクラスメート達の様子が何かおかしかった、俺をチラチラ見て俺が反応すると慌てて顔を背ける、そんなクラスメートの態度に紗恵が


『 ちょっと! どうしちゃったのみんな!? 蒼太がどうかしたの? そんな態度失礼じゃない! 』


クラスメート達を非難する、するとクラスメートの1人で少しガラの悪い風貌の男子、大森が挑戦的に思いもよらない事を言う


『 四森ってさあ、小学生の時にクラスメートイジメて自殺未遂まで追い込んだんだってなあ、人は見かけによらねーよな。』


『 ええっ!! どうして・・・。』


紗恵が驚愕の声をあげる、何故今のクラスメートが俺の過去を知ってるのだ・・・姉さんと紗恵しか知らないはずなのに


『 普段はいい人ぶった真面目なイケメンも昔は極悪非道のイジメっ子ってか、自殺未遂まで追い込むなんてどんなイジメをしたんだ! 教えろよ。』


大森の話す内容に男子連中は興味津々に聞き耳を立てている、女子連中は意味が分からないといった感じで困惑していた


『 そんなのデマよ!! 何か証拠でもあるの! 』


紗恵はまだ俺の過去を隠そうとしてくれる、すると大森はおもむろに携帯を取り出し何やら操作する、そして携帯を俺と紗恵に見せた、そこにはネットの某大手掲示板の書き込みが載せられておりその内容が


( 新聞に載ってた老婆を助けた親切な高校生って昔同級生を自殺に追い込むまでイジメてたんだぜ。)


というものだった、他に俺の過去を知ってるのは当時の同級生達しかいない、多分その中の誰かがあの新聞の記事を見て面白がってネットに書き込んだんだろう


『 こんなの・・・こんなので蒼太って証拠にはならないんだからっ! 蒼太は・・・蒼太は・・・。』


『 もういいよ紗恵、紗恵がそこまで隠す事じゃない、俺自身の事なんだから、だからあんまり気にするな、俺は大丈夫だから。』


泣き出しそうな紗恵をなだめ俺は自分の席に戻る、大森はそんな俺の態度に


『 やっぱりイジメをしてたんだな、いっつも真面目ぶってても本当はそんな奴だったってわけだ、鈴木もこんな奴とはとっとと別れた方がいいぞ、何されるか分からないからな。』


書き込みの内容が事実だったと確信する、そして紗恵に俺と別れる事を勧めるが紗恵は全く相手にしない、やがて教師が来て授業が始まる、少しざわついてるクラスに教師は何かあったのかと聞くが誰も特に何も言わなかった、この日から平凡だった俺の日常に少しずつ変化が生じてきたのだ。



午前の授業が終わり昼食時間、いつもなら俺に気軽に話しかけてくる女子達は分かり易く俺と距離をとってる、それでも紗恵は普段と変わらず俺にくっついてる


『 蒼太、今日はバイト休みなんだよね、学校終わったらどっか行こうよ。』


『 そうだな・・・せっかくバイトも休みだし、どこがいいかな? 』


『 里奈ちゃんや夕奈ちゃんを誘ってカラオケとかは? なんなら温水プールでもいいよ♪ ふふっ。』


『 里奈さんや夕奈さんをか!? カラオケならいいけどプールはまずいだろ・・・まあ誘ってみるか。』


明らかに俺と距離をとるクラスメート達と違い何も変わらない紗恵に俺は心の中で感謝した、でも里奈さんや夕奈さん、皆が俺の過去を知ったら・・・軽蔑されるかな? 自業自得だから仕方ないかもな・・・。

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